Princess duel3
「ちょっと待てや、日本昔話みたいな書き出しなのはいいとして、何だよコレ、どこに手刀で竹を叩き割る事が出来るお爺さんが居るんだよ!!」
金曜日の朝、未来君は自信満々の表情で登校してきて、僕に原稿用紙を突き付けた。Seventh Writeの効果は書き上げた日が真ん中になる。つまりはこれまでの三日間に何かあったか、これからの三日間で何か起こるか、それとも今起こっているのかは分からない。
七日間。
僕はこの一週間のうちにある悲劇を止めるために、また新しい未来君の書いた原稿を読んでいたのだけれど、やはりふざけた展開に対して大声で突っ込んでいた。
「中々いかしてるだろ?」
相変わらずやたら得意げな未来君の一言で僕の脳内ファイアにオイルが注がれていく。
「この話はギャグなの?童話なの?ジャンルをはっきりしてよ!!」
「楠木、あんまり騒がないでくれる?半端なくうっさいんだけど」
前回のごとく騒いでいると今回は日向さんに怒られた。同級生女子によく怒られる僕である。おかしいな…こんなキャラ設定じゃなかったはずなのに。
「はい、ごめんなさい、静かにしてます」
もちろん謝罪は忘れない、無視ってあれだよね、気分悪いよね。
「都はいつでもハイテンションだな」
すると未来君に笑われた。やべぇ、握った右手が開かないや。それでもさっき大声を出して怒られたばかりなので、何とか理性と自制心をフル活用して押さえつける。
「別にいつでもじゃないよ」
と怒りを隠した笑顔で答えた。
その時、教室のドアが開き、先生が入ってきた。
ガラガラ~
「刻は満ちたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
……………教室に入ってきた氷川秀二先生(47)はいきなりそんなことを叫んだ。
え?佐倉先生?そういえば火曜日から来てないな、何かよく分かんないけど今は学校に来れないらしいよ。※No sister No brotherをよく読むと佐倉先生が来れなくなった理由があります。ヒントは赤碕さん
そして今は代わりに二ーBの担当になったのがこの理科の教師をしているのが氷川先生だった。
氷川先生を簡単に説明すると……
「皆の者!出欠じゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
目と耳を塞ぎたくなるような人だ。うるさいし、痛々しい、どうしてこの国はこんな人を教師と認めてしまっているのだろう?と考えさせられてしまう。そんな先生だった。もちろん授業もこんな感じで行われる。これまでは授業だけしか会わなかったけど担任代理になってからは毎朝見なきゃいけないんだよな…。
「何!?鈴樹が来ていない?ぬぬぬぬぬぬぬ………まさか、病に伏せったというのか!」
へぇ~鈴樹君来てないんだ。なんかの伏線じゃないよね?もしかしたらこの話に鈴樹君が登場しないとも言い切れないし、まったくの無関係かもしれない。でも一応気にかけとこう。
なんて考えているうちにHRが終わった。
さて、続きを読みますか。