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綺麗なお姉さんだらけのバー

ウサギ調査。

妖精さんに言われるままウサギの幻影を追いかける。

本当にこれでいいのか? アンよ今どこに?

ドラストにてウサギの情報を得ようとするも思うように行かずついキレてしまう。


ぴいい!

言葉の暴力。二回目。

残り三枚で刑務所に直行。

どこからかそんな幻聴が聞こえた気がした。


「まさかこれ…… 」

「あなた今言葉の暴力を吐いたでしょう? 町でも暴言を吐けば累積されるのよ。

それくらい常識。気をつけて。拘束されるわよ」

何とも恐ろしい世界。


「俺悪くない! 」

「反省しなさい! 本当に追い出されるわよ」

脅しをかけるがそんな手に乗るものか。

俺は自由を求めて村を出た。今そんなつまらない決まりごとを守るはずないだろ。

もちろん実際はアンを探しに来ただけだけどさ。


「俺が悪いんじゃない! お前が言わせたからだろ? 」

「何ですって! 」

可愛らしい妖精さんが鬼へ変化していく。

「冗談。冗談だよ」

「まったくもう…… 」

「でもさ。やっぱり俺悪くないよ」

言い訳は出来そうにないのでごねてみる。

「もうしょうがないわね。一回きりだからね」

エクセルの力を使って累積を減らすことに成功。


累積①。


ごね得って奴かな。

一回きりのサービスだと言うが大丈夫だろう。

エクセルの機嫌が良い時にでもまた頼み込めばいいさ。


カフェとドラックストアを回り次はお待ちかねのバーへ。

情報収集には持って来い。

「こっちよ」

エクセルの紹介で怪しげなバーに顔を出す。


「いらっしゃい。何にしましょうか? 」

メニューを片手にさっそく注文。

レッドアイとグリーンカクテル。

うーん。店内のお洒落な雰囲気にマッチした感じがしていい。


お店のほとんどが若い女性客でつい浮かれてしまう。

「はいお皿だよ。好きなの取ってきてね」

訳も分からず綺麗なお姉さんの後に並ぶ。

皆、楽しそうに何かを取っている。


これはまさかのバー違い。

恐らくこれは……

目の前には大量のサラダが。何種類ものサラダが置いてあった。

これってまさか…… 間違いなくただのサラダバー。


サラダバーと言えば隣村。俺も小さい頃アンに一度連れて行ってもらった。

隣村の宿の売りがサラダバー。よく分からずに大量に野菜を食った記憶がある。

何にもつけずにそのまま。アンを真似たんだけどね。

とするとレッドアイもグリーンカクテルもドレッシング?

紛らわしいことしやがる。


仕方なくトマトサラダとグリーンサラダを取る。

何とヘルシーなんだろう? 肉もなければ魚もない。

まるで虫のような食生活。

仕方なく一口。

うん美味い。これはいくらでも行ける。

後は肉があれば大満足なんだけどな。


「どうだい? 」

「美味しいです。おかわり! 」

そう言って全種類を制覇する。

これでサラダバーの元は取れただろう。

「どうお口に合ったかしら? 」

「おい…… ここサラダバーじゃないかよ! 」

エクセルに文句をつける。

「はいそうですよ。何か問題でも? 」

「あのな俺は…… 」

「ストップ! これ以上は認められません。言葉の暴力とみなし累積されますよ」

くそ…… なぜ俺がサラダバーを楽しまなければならない?

全種類取ったけどさ。

俺はこうもっと大人の雰囲気のあるお洒落な場所をイメージしたのに。

隣村の悪ガキが行ったと自慢してたアレだ。奴め本当に行ったのか怪しいが。


「うえ…… 食い過ぎた」

「私もお腹一杯。さあ出る前に例のあれをどうぞ」

からかってるな。俺は真剣に聞いてるだけなのによ。

「お前サラダ食うんだな。妖精は虫だから好きなのか? 」

「いいから早く! 」

有無を言わせない。感じの悪い妖精。

皿一杯に盛っていたサラダを平らげやがった。

お腹一杯で幸福感に浸るエクセル。


「あのここにウサギありませんか? 」

「ああごめんね。それは来週から」

マスターは申し訳なさそうに頭を掻く。

これ以上追及すればまた言葉の暴力になりかねない。


「来週ですか? 」

「ああウサギのコスプレでワンナイトのお祭りが行われるんだ。

その名も『ウサギナイト』

来週からだよ。また遊びに来るといい」

これは思ってもみない収穫。

へへへ…… 想像するだけでワクワクする。

楽しみは後に取っておくのが良いだろう。


               続く

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