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最弱スキル《記録》しか持たない俺、気づけば世界最強の英雄になっていた  作者:
裏切りの刃編

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第70話 終焉の選択

 ――夜空が裂けた。

 燃える城壁。崩れ落ちる塔。悲鳴と怒号が混じり、空気が鉄の匂いで満たされていた。

 かつて信じ合った仲間たちが、今は互いに剣を向けている。

 その中心に、アレンは立っていた。

 最弱のスキル【記録】――かつて笑われた力。

 だが今、その力で彼はすべてを見てきた。仲間の裏切りも、民の嘆きも、そして……この戦乱の結末も。

「……レイナ、まだ間に合う。戻ってこい」

 アレンは叫んだ。血に濡れた剣を下ろしながら。

 かつての副隊長レイナは、紅のマントを翻し、冷ややかな瞳でアレンを見返した。

「アレン、あんたの“理想”じゃ、この国は救えない。記録してるだけで、何も変えられないんだよ!」

「違う……記録は、未来を変えるためにあるんだ!」

 二人の刃が交わる。

 雷鳴のような衝突音。

 アレンの記録が光を放ち、レイナの動きを先読みする。だが彼女もまた、アレンの戦い方を知り尽くしていた。

 何度も刃がぶつかり、互いに血を流しながら、戦いは続く。

 やがて――。

「これで……終わりだ、レイナ!」

 アレンの剣が、彼女の胸元を貫いた。

 レイナの瞳が大きく見開かれ、息が漏れる。

「……やっぱり……あんたは……変わったね」

 微笑んで、崩れ落ちる。

 アレンは剣を落とし、膝をついた。

「……記録、完了。」

 その声は、涙で震えていた。

 周囲では戦が終わり、夜が静けさを取り戻していく。

 仲間の裏切り、血に染まった大地、失われた信頼――それらすべてをアレンは記録し、背負った。

「……もう、誰も失わない。

 この手で……王国を、もう一度立て直す」

 彼の眼差しは、夜明けの空を見据えていた。

 遠く東の地で、まだ見ぬ仲間と新たな国が待っている。

 こうして――

 《裏切りの刃編》、終焉。

 そして、新たなる物語《王国再建編》が幕を開ける。

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