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第二世界

第一世界まで……

ようやくアンの元へたどり着いたと思ったら告白出来ずに警告を受け刑務所へ。

それでもハックの助けを借りどうにか脱獄に成功。

俺たちは第二世界へ向かうことになった。

アンたち流浪の民もすでに第二世界へ向かったらしい。

あれから一ヶ月以上が経った。早く見つけ出さなければ。

村の皆の期待を裏切る訳にはいかない。


第二世界。


ここでの目標は前回と変わらない。

アンに愛の告白をすること。今度は絶対に失敗しないぞ。

後は一緒にいる村人を故郷に連れ帰るぐらいだがそれはついで。

もう行動を共にしてない場合だって充分あり得る。

いくらアンが優秀でもあの暴言ばかり吐く村人では世話が焼けて仕方がない。

俺も人のことは言えないが。

 

「おいそこ! 」

第二世界へ密入国したものだから男たちが駆けつける。

彼らには侵入者を取り締まる役割がある。

ただ異人の排除はモンスターの役割。

だから人間である彼らは俺たちに手出し出来ない。ただ拘束は出来る。

また牢屋にぶち込まれるのか? 

どうやら今回はボートの没収だけで済みそうだ。


没収! 元々その辺にあったものを借りただけだからいいが。

ついでに持ち主に返してくれると助かるんだけど。

「なあ頼むよ。俺たち金も武器もないんだ。これくらいいいだろ? 」

ボートを使って行き来すれば多少とも活路が開けると踏んで交渉するハック。

ただ頼み方が軽い。困ってる様に見えないから逆に警戒される。

「うるさい! お前ら勝手に入ってきやがって。何を考えてやがる? 

捕まえられないだけ有難く思うんだな。感謝を忘れるな。

お前ら異人たちに付き合ってるほど俺たちは暇じゃない。

ここでは絶対にトラブルは起こすな! ルールは守れ。後は勝手にしろ! 」

忠告を受ける。これが彼らの唯一の仕事らしい。楽でいい。


船は没収されたが行動は自由。ラッキーかもしれない。

ハックにその辺りのことを聞くと曖昧に答えるのみ。

異人にしろ旅行者にしろこの世界には必要不可欠な存在。

人が増えれば治安は悪化するがそれ以上のプラス面がある。

だから多少悪さをしても大目に見るそうだ。

それでも危険と判断した場合モンスターが退治するので特に問題ない。

どちらかと言うとモンスターが退治されるべきな気もするけどね。


この世界であれ別の世界であれ狩られるのは俺たち異人。限定されている。

俺たちがこの世界では異分子。

だが力もなく団結も出来なければただの旅行者。

目くじら立てる必要もない。それがモンスターによって支配された世界の現実。

鬼は退治されるがその鬼は俺たちのこと。もっと言ってしまえば俺だけ。

ハックは流浪の民として長い間過ごして来たので排除される心配はない。


しつこく交渉をするハック。これ以上余計な争いは避けるべきでは?

話を終えて戻って来た。

「どうだった? 」

「船は没収だってよ。後で返すとさ。それから案内役を無理に用意してもらった。

奴らにとってもその方が好都合だからな」

要するに監視役をつけることで納得してもらう形。

ハックのお陰で迷わずに済みそうだ。

船が戻るまで別の移動手段に頼るしかない。


「なあハック。お前はこの世界には来たことあるのか? 」

「だからそれは異人さんには教えられない決まり。

知ってることは何もないで通さなければならないって言ったろ。

お前はここの奴らから情報収集すればいいんだ。

俺はあくまで面白そうだから着いて来た。手助けは最低限しかしないよ」

ハックは一貫してる。それでもどうにかするのが仲間じゃないか。


「それにしても遅えな。ここで待ち合わせのはずだが間違えたかな…… 」

イライラするハック。我慢できるタイプではないらしい。

俺は小さい頃から何事も気にせず人任せだったからな。アンにもよく頼ったし。

村の者にも可愛がってもらった覚えがある。

今こそ恩返しする時。

ただこの性格だから勇者にはほど遠い。本当に俺で良かったのか疑問が残る。


ボケっとしてると視界に何かが入って来た。

「お待たせしました。私がこの第二世界を案内する妖精のエクセルンです」

元気なガイドの妖精が姿を見せる。


                続く

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