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最弱スキル《記録》しか持たない俺、気づけば世界最強の英雄になっていた  作者:
裏切りの刃編

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第65話 闇に潜む真実

月明かりが薄雲に覆われた夜、アレンたちは音を殺して森を抜けていった。目指すは裏切り者たちの拠点――王国軍の物資を密かに横流ししている隠れ倉庫だ。


「ここから先は警備が厳重になる。足を止めるな」

ライエルが低い声で囁く。

ナリアは弓を構え、視線を前に送った。「前方に二人。交代の巡回兵ね。……どうする?」


アレンは深呼吸をした。心臓の鼓動が耳の奥で響く。ここでの判断ひとつで、作戦が失敗に終わる。

「俺が合図を送る。タイミングを合わせて、ナリアは射抜いてくれ。ライエル、すぐに制圧を頼む。ミカは援護を。」


「わかったわ。」

「了解だ。」

「が、がんばる……!」


合図と同時に矢が放たれ、巡回兵の片方が声を上げる間もなく崩れ落ちた。ライエルがもう一人を一瞬で気絶させ、音ひとつ残さず処理する。

「……よし、進め。」


倉庫に近づくにつれ、重い空気が漂ってきた。壁の隙間から漏れる灯りと、人影の動き。中には十人以上の兵士がいるのだろう。アレンは背中に汗を感じながら、囁くように言った。


「俺が“記録”で内部を写し取る。その証拠があれば、裏切りは覆せない。」

「でもアレン、それって……中に入らなきゃ無理でしょ?」

ミカが不安げに袖を掴む。


アレンは力強く頷いた。

「だから俺が先に行く。危険は承知だ。それでも、俺がやらなきゃいけない。」


一瞬の沈黙の後、ナリアが口を開く。

「……分かった。でも一人じゃ行かせない。私たちは仲間でしょ?」


「そうだ。背中は俺たちが守る」

ライエルの言葉に、ミカも小さく頷いた。


四人は視線を交わし、決意を固める。

その時、倉庫の奥から低い声が聞こえてきた。

「次の取引は三日後だ。王国軍の補給路を潰せば、奴らは自滅する……。」


アレンの目が鋭く光る。

裏切りの全貌が、今まさに暴かれようとしていた。


「――行くぞ。ここからが本番だ。」


夜の静寂を切り裂くように、彼らは倉庫へと忍び込んだ。


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