エクセルの真実
アトリ登場。
「アトリは正真正銘の妖精。十五歳です。情報では小学生となってますが。
随分と大きい方ですね。そして失礼な方」
妖精は怒ったのか横を向く。
「小学生じゃない! 十六のいい大人だ! その情報間違ってるぞ」
エクセルの奴め小学生にしやがって。なぜ訂正しない? また馬鹿にされる。
「そうですか。では修正した上でお詫び申し上げます」
「きちんとしてくれよな。ロボット何だから」
「へへへ…… 申し訳ありませんご主人様。ってロボットではありません! 」
「どっちでもいい。お前は十五だな? 百か二百か? 」
エクセルがそうだったようにアトリだってきっととんでもない年齢に違いない。
妖精と人間では何もかも違う。しかもロボットなら何もかも違うのは当然。
「十五です。ご主人様はバカなんですか? 」
しつこく年齢を聞きお怒りモードのアトリ。
怒っても可愛いからつい繰り返してしまう。
一種のコミュニケーションってことで許してよね。
「またまた…… 」
「大馬鹿なんですか? 」
「こいつ…… 」
可愛い顔をしてストレートに言いやがる。やはりロボットだな。
「まさか騙されたのではありませんか? 妖精は人間の半分しか生きれません。
だから優しく丁寧に扱ってくださいね」
「騙された? エクセルが俺を騙した。何で? 」
「それはご主人様に舐められないようにかと。エクセルって言いましたよね。
でしたら私と同い年です」
何てことだ。エクセルは俺よりも下の可愛らしい妖精だった。
しかしなぜ百歳を超えたなんて嘘を?
「妖精族は妖精病で絶滅寸前なんだよな? それで故郷も…… 」
「はあ? 妖精病って何ですか? 絶滅? 増えてますよ」
エクセルの情報はほぼすべて偽りだった。
「信じられない! なぜ? 」
「さあご主人様をコントロールしやすいようにでしょう。
アトリはそのような愚かな妖精ではありません。どうぞご安心ください」
アトリによればエクセルは嘘を吐いたことになる。
一体俺をどんな風に見ていたのだろう?
そう言えばアプリンが仲間になって苛立っていたな。
妖精族は? 妖精病は? 年齢詐称。
エクセル何で嘘ばかり吐いたんだ? 俺はお前を信頼したのに。
それともこのアトリがいい加減なことを言ってるとか。
「そうだ。エクセルは元気にしてる? 」
嘘はどうでもいい。それよりも今元気してるのかが大事。
「ご主人様。それは極秘事項となっております。
エクセルは恐らく遠い世界に旅立ったのかと思われます」
アトリは具体的には教えてくれなかった。
エクセル…… 済まない。
もう切り替えるしかない。
「よし行くぞ! こっちだ」
アトリを伴い第三世界を旅する。
突如世界が真っ白になった。
アトリ? どこにいるアトリ?
いくら呼んでも反応がない。
目の前を一頭のシカが横切る。
野生のシカらしい。この辺りに生息してるようだ。
シカは角を向けて威嚇を始める。
何かと戦っているよう。
バンバン
バンバン
狩猟ハンターが陰から数発放つ。
シカはその場に倒れ血を流す。
どうやらここは絶好の狩場らしい。
ハンターはシカを仕留めると次に小動物に目を向ける。
ピョンピョン撥ねる可愛い動物。
ウサギが危機を察知し近くの茂みに隠れる。
ハンターはなおも追いかけるがウサギも馬鹿ではない。
すぐに姿を消す。
くそ惜しい。
ハンターは二兎を追ったためシカを逃す。
仲間? 数名の男女が得体のしれない乗り物から降りる。
馬鹿野郎! それは今晩のおかずじゃ!
ここは禁漁区ですよ。我々が保護します。
ふざけるな! このペテン師め!
そちらは犯罪でしょう?
どうやら保護団体とハンターで言い争っているらしい。
クソ! ふざけやがって!
ハンターは怒りが収まらずに銃を構える。
ああ……
こちらに気づいたようだ。
俺は関係ない。ただの旅行者。
だが言い訳は通用しない。
ハンターはこちらに照準を合わせ怒りの弾丸を発射する。
止めろ! 止めてくれ!
世界が晴れ渡る。
「ご主人様? ご主人様大丈夫ですか? 」
目の前にアトリの心配する姿が。
どうやら夢だったらしい。
毎度のように新世界に行くと手荒い歓迎を受ける。
嫌な儀式だ。
続く




