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距離が縮まった? 使いやすくなったかな

 同じことをすればと走り去って自分の部屋に戻ってきた私。気持ちが落ち着いてきた所で男の子型携帯が絵を描いてきたとばかりに部屋にやってきて手渡してくる。

「これ! うさぎ……描いてくれたんだ」

 男の子型携帯がうなずいている。私はそうしてもらった事が嬉しくて気持ちがほっこりした。歓喜のあまり、男の子型携帯を抱き寄せようとしたのだが――


「ありがと」

 私がつい抱きしめようとしたからか男の子型携帯が身構える。

「あ~~~~……」

 抱き寄せようと両手を広げたままのポーズで私は止まる。男の子型携帯がおっかなそうにビクビクしていたから。


「……………………」

 男の子型携帯ヒューマノイフォンが怖がりながらも、自分の機能的にマスターに慣れなきゃと思っていそうなのを感じ取る。

「んとっ……そうだ!」

 私は制服のポケットから付けようと買っておいたストラップを取り出した。


「このお気に入りのストラップを付けて良い? 時間がかかりそうなのはしょうがないから仲良くして! ね?」

 私がストラップを付けてあげると男の子型携帯がどことなく嬉しそうにしている気がした。

「リス……仲良く……初めて」


 男の子型携帯ヒューマノイフォンが付けてもらったストラップの方を気にし続けていた。

「気に入らなかった? かな!?」

 反応が微妙なので私はビクビクしてしまう。

「もらった」

 涙を流しているかのように目の位置から液体が流れている。まさかそこまで人間に忠実だと思っていなかったので私は驚きすぎて少しつぶやくだけで精一杯だった。

「!? 泣き……感動!?」


 少しずつ私の方に男の子型携帯が近づいてきた。そして抱きつこうとジャンプしてくる。

「わっ」

 抱き寄せるのは無理みたいだと私は気持ちを抑えて両手をおろしかけていたタイミングで胸に飛び込んできた男の子型携帯にしっかり抱いてほしそうにされたので驚いた。


「たっ、大切に……」

 ぐずった感じの音声でストラップを大事にすると言ってくれた。それよりも私はこの子の行動にきょとんとしてしまっていた。

「……あはは。良かった~~」

 私は心から嬉しいという気持ちが自然と顔に出る。


――で、宝箱の入れ物を男の子型携帯ヒューマノイフォンがどこかから用意してきてその中にストラップをしまった。


「厳重!」

 自作宝箱に男の子型携帯は満足げである。

「大事に保管って気持ちはありがたいんだけど、つけてよおおおおっ」

 ストラップなんだから付けてこそ。付けてほしいと私は少しぐずった声を出してしまっていた。




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