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最弱スキル《記録》しか持たない俺、気づけば世界最強の英雄になっていた  作者:
仲間集め編

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22/87

第22話 記録の進化と双牙の敗北

ザハルの双剣が闇を纏い、倉庫内に圧倒的な殺気が広がった。

 まるで刃そのものが命を喰らうかのように黒い瘴気を滴らせ、仲間たちの動きが一瞬止まる。

「……あれはやばいわね」

 リィナが魔法陣を構えながらも、顔を引きつらせて呟いた。

「アレン、気をつけろ。あの男、さっきまで本気じゃなかった」

 ガイルが剣を構え直し、俺の背中に声を投げる。

「分かってる……ここからが本番だ」

 ザハルは静かに前進し、双剣を交差させた。

「双牙流奥義――《影牙連斬》」

 その瞬間、彼の姿が視界から消えた。

 闇の中から稲妻のような斬撃が連続で襲いかかる。左から、右から、背後から、斜め上から――四方八方に殺意の刃が舞う。

 俺は必死に受け止めるが、斬撃の一部が肩や頬を掠め、熱い血が飛び散る。

「くっ……速すぎる!」

 【記録】で追いつこうとしても、ザハルの速度は視界が追うより早い。

「アレン!」

 リゼルの治癒魔法が俺をかすめた傷口に光を灯す。

 だがザハルの攻撃は止まらない。

「仲間に守られながら戦うか……だが無駄だ」

 彼の双剣がリゼルを狙う。

「させるか!」

 俺は瞬時に【記録】を発動し、ザハルの直前の攻撃軌道を脳裏に再生する。

 そして――

「……見えた!」

 連撃の起点を記録から逆算し、斬撃が始まる前に踏み込み、ザハルの懐に滑り込んだ。

 ザハルが初めて目を見開いた。

「ほう……この速度に対応するか」

「いや……対応じゃない。俺の【記録】は――」

 瞬間、脳裏に電流が走るような感覚があった。

 目の前の剣筋、仲間たちの動き、倉庫内の敵兵――全てが一枚の地図のように俯瞰できる。

「未来の動きまで記録する……?」

 新たな力の発現。いや、進化。

 【記録】が今、この瞬間に【未来視】へと進化したのだ。

「行くぞ、ザハル!」

 俺は彼の双剣の動きを一秒先読みし、全ての攻撃を紙一重でかわしながら斬り込んでいく。

 ザハルの連撃が空を切り、俺の剣が彼の鎧を裂く。

「馬鹿な……俺の双牙流が、後手に回るだと!?」

 ザハルの顔に初めて焦りが滲んだ。

「アレン、今よ!」

 リィナが雷魔法を放ち、ガイルがその隙を突いて敵兵を一掃する。

 戦場は一気に俺とザハルの一騎打ちの場となった。

「これで終わりだ――《未来記録:零閃》!」

 俺は記録した未来の動きを利用し、彼の回避行動より早く斬撃を叩き込んだ。

 ザハルの双剣が宙を舞い、彼の膝が地面に崩れ落ちる。

「……なるほど、カラムが負けたわけだ」

 ザハルは血を吐きながらも笑った。

「だが、蛇の牙は……俺一人じゃない」

 そう言い残すと、彼は黒い煙のような魔力を纏い、姿を掻き消した。

「逃げた……?」

 俺たちは周囲を警戒するが、ザハルの気配は完全に消えていた。

 倉庫に残されたのは、密売商人たちと蛇の牙の取引記録。

 リゼルが手に取ると、その中には驚くべき情報が記されていた。

「この印章……蛇の牙の本拠地の手がかりかもしれない」

 俺は血に濡れた剣を握りしめ、決意を固めた。

「蛇の牙……必ず根絶やしにしてやる」

 港に朝日が差し込み、戦いの夜が終わりを告げた。

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