不審物のありか
皆藤や準司達が的場警部の配下の瀬戸川と道村という名前の警察と手を組んでから早速、瀬戸川の指示で動こうとした時、スマホにラインの音が鳴った。四人ともスマホを取り出してラインの画面を開いた。
灯田原盾頭からだ。何か不審物でも見つかったのか。皆はそう思っていたが、四人とも何かあったのかを読んでみた。二人の警察は四人の様子を伺った。
『皆に伝えなければならないことがある。今先程、ヴィジョン先生から連絡があった。ヴィジョン先生の方も海上保安庁の船に着いたみたいでそこからこの船を監視しているみたいだ』準司達三人はゆっくり読んでいるその中でもう皆藤は速く読んでいた。もう文の内容が理解できたみたいだ。『そしてだが、これはあくまでヴィジョン先生の予想に過ぎないと言っていたが、イナズマ団が仕掛けた時限爆弾がどこかにあるはずだと言っている。もしかすると、この船が爆発する時間は午前0時丁度だと言っている。もしヴィジョン先生の予想が当たっているとしたら急いで探しだし、乗客全員を次の港に降ろさないといけない具合だと考えている。ただ、イナズマ団が全員逃げてしまう場合があるため、その時限爆弾はどこにあるのかを一番に探すことだ』ここからまた、灯田原が考えた案が続いている。
『私が考えた案だが、灯田原班はその時限爆弾をいち早く探し出すこと。伏竜班と辰班は全ての部屋や場所をファインドグラスを使って一体どこにどれだけ爆弾が仕掛けられているのかを探すことだ。もちろん、灯田原班もだ。そして、見つかった場合、灯田原、伏竜、辰に連絡すること。それから警察全員に伝えるつもりでいる。この船に仕掛けられた爆弾は様々でどれだけあるのかを予想はできないのは大変だと思うが、皆時間内に見つけ出すことを頼む。以上』
爆発するのは午前0時。今はまだ時間があるがこの巨大船の中を捜索して時限爆弾を探すというならば、おそらくその爆弾そのものが爆発する威力がすさまじいのか、それとも大きさは非常に大きいのか。イナズマ団がもしこの船を破壊しようとするのなら爆発の威力も非常に大きいのだろう。
じゃあイナズマ団が狙いやすい場所に爆弾を設置しているとするなら…まさか…。
準司は段々予想がしてきた。おそらくだが、上じゃなくて下にあるんじゃないか?
証拠はないが、もしかすると…。
「午前0時丁度って夜の時間だよね。そっか、真夜中の時間だから乗客全員を孤立させる作戦も考えられるから、その時間までに探さないといけないっていうこと?…」
「瀬戸川さん!あくまで僕の予想に過ぎないですけど聞いてもらえませんか?…」
「あっ、うん。いいけど」
葵がメンバーに話を言おうとした時にいきなり準司が遮ってしまったので皆も準司にびっくりしていた。葵は「何よ?」とキレそうだった。
「あくまで僕の憶測かもしれませんが、一階より下の所に爆弾が仕掛けられているのかもしれません。イナズマ団が狙っているのは上より下じゃないでしょうか?下に爆弾を仕掛けられれば爆発した時に一気に穴が空くでしょう?そこから一気に海水が流れ込んできてしまえば…」
「そっか、そこに爆弾を仕掛けられているなら船を沈められることになるし、乗客全員が海の上で孤立してしまえばそれこそ一大事ね」準司が予想したことを皆藤は理解できた。
「なるほど。確かにその可能性もなくはないな。ただ今欲しいのはこの船の設計図だなぁ。それがないと正確な情報が分からなくなる。時間もここからだと船長に会いに行くとなると相当かかるし…君はこの船の地下の階にあると予想してるんだね?分かった。この船の関係者に聞かないと入室許可が出ない場合がある。だから、まずはこの船を操縦している操縦席の所に行かないといけない。今から着いてきてくれるか?」瀬戸川は皆に聞いた。
「はい、今からならまだ間に合います」準司が呼び掛けた。
「よし、道村さんも操縦席の所に向かいましょう…」
「あっ、はい!」瀬戸川はそう言って、まずは上階にある操縦席に全員が移動していたが、周りに船内の警備員がいないかを見ながら小走りで全員が走った。
「どうだ?もう完成できたのか?」船の前にずっと立っている黒井ボスは手下にイナズマ団が開発した特殊な爆弾を設置できているか確認していた。
「黒井様、もうこれで誰も解除することができなくしてしまいましたよ。これを触れれば、一気にドカンですぞ」部下は自信満々に伝えた。
「いいだろう。よくやった。後は周りを監視してこい…」
