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最弱スキル《記録》しか持たない俺、気づけば世界最強の英雄になっていた  作者:
仲間集め編

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20/87

第20話 闇の商人と秘密取引

カラムとの死闘が終わった翌朝。

 俺たちはギルドから呼び出され、作戦室へと集められた。

「蛇の牙の刺客を倒したそうだな。だが――これは終わりじゃない」

 ギルド長のグラントは重い声で告げる。

 白髪交じりの大男で、彼の険しい表情が状況の深刻さを物語っていた。

「蛇の牙の幹部が近隣の街で暗躍しているという情報が入った。奴らは盗賊、密売商人、裏社会の連中と繋がりがある。お前たちには調査を頼みたい」

「調査、ですか?」

 俺が問うと、グラントは頷いた。

「正面から行けば逃げられる。だから潜入だ。裏の取引に忍び込み、幹部の手掛かりを掴め」

 こうして俺たちは、蛇の牙に繋がる情報を求め、隣町ロストベルへ向かうことになった。

 ガイルが腕を組みながら呟く。

「潜入ねえ……オレみたいな大剣背負った奴が潜入ってのは無理があるんじゃないか?」

「そもそもお前、酒場入ったら一瞬で目立つタイプだしな」

 フィンが苦笑し、リィナも小さく頷いた。

「確かに。ガイルは静かに歩くって概念がなさそう」

「おいおいお前ら……」

 そんなやり取りに、リゼルは少しだけ笑みを浮かべていた。戦いばかりの日々の中で、久々に緊張がほぐれた瞬間だった。

 夜。ロストベルの街に到着した俺たちは、早速情報収集を開始した。

 酒場の片隅で、フィンが耳をそばだてる。

「聞けよ、裏で取引があるらしい。闇商人どもが港で密会するってさ」

「港か……」

 俺は地図を広げ、作戦を立てた。

「ガイルとフィンは外側の警戒。リィナとリゼルは魔法でサポート。俺が直接取引現場に潜入する」

「お前一人で大丈夫か?」

 ガイルが真剣な目で問う。

「記録スキルの出番だ。相手の動きを全部記録すれば、逃げられない」

 深夜。港の倉庫で、フードを被った商人たちが集まっていた。

 彼らの中心にいたのは、痩せぎすの男――どう見ても普通の商人ではない。

「物は用意した。だが金は倍にしてもらう」

 商人がそう言うと、反対側の男が笑った。

「蛇の牙様の命令だ。お前に拒否権はない」

 やはり……蛇の牙の関係者だ。

 俺は木箱の陰からそのやり取りを見つめ、【記録】で会話と顔を刻み込んだ。

 だが、その時だった。

「そこに誰かいるな」

 商人の一人がこちらを振り返った。

 ――まずい、気づかれたか!?

 俺が身構えると同時に、背後から影のような気配が迫る。

「蛇の牙を嗅ぎ回る鼠がいると聞いたが……お前のことか」

 現れたのは黒装束の男。カラムよりも大柄で、背には双剣を背負っていた。

「幹部の一人、“双牙”ザハル様だ!」

 商人が慌てて頭を下げる。

 まさかもう幹部が出てくるとは――。

 ザハルの目が俺を射抜く。

「ほう……記録スキルの小僧か。カラムを殺したのはお前だな」

 その声には怒りも焦りもなかった。ただ淡々とした、冷たい殺意があった。

「今度は俺が相手をしてやろう。だが――」

 ザハルは双剣を抜き、月明かりにかざした。

「お前はカラムのように甘くはない」

 その瞬間、外でガイルたちの戦闘音が響いた。

 敵の援軍が来たのだ。

「アレン、応援に行く!」

 リィナの声が遠くで聞こえる。

 だが俺はザハルから目を離さなかった。

「ここで引くわけにはいかない。情報を掴むためには……!」

 ザハルと俺の視線がぶつかり、倉庫の空気が一気に張り詰める。

 ――双牙の幹部との戦いが、今始まろうとしていた。

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