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ドラストキヨシで情報収集

では会計。

「おい! そこは儂が並んでいたんだ! 割り込みおって! 」

言いがかりをつける困ったお爺さんと遭遇。

込み上げる怒りを堪えてここは大人しく従う。後ろにつく。

「あれお爺さんも船に? 」

大量の食糧と旅行グッズ。これは間違いない。

「何じゃお前らもか? ではな」

そう言ってとっとと行ってしまった。

マイペースな爺さんだ。俺が先に並んだのによ。


「あの…… お客様。お会計がお済ではないのですが」

危うく列から離れるところだった。

店員の疑いの目が刺さる。いやまさか……

とんでもない量を買い込んだので持ち逃げは不可能。

さあどうしようかな。


「ほらエンゼルカードを! 」

「エンゼルカード? 何ですかそれ? 」

うわダメだ。持ってない。使い放題のエンゼルカードがない。

これはまずい。非常にまずい状況。

後ろにはまだかとイライラした客が列をなす。

ここで返却すれば彼らにも迷惑が掛かる。

でも正直お金はないし…… 代わりもない。


「おい何とかしろアトリ! 」

「お任せくださいご主人様! 二十四金で支払います」

「ちょっとお客さん。これでは足らないよ。あと百ドットね」

店員さんも迷惑そう。これはまずい。

「ではもう一個追加で」

何だよアトリの奴め驚かせやがって。危うく土下座するところだったじゃないか。

たぶんそれでも許してもらえずにいくらかは返さないといけないだろう。

そうなったら後ろの人に睨まれ罵声を浴びせられる。

もちろんそんな奴には言葉の暴力で対抗するけどね。


「ありがとうございました」

お釣りは面倒なので受け取らないと言うとうって変わって笑顔。

現金な店員さん。

こうして準備は整った。

では仲間探しでもしますか。


「地図を見せてくれ! 」

「そんなのありませんよ。ご主人様」

「そうかそうか。だったら酒場にでも案内してくれ」

ドンテの近くにはレストランやカフェが立ち並んでいる。

そのどこかにバーでもあればいいんだが。

「ノーデーターです」

「ロボットか? 」

「違います。そのようなものはご主人様自らお集めください。

アトリはあくまで協力者なのですから」

生意気を言いやがる。第三世界のスペシャリストじゃないのか?

これならドンテで聞いておけばよかった。


ドラストキヨシに寄ることにした。

薬とドリンクとシップと日焼け止めと虫刺されを購入。

「またお越しください」

ウサギ耳をした店員が挨拶をする。

やはりウサギ耳を着けると誰でも可愛くなれる。

このお姉さんは元がいいから関係ないだろうけれど。


「ああそうだ。この近くにバーありませんか? 」

地元の人に聞くのが手っ取り早い。

「済みません。最近引っ越したもので店長にでもお聞きください」

ボタンを押すと店長が姿を見せる。

「申し訳ありません。このバニーガールが何かしましたか? 」

何も言ってないのに平謝り。

「あのその…… 聞きたいことが」

うわ…… このおっさんもウサギ耳を着けてる。

どうやらこれはいわゆる変身タイプではない。

ドンテで売ってるようなパーティーグッズらしい。

可愛いらしいバニーにはなれないらしい。

可哀想だなと言う感想しかない。


「ご注文はウサギですか? 」

混乱した店長がとんでもないことを言い出す。

「そんなことあるか! 」

ついキレてしまう。

そうするとどこからか警告が発せられる。

これで累積警告①となった。

またこの展開かよ。


「失礼しました。それでどのようなご用件でしょうか? 」

クレームでないと分かった店長は笑顔で接する。

気持ち悪いな。まあ不愛想なのよりはいいけどさ。

「だからこの辺に夜のお店ない? 紹介して欲しいんだけど」

ようやく目的を伝えられる。

買い物したからこれくらい教えてくれるよね。


しかしその考えが甘かった。

「情報料は高いですよ」

店長は元情報屋だそう。だからその辺はシビアなのだとか。


「いやああ! 」

可愛らしい店員のお姉さんが悲鳴を上げる。

「済まななったね。隠すつもりはなかったんだ。ただ裏社会に憧れて」

どうやら二人は付き合ってるらしい。

迷惑だからバーの場所だけ教えてくれよな。


「この二十四金でいい? 」

「ああもうご主人様! 勝手に」

アトリはほっぺを膨らませて怒って見せる。何て可愛らしいんだろう。

「では…… その前に」

もったいぶる元情報屋の店長。今も現役だな。


「あなたは小学生とお見受けしました。

そのような身分では大人の夜のお店には相応しくないかと思います。

ボディーガードのモンスターにボコボコにされて泣かされるのがオチですよ。

一昨日行くのがベストですね」

うわ…… 暗に否定された。


「あの俺小学生でもないし大人のお店に行く気もないよ。

ただバーに用があるんだ」

「バーですか。でしたらこの町の外れに細々とやっているバーがあります。

ただ治安が良いとは決して言えません。あまりお勧めしません」

さっそく行ってみる。

危険度マックスのバーに潜入開始。


               続く

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