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た……食べて記録するの?

「そうだ。メールアドレスも決めないとね……」

 人に知られないように(でも自分は覚えやすい)アドレスに設定しなきゃと考えた。横で男の子型携帯ヒューマノイフォンが『ご希望を書いて下さい』と言っている。

「それじゃあ私はうさぎが好きって事で……ラビットって……えーと?」 

 

 うさぎのぬいぐるみを思い浮かべるまでは簡単だったが、英語を書こうとしてペンが止まった。

「ラビットのアルファベットが出てこないや。ど忘れー」

「!!」

 私が恥ずかしい事を独白すると、男の子型携帯が意外そうにしながらも頼られていると受け取ったようである。


『いっ、今調べますので』

 小学生向けのアルファベット本を用意して男の子型携帯が調べてくれようとしているのを見て――

「たっ、頼りすぎちゃってるね! 自分で調べるから」

 机の引き出しから私は和英辞典を取り出した。


 アドレスを決めたので、仲の良い子に私はメールを送ってみたいと思う。

「決めたんだから友達のあの子にメールを送ってみたいな」

 机の上においてあったメモ帳を男の子型携帯が持ってくる。

「え!? 紙に書いておかなきゃダメ!?」


 メールアドレスを書き込んで男の子型携帯に渡す。

「書いたけど……これでいいよね」

 そのメモ用紙を見て男の子型携帯が目を輝かせた。

「食べっ……てええ!?」

 男の子型携帯がメモ用紙を口の中に入れる。


「あまあま~っ、とろけるような舌触り」

「味、付いてんの!?」

 口の中に入れて咀嚼している男の子型携帯は味センサーも付いているようで幸せそうに食べている。さすがヒューマノイドといえるのかもしれないが、それには私も驚きが隠せなかった。


「メール受信も紙に書くの……」

 男の子型携帯がまるで苦労しているかのような動作でペンで1文字ずつ書いていた。私はそれを見ていて、人間に近いとはいえキレイな字を書くなー、でも不便と思う。

「できましたっ」


 字は良いとしても、特に絵文字の部分を頑張って書いたのだと男の子型携帯ヒューマノイフォンが胸を張るように見せてきたので私は褒めてあげた。

「上手だねっ、可愛く書けてるよ!」

 褒められて嬉しそうな男の子型携帯を微笑ましく見つめながら、私は今なら触れるかなと手を伸ばそうとする。

(慣れてきてくれたかな? 私も慣れてきたし。仲良く出来そうって自信を持っていいかも)


 また男の子型携帯が、ビクッとした様子になったかと思うと手を振り払う拒否の態度を。

「………………」

 もう拒否されないよねって思っていた私は、手をはらわれた瞬間は拒否されないはずなのにと思考を停止してしまっていた。


 拒否されないと思っていたのに――ショックで私は涙が瞳に溜まってきて泣きそうになる。

「~~~~………………………………うっ」

 こんな事程度でと思うような人もいそうではあるが、いたたまれない気分に耐え切れず私はその場を走り去る。

「うえええ~んっ」

 男の子型携帯が私の行動を見て、悪い事をしたかなって事を感じ取れたようであった。


「どうしようどうしよう」

 改めて確認すると、この携帯は『ヒューマノイフォン』人間に限りなく近づいていけるよう開発されたものなので感情プログラムでまるで人間のように右往左往する。

 その男の子型携帯は白紙を見つけて、絵を書いたところ褒められた。


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