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密会

アプリンの強引なアタックで外へ誘い出される。

これは俺を嵌める為の巧妙な罠? ははは…… そんなはずないか。

二人っきりで食後の散歩。


「皆がワクワクするようなゲームを作るのが夢なの」

そう熱く語るアプリン。あれ…… 趣味は旅行じゃなかったっけ?

「ハイハイ。まるで子供だなアプリンは」

「ちょっと! 本当に理解してる? 」

「ははは…… してる。してるって。また流れ星! 」

「どこ? 見えない! きゃああ! 」

「うわ! アプリン…… 」 

いつの間にか抱き合う形に。

どさくさに紛れてアプリンが? いや俺が抑えきれずに。

満天の星に止めの流れ星。

雰囲気は最高。もう二人の邪魔をする者はいない。

ロマンチックな夜に出会ったばっかりの二人は愛を……

一度離れ態勢を整えて準備万端。


「アプリン」

「ゲン…… 」

照れ気味の彼女は抵抗する様子を見せない。

あれ…… ちょっと待てよ。俺は一体今何をしてるんだ?

そもそもの目的がアン。幼馴染のアンを見つけ告白するはずだった。

それなのに俺はあろうことか他の女に迫っている。

何て罪な男なんだ? 自分が嫌になってくるぜ。

アプリンは可愛いしきれいだし積極的だからつい……

一瞬我に返るがもう止められない。


「アプリン! 」

「ゲン! 」

「ゲン! ゲーン! 」

あれアプリンが二人? そんな訳ないよな。

一瞬が命取り。

「ゲン! アプリンも勝手に消えないでよね! 」

空気を読まないお節介妖精エクセルが邪魔に入る。

「ははは…… 迷っちゃってさ。なあアプリン」

「そう。ここは迷いやすいよね」

どうにか言い訳してごまかす。


済まないアン! 単なる出来心だ。

俺が悪いんじゃない。あのシチュエーションでは誰も抵抗出来やしない。


ブツブツ

ブツブツ

「どうしたの? 」

エクセルが覗き込む。

「いや…… 最近ついてない気がするんだ。日頃の行いが悪いのかな? 」

「それは違う。あなたが腑抜けだから」

まるで見て来たかのような物言い。

「まさかお前…… 」

「気づかないとでも思った? 」

エクセルは脅しに掛かる? 何て恐ろしい妖精さん。

「冗談よ。冗談。さあもう寝ましょう」

気にしてないのか? 本当に迷ったと思ってる? どっちだ?

隙を突いて二人で夜の散歩してた訳で…… 

今夜は寝れるかな? アプリンだってきっと同じだよね。


翌朝。

どうにか第二世界までやって来た。

相変わらずエクセルは怖いしハックは馬鹿だし。

人のことは言えないけどね。

ただアプリンとはいい関係になった。

子供の仲良しではなく大人のそれだ。

邪魔さえ入らなければ昨日のうちに結ばれていた。

でもそれではアンに申し訳が立たないし旅の意味を見失ってしまう。

もちろん離れ離れとなった言の葉村の者を連れ戻す使命もあるけどさ。

奴らはついででしかない。

目標を失えばただモンスターに支配された国で彷徨うだけになる。

それはそれで悪くないとも言えるが……

だからこそギリギリで踏みとどまった。

ロマンチックな夜に己の精神力のみでよく耐えたと思っている。

アプリンに骨抜きにされてどうする。


「ゲンちゃん。行こう! 」

もう二人には遠慮はいらない。

「ちょっと! 馴れ馴れしいわねあんた! 」

エクセルが突っかかる。

「あなたもそう呼べばいいでしょう? 」

「こんなのゲンで充分よ! 」

いつの間にか女の争いに発展する。

俺を取り合って喧嘩するなよな。落ち着け! 落ち着くんだ!

もちろん心で仲裁しても無駄だが。

「うわ羨ましい! 」

ハックまで余計なことを言いやがる。

「おいハック忘れたのか。お前がアプリンの相手だろ? 」

ハックをけしかける。

「そうだった…… 俺は君のことが…… 」

そう言って黙ってしまう純情なハック。昨日襲おうとしてたくせに。

ハックとアプリンがお似合いだとは言わないが俺にはアンがいる。

これ以上余計なトラブルを起こしたくない。

少々残念だが俺はアンを…… 違ったアプリンを諦めるよ。

情けない男でごめんよ。


「ほら馬鹿言ってないで行くわよ! 」

朝は皆機嫌が悪い。特に女性陣はイライラしっぱなし。

俺が何をした? ハックが何をした?

俺たちはチームだ。仲良く手を取り合うのが仲間と言うものだろう。

エクセルとアプリンは口を利かずにお互い意地の張り合いをしている。

俺の為に済まない。俺がはっきりしないばかりに。

片やきれいなお姉さん。片や可愛いらしい妖精さん。

見た目で判断すればそういうことになるが果たして?


                 続く

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