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最弱スキル《記録》しか持たない俺、気づけば世界最強の英雄になっていた  作者:
仲間集め編

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第14話 蛇の牙の刺客

北の森に不気味な沈黙が降りた。

 仮面の男は俺たち三人を見下ろしながら、指先に黒い魔力を集める。

「名を名乗れ」

 俺が言うと、男は薄笑いを浮かべた。

「我が名はヴェイル。蛇の牙の執行者にして、お前の処刑人だ」

 次の瞬間、彼の足元から黒い鎖が無数に伸び、俺たちへと襲いかかってきた。

「くっ、速い!」

 ガイルが剣で鎖を弾くが、一本、二本と次々に襲いかかる。

 リィナが詠唱し、炎の壁を展開。だが鎖はまるで生き物のようにうねり、炎をすり抜けて迫ってきた。

「アレン! 何か対策は!?」

「今、記録してる……!」

 俺はヴェイルの動きと鎖の軌道を目で追い、スキル【記録】に刻み込む。

 記録した映像から分かった。鎖は魔力の糸で操られており、根元を断たなければ止まらない。

「根元は奴の足元だ! そこを狙え!」

「了解!」

 ガイルが疾風のごとく走り、ヴェイルに迫る。

 だがヴェイルは冷笑し、指先を弾いた。

 鎖が地面から突き上がり、ガイルを弾き飛ばす。

「ぐっ……!」

 木に叩きつけられ、ガイルが呻く。

「やっぱり正面突破は無理か……!」

 リィナが氷槍を放つが、鎖が盾のように防いだ。

 俺は歯を食いしばりながら、再び記録を呼び出した。

 今度は戦闘中の鎖の動きをスロー再生し、魔力の流れを細かく解析する。

 すると、一瞬だけ鎖の動きが止まる“隙”があるのに気づいた。

「リィナ! 次の詠唱、三秒後に最大出力で!」

「三秒後!? 分かったわ!」

 リィナが魔力を集中させ、雷撃の魔法陣を展開する。

「今だ!」

 リィナの雷撃がヴェイルの足元を直撃し、鎖が一瞬だけ硬直した。

 ガイルがその隙を逃さず、剣で鎖の根元を断ち切る。

 黒い鎖が霧のように消え、ヴェイルが初めて表情を歪めた。

「ほう……ただの学生にしてはやるな」

 しかし彼の気配はますます濃く、重くなっていく。

「アレン・クロード。お前の首は必ず我らが組織に捧げる。今日はこのくらいにしてやる」

 そう言い残し、ヴェイルは闇に溶けるように姿を消した。

「……逃げたのか?」

 ガイルが息を切らしながら剣を収める。

「いや、次は本気で来る。そういう目をしていた」

 俺は森の奥を睨みながら言った。

 リィナが肩をすくめる。

「まったく、初任務から刺客に狙われるとか、普通じゃないわよ」

 だが心のどこかで、俺は確信していた。

 これはまだ序章に過ぎない。

 ギルドに戻り報告を終えると、俺たちのパーティは少しだけ有名になった。

 “蛇の牙”という名も、王国中に広がりつつあるらしい。

「次はもっと強い奴が来るな……」

 ガイルが不敵に笑う。

「いいじゃない。私たちの実力を試すチャンスよ」

 リィナの瞳がわずかに輝いた。

 俺は拳を握りしめた。

 ――仲間はまだ必要だ。もっと強く、もっと多く。

 そうでなければ、この先に待つ戦いには勝てない。

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