「かしこまりました!」黒井は電話を切った。ずっと笑みを浮かべたまま今後の予想を占っている。
「もうどうすることもできないぞ。道保堂大学のお弟子さん達よ。どうやって逃げられるか、お手並み拝見だな」黒井はやる気満々だった。
「的場警部、一階、二階、三階の全ての客室を一つ一つ調べましたが不審物らしきものは見当たりませんでした…」
「そうか、ご苦労…」
「はい」部下がそう返事すると的場警部は他の警察の返事を待った。これだけ探しても見つからないということにだんだん焦りを感じてきた。
「くそお、一体どこに爆弾が仕掛けられているんだ?あの大学生達の力でさえ難しいのか?」的場警部がそう独り言を呟くと的場警部の部下の一人の下浦が急いで駆け寄った。
「警部、四階から六階までの全部の部屋や映画館やお店などの場所全部を探しまわりましたが、それらしきものは見当たりませんでした…」
「そうか、じゃあ乗客達に伝えたか?もし、何か不審物らしきものを見つけた場合は我々警察に伝えてくれと…」
「はい、それはしっかりと伝えました!」
「…分かった。君はあのヴィジョン先生のお弟子さん達と巡回してないのか?…」
「別々に別れて探す作戦に出ています。今は伏竜さんのグループの一つと組みながら不審物を捜索しています…」
「分かった。大学生達とはぐれないようにだけはしてあげてください…」
「分かりました。また捜索に戻ります…」
「頼んだぞ…」
「はい!」
そしてまた下浦は的場警部の元を離れて船の中へ入っていった。
的場警部はようやくここで自分も不審物を探す作戦に出る為に全員の部下に連絡を入れた。
「皆全員に伝える。的場も中を捜索する。あまりにも大きすぎるのも大変かと思うが、必ずこのどこかにいくつもの爆弾が仕掛けられているのは確かだ。先程大学の卒業生の灯田原さんという方が連絡してくれた。深夜0時に大爆発するみたいだ。その時間に爆発するというなら時限爆弾が仕掛けられているのは間違いない。どんな形でどんな仕掛けがしてあるのかは分からないが必ず見つけ出し急いで爆発物を探し出すことだ。もし見つかった場合必ず連絡してくれ。私からは以上だ」的場警部がぷつっと警察だけの連絡通話を切ると急いで中に入り思いあたる場所に移動した。
的場警部の連絡は瀬戸川と道村の所にも届いた。必ず見つけ出すことで皆も頭いっぱいだ。
「的場警部も動き出したようですね。操縦席は確か十階辺りじゃないかな?マップあるかな?」瀬戸川と道村と四人は船の中に入って今六階にいるが操縦席は何階にあるかを小さいパンフレットで見てもそれが載っていないみたいだ。
「あそこの壁に貼ってあるあれがそうじゃないですか?」将吾は銀色の案内図に指指した。全員が寄ってその銀色の案内図を見てみたが、それらしきものは見つからない。
「警備員さんいないかなあ」瀬戸川が困ったなあと呟いたその時、道村が一人の男性警備員を見つけた。
「あの人なら分かるかもしれないから、行ってみません?」皆はすぐさまその警備員に駆け寄って「すみません!」と瀬戸川が大声で話しかけた。
「すみません、私は警察の者なんですが操縦席の場所はどこにあるのか分かりますか?…」
「操縦席ですか?あそこはここの船の関係者以外立入禁止になってますが、何故そこに?…」
「実はこの船の設計図もしくは地図が欲しいんです。見せてくれるだけでいいので…」
「あの、警察全員が総動員してこの船に仕掛けられている不審物を撤去しなければならないのです。何とかここの船長に会わせてくれませんか?これは船長にも伝えなければならない大事なことなんです」瀬戸川と道村は何とか事情を説明すると、この警備員は「えっ?」という顔をした。
「不審物?…それは本当ですか?詳しい情報は他に何かありませんか?…」
「証拠は今の所ないんですが、急いで船内の地図が必要なんです。これは警察の仕事なので、何とか会わせてくれないですか?お願いします」道村が説得させたがこの警備員はうーんと黙った。そしてしばらくして口を開いた。
「分かりました。確かにその不審物が仕掛けられているのかも確かめないといけませんね。操縦席は十階にありますので私に着いてきてください…」
「あっ、有り難うございます!」瀬戸川と道村が感謝を伝えると四人も深くお辞儀をした。
男性警備員がエスカレーターに乗った後に続いて瀬戸川達六人全員はついていった。




