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最弱スキル《記録》しか持たない俺、気づけば世界最強の英雄になっていた  作者:
観測者編

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第86話 観測の檻

 気づけば、アレンは真っ白な空間に立っていた。

 上下の区別もなく、ただ淡い光が続く。

「ここは……どこだ?」

“観測領域。あなたの意識は“記録”と同化した”

 背後から聞こえた声――ルクレアが現れる。

 その手には、一本の羽ペンと古びた書物。

「ここであなたは、最後の選択をする」

「選択……?」

「この世界を“記録”として残すか、“破棄”して新たな歴史を始めるか」

 アレンは拳を握った。

「俺が選ぶってことは、他の継承者たちは……」

「皆、選べなかった。過去を消せず、未来も描けず。

 だから私は観測し続けてきた。世界がどう滅びるかを」

 ルクレアの瞳に一瞬だけ哀しみが宿る。

「だが、あなたは違う。あなたは“感情”を記録する者。

 怒りも、涙も、仲間の温もりも――それを拒まなかった」

 アレンは静かに息を吐く。

「……俺は、記録を残す。

 誰かの犠牲で成り立つ世界なんて、もういらない」

 ルクレアが目を細める。

「そう言うと思った。なら――私を超えてみなさい」

 空間が一変する。

 白が砕け、無数の記号が嵐のように舞い始めた。

 それは“過去の記録者たち”の残滓。

 アレンは剣を構える。

「全部、俺が受け止める!」

 嵐の中、無数の声が響く。

“助けてくれ”

“俺は守れなかった”

“もう一度だけ、やり直したい”

 それはかつて敗れた継承者たちの叫び。

 アレンはその全てを剣に刻み込むように、前へ進む。

「お前たちの想いも、俺が記録してやる!」

 光が爆ぜ、アレンの背に金色の羽が生まれた。

 記録の象徴――「継承の翼」。

 ルクレアが微笑む。

「……その光、久しぶりに見たわ」

「これが……俺の答えだ!」

 剣が振り抜かれ、観測の檻が砕け散る。

 眩い光が空間を満たし、世界が再び動き出す。

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