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最弱スキル《記録》しか持たない俺、気づけば世界最強の英雄になっていた  作者:
仲間集め編

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第23話 潜入準備と新たなる仲間

港での戦いから数日が経過した。ザハルとの決着はついたものの、蛇の牙の幹部たちが逃げ去ったことで、俺たちの戦いはむしろこれから本番を迎える気配に満ちていた。

 ギルドに戻ると、作戦室には地図や報告書が散乱していた。

「この印章……間違いない。蛇の牙の本拠地に繋がる手がかりだ」

 リゼルが慎重に書類を広げる。光魔法が淡く文字を照らし、その光が決意の色を帯びていた。

「場所は北西の山岳地帯、古の廃都――そこが本拠地の可能性が高い」

 ガイルが指を差す。地図上のその場所は、霧に包まれた廃墟群が連なる一帯だった。

「完全に自然に溶け込んでいる。普通の兵士じゃ近づけないな……」

 フィンが眉を寄せる。盗賊や裏社会の手がかりも同時に確認され、ここに潜入するには慎重さが求められることを示していた。

 俺は仲間たちに目を向ける。

「今回の潜入は、ただの戦闘じゃない。情報収集がメインだ。無理な戦いは避けろ」

「分かってるわ。でも、ガイド役は誰にする?」

 リィナが疑問を投げかける。

「……俺だ」

 俺の答えに、一同は驚きと安心が入り混じった表情を見せた。

 これまでの戦いで、俺の【記録】が進化し、仲間を守る能力も格段に上がったことを皆が理解していた。

 潜入のために、俺たちは装備を見直した。

ガイルは大剣を軽量化し、暗所での動きに適応

フィンは矢の種類を増やし、情報収集用の特殊矢を追加

リィナは属性魔法の応用範囲を拡張

リゼルは光魔法にステルス用の幻光バリアを組み合わせた

 準備は万端だった。

 だが、俺たちは今回、新たな仲間を加えることになった。

「紹介しよう、今回の作戦に加わる魔導士――ソラ・フェルミ」

 ギルド長グラントが振り向くと、黒髪の少女が一歩前に出た。

 年端も行かぬ容姿に似合わず、瞳は深い碧色で、魔力の気配が周囲を圧していた。

「……はじめまして、アレンさんたち」

 少女の声は静かだが、底知れぬ力を感じさせる。

「彼女は幻惑・幻影魔法の使い手で、敵の目を欺きつつ情報収集を可能にする」

 グラントの説明に、仲間たちの目が輝く。

「なるほど……敵の幹部も騙せるってわけか」

 ガイルが感心した声を漏らす。

 夜、俺たちは本拠地に向かうための準備を整えた。

 リゼルが呟く。

「今回の潜入は、戦うより先に敵を知ることが大事ね」

 俺は頷いた。

 【記録】の進化で未来の動きを読むことはできても、幹部の数や配置、潜入経路を知らなければ完璧には動けない。

「全員、注意するんだ。奴らは港での戦闘よりも数段手強い」

 街の明かりを背に、俺たちは山岳地帯へ向かう夜道を歩き始めた。

 途中、ソラが小声で話す。

「この廃都、古の魔導士たちの罠が多い。普通の者なら入口で足止めされる」

 その言葉に、俺は仲間たちの背筋を正した。

「じゃあ、俺たちは普通じゃない。進める」

 リィナが炎の魔法で周囲を照らし、フィンが矢で先行偵察。ガイルは後方で仲間を守る。

 そして俺は、【記録】で敵の動き、未来の攻撃パターン、潜入ルートを脳裏に刻み込みながら進む。

 廃都の門前に立った瞬間、全員の息が止まった。

 薄暗い霧に覆われ、古の遺跡が巨大な影を落としている。

 静まり返った空気の中、遠くから低い呪詛の声が聞こえたような気がした。

「……ここが、本拠地か」

 俺は剣を握り、仲間たちに目を向ける。

「全員、準備はいいな。これから先は戦いじゃなく、情報戦だ。敵を知り、罠を避け、幹部を探す」

 ガイルが大剣を肩に掛け、フィンは矢を構え、リィナとリゼルは魔法陣を整える。

 ソラは瞳を光らせ、潜入の道を静かに示した。

 ――全員の心が一つになった瞬間、俺たちの本格的な潜入作戦が始まったのだった。

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