ダンジョン攻略
ダンジョン入り口には集団がたむろしていた。
今から入るのかそれとも戻って来たのか?
どこかで見た気がするんだよな……
「ほら行くぞゲン! 」
詳しい地図から別の入り口を発見。
トラブル回避の為こちらから行くことに。
やっぱり見たことが……
「どうしたんだよゲン? 本当に置いて行くぞ! 」
「待てってば! 」
きゃああ!
ダンジョンに入るとさっそく現れたコウモリの大群。
「落ち着け皆! アプリンもハックも怖がるなよ! 」
「あんたでしょうが! 情けない声を上げて」
「いい加減にしてくれよゲン! 俺を盾にするな! 」
エクセルもハックも気が動転してるらしい。初めての経験だもんな。
アプリンもさっきから一言も発さない。大丈夫かな?
「よしライトを切れ! 」
「だから命令しないでよ」
「だって…… リーダーだし…… 怖いのは仕方ないだろ? 」
「はいはい。もう分かったから落ち着きなさい」
光に反応するので急いでライトを切る。
これでコウモリも目標を失い大人しくなるだろう。
コウモリはモンスターではないので当然カードは役に立たない。
困るんだよな中途半端に怖いのが。
奥に向かう。
昨夜の体験で暗闇にも慣れ夜目もだいぶ利くように。
そうだ…… 旅館備え付けのメガネを持ってくるんだった。
もちろん勝手に備品を持って帰っては最悪捕まるが。
「さあ行くわよ! 」
エクセルがリーダーシップを発揮する。
パイソンズのリーダーは俺なんだけどな……
案内役だから仕方ないか。
「もうここにはコウモリは居ないわ。各自ランタンを手に進みなさい」
ランタンは第二世界に入ったばかりの時にお近くのドンテで購入済み。
奮発して一番高いのにしたが失敗したかも?
重くて仕方ない。高くていいものをと重量を気にせずに選んでしまった。
ハックが大丈夫かと聞いていたのに無視した結果がこれだ。
重いが慣れれば問題ないさ。それよりも今どこに向かってるのかが気になる。
「心配しないで。この道を進めば最短距離で出口に」
エクセルの計算ではあと一時間もあれば着くそう。
だが果たしてそう簡単に行くだろうか?
ダンジョンはそんなに甘くないぞ。
問題は俺たちを阻む敵。
入り口付近で固まっていた奴らは何者?
敵? 味方?
そんな風にボーっと考えごとをしてるとついにモンスターが現れる。
闇男が道を塞ぐ。
とりあえずワードフォルダーから適当なカードを一枚。
【なめとんのか! 】
怖そうなお方が使う常套句。
リアルにいたら近づかないことをお勧めする。
おかしい…… 言葉の暴力は当たるのだが効いてない。
これはまずいぞ。もう打つ手がない。
「エクセルお願い! 」
「諦めないの! ほらもう一度! 」
厳しい妖精さん。仕方なく言われた通りカードをもう一度。
カードはやはり効いてない。だが縛り付ける効果があった。
そこにライトを一斉に当てる。
一分もしないうちに闇男が燃え尽きる。
これで闇男を退治。
続けて二体現れる。
【ヨロシク! 】
本来は漢字なのだがここは分かりやすくカタカナで表記。
動きを封じたところでライトを当て消滅。
うんこれは手間がかかる。面倒な作業。
コツを掴んだ俺たちは続けて狩る。
「きゃああ! ゲンちゃん助けて! 」
必死のアプリン。
【クソッタレが! 】
ただの下品な言葉に思えるがこれも一般的。
怒った時や気に喰わない相手に対して使用。
ライトを照らして完了。
闇男攻略成功。
「おい! ここにお宝があるぞ。開けてみようぜ! 」
ハックが自慢の鼻で宝箱を嗅ぎつける。
厳重にロックされていたあまりに不自然な宝箱。
ハックを諭すも一旦始めたら聞く耳を持たない。本当に困った奴。
「おいハック。気をつけろ! 」
「大丈夫だってほら開いた」
中にはレアアイテムの怨のカードが。
このカードを使えば半径一キロ以内にいる怪しい奴を退治出来る優れもの。
威力も半端ない。何といつもの十倍の威力。
それ以上に魅力的なのが金券ショップでかなりの値がつくこと。
ただエクセルが言うには正規の店でないと安く叩かれるので注意が必要。
エンゼルカードだけでは心もとないしなここは有難く頂くとしますか。
レアアイテムゲット!
続く




