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最弱スキル《記録》しか持たない俺、気づけば世界最強の英雄になっていた  作者:
仲間集め編

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第13話 初任務と闇の影

王国ギルド本部の掲示板に、一枚の依頼書が貼られた。

【依頼内容】北の森に出没する魔物の群れ討伐

難易度:Cランク

 討伐対象はオーク数十体。

 報酬は金貨二十枚。

「最初の任務にしてはちょうどいいな」

 ガイルが剣を肩に担いで笑う。

「ま、あなたが足を引っ張らなきゃの話だけど」

 リィナはいつものように毒を吐いたが、表情はどこか楽しそうだった。

 俺たち三人は、この依頼を受けることにした。

 北の森は学園から半日の距離にある。

 鬱蒼とした木々が陽光を遮り、昼でも薄暗い。

 ガイルが前衛、リィナが後衛、そして俺がサポート兼記録係。

「アレン、あんたのスキルって実際どう使うの?」

 リィナが歩きながら尋ねてきた。

「見たものを記録するだけだ。でも、記録した情報はいつでも再現できる。例えば――」

 俺は昨日の暗殺者戦で見たリィナの魔法陣を記録から呼び出し、宙に映し出した。

「っ!? これ、私の魔法式じゃない!」

 リィナが目を見開いた。

「再現するだけだから魔力は込められない。でも敵の戦術や動きを記録すれば、対策に使える」

 ガイルが感心したように口笛を吹く。

「なるほどな。戦い方次第で化けるスキルだ」

 やがて、森の奥から唸り声が響いてきた。

「来たな……!」

 ガイルが剣を抜く。

 オークの群れが木々をなぎ倒しながら突進してきた。十、二十……数は三十を超える。

「私が後方から援護する。アレン、敵の動きを記録しなさい!」

 リィナの詠唱が始まると同時に、ガイルが前に躍り出る。

「おうっ!」

 剣と魔法が交錯し、戦いが始まった。

 ガイルはまるで舞うようにオークの斧を避け、反撃の一撃で首を落とす。

 リィナの雷撃が一体を焼き尽くし、炎が二体をまとめて吹き飛ばした。

 俺はひたすら敵の動きを記録し、弱点や行動パターンを即座に仲間へ伝える。

「右の群れ、突進前に一瞬止まる! 今だ!」

「了解!」

 ガイルがそのタイミングを狙って突き刺し、リィナの氷槍が残りを仕留める。

 戦いは十五分ほどで終わった。

「……やるじゃない、アンタ」

 リィナが少しだけ口元を緩めた。

「これが初仕事って信じられねぇな」

 ガイルも満足げに剣を納める。

 だが、その時だった。

 森の奥から、黒衣の男がゆっくりと歩いてきた。

「ほう……オーク三十体を十五分とは。なるほど、これが“記録”の力か」

 仮面をつけたその男は、俺たちを品定めするように見た。

「貴様……蛇の牙か?」

 ガイルが剣を構える。

 男は仮面の下で笑った。

「アレン・クロード。貴様の首、我らが組織に差し出してもらう」

 闇の気配が、森を覆っていった。

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