表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戒告の盾  作者: ヨシ
93/99

最悪の夢

大型クルーズ船が出港して、東京湾を渡り始めると乗客達は外を眺めながら軽く手を振るのを止め、だんだんと中に入っていった。

大型クルーズ船の記念すべき第一番目の出港を見届けた人達もだんだんと帰っていく様子が伺えた。

ヴィジョン教授の弟子達や盾頭二人や辰准教授もここから航行していくことが分かると全員中に入っていった。


「よし皆、ここで俺の話を聞いてくれ。東京湾を航海した後、横浜港に到着します。そして熱海港と渡って名古屋港に渡ってという順に航行していきます。熱海港まででは恐らくまだ日が暮れない時間帯だと思いますので、それまでイナズマ団が設置した爆弾を見つけて爆発しないように処理をはかります」昼御飯が食べられるという時にこの話を聞かされると皆は緊張してきて食欲が沸いてこなくなった人達がほとんどいた。

「ただこの時間はまだ昼前ですので、昼飯を食べる時にエネルギーを補給してください。但し、できるだけ急いで処理をしますのでできれば午後一時になったら白い鞄を背負って各班に別れてこの船内のどこかに設置している爆弾を探してください。恐らく時限爆弾の他にちょっと触れただけで爆発する場合もありますのでくれぐれも用心してください。それでは正午の時間まで今さっき入った部屋で寛ぎなさい。正午の時間になる前にまたラインで連絡します。では戻って」灯田原がそう合図すると皆各自自分の部屋に帰っていった。


準司達三人もようやくエレベーターに乗って準司と将吾は葵と別れた後に自分の部屋に戻っていった。

「正午まで休憩って言ったって、一時間は切ってるのに休憩時間短すぎるだろ。もうちょっと時間くれたっていいのになあ、なあ準司?」

「まあそういえばそうだけどな。この場合、皆の安全をはからないといけないからそう言ってられないんだろうね。でももう今になってだんだん腹減ってきてないか?ご馳走の時間に体力を回復すればいいだろ?」

「まあ…腹ごしらえで体力回復か?」確かにここまで来て白い鞄を背負ってここまで来たのも疲れは出てきている。その為の時間確保もしてくれないだろうかと正直準司も将吾も不満だった。二人は白い鞄を降ろしベッドの上で横になった。

「それにしても今頃、ヴィジョン先生はどうしてるんだろう?もう海上保安庁の船にたどり着いたのかな?」将吾はふとヴィジョン教授を思い出した。

「あっ、そういえばそうだよな…ヴィジョン先生は外からイナズマ団を監視するって言ってたからな。何かと秘策を立てて計算しているんだろうな。でも本当にヴィジョン先生、警察に承諾を得て海上保安庁にお願いをしたのをうまくやってのけたんだろうか?」準司はヴィジョン教授の計算通りにうまくいってるか不安は多少あった。

「全員を納得させることができたなら例えこの船のどこかで爆発があったとしても他の船がすぐさまここに来てくれるように作戦を立てているなら脱出や救出作戦もうまくいくと思うけどな。ただそこがうまくいかなかったとしたら、この後が危なくなるのは必須だな」準司も頭の中で計算した。

「あの時の高層ビルの爆破事件の時もそうだったけど、ボスの周りに部下が何人もいたのを覚えてる?もしあの時と同じような形だとしたらここのクルーズ船の中にも数がもっといるんじゃないか?そうだとしたらここが戦場になってしまうってことだよな?」将吾はこの大型クルーズ船のデカさの中でイナズマ団と戦うんだとしたらと考えると顔色が真っ青になってきた中で準司に聞いた。

「そうだなあ。ただ想像以上にもっと大変なことがおきるのかもしれないよ。船内のどこかで大規模の爆発がおきたとしたら近くに宿泊していた乗客の人達が危なくなるし、火災で逃げ場が失うのは必須だし、おまけにイナズマ団の数が外から足してくるのも間違いないと思うな。本当、冗談では済まされない一大事になるのは間違いない」

準司は自分の予想をはるかに超えた恐ろしいことがこの後待っている危機感をだんだんと予感していた。油断してはいけないのも事実だ。恐らくこのどこかで、イナズマ団の十一番目のその男をはじめとする仲間の部下達も誰かに見つからないようにこっそりと物音を立てずに爆弾を運んでいるんだろう。形や大きさは様々だろうけどそこが一番怖いところだ。大きさの違ういろんな爆弾を船内の各地で設置しているとして、もし見つからなかったとしたらそれこそ一大事だ。奴らが動く前になんとしても全部の爆弾を除去しなければ。

そう思っているうちにだんだんと準司は強い眠気で深い眠りへと入ってしまった。よほど疲れていたのだろう。寝てしまった。


「もうこれで終わりだ!」十一番目の男は笑みを浮かべながら爆弾の炸裂ボタンをおもいっきり押した。するとすごく大きい爆弾が一瞬で炸裂した。一体何事なのか?皆誰も気づかず近くにいた乗客達が海に放り出された。それぐらいの爆発の瞬間だった。船は一気に火災で燃えつくし、皆辺りが騒然となった。そしてまたどこかの階で爆弾が何発も爆発した。乗客が「きゃあああああ!」とか「うわあああああ!」とか皆がパニックになってしまっている。皆もどうすればいいのか、クルーズ船の係の人達や船を操縦している責任者達も焦りで冷静さが失われていた。乗客の命を守ることができなくなってきてしまった…。


「おーい!準司!…準司!」準司は将吾の掛け声で目がパッと覚めた。…爆発したのか?あまりの衝撃の夢だったので息がすごく切れている。

「ははは、おい、どうしたんだよ、準司。すごい夢でも見たのか?返事しても準司が返事しないから振り向いたら寝てたからどうしようもなかったんだよ。っていうか準司、もう昼食に行かないといけない時間になったぜ。早く飯食いに行こうよ…」

「えっ?ちょっと待って!」慌てて準司は腕時計を見た。あと正午の時間まで十分になっている。

「ええ?俺そんなに寝てたの?…」

「だろ?だから早く行こうって。ほら、白鞄背負いなよ」将吾はもう白い鞄を背負っていた。

「じゃあ灯田原さん達はもう行ったのか?レストランに…」

「いや、もうそこの廊下にずっと立ってる。灯田原班全員もな。たぶん俺たちだけが並んでないんじゃないかな?…」

「うそだろ!?灯田原さんに怒られるよ。早く行こう」準司はそう言って白い鞄を背負って急いで部屋から出ようとしたその時、ドアからドドドン!とノックが聞こえた。

「準司?将吾?まだそこにいるの?」葵の声だ。列に並んでないのは二人だけだということを心配しているんだろう。

「はーい、葵!今行くよ!」準司がそう大声で返事して二人が走ってドアを開けたら、すぐに葵が立っていた。すごく心配していたように見える。そして周りを見渡すと灯田原班全員が廊下に並んでいるのが見えてしまった。皆も準司と将吾を一斉に見つめている。まずい、これは灯田原さんに怒られる予感だ。

「おい、そこの二人」やっぱり。灯田原が奥から二人の方に向かってきているのが分かる。準司と将吾は灯田原に怒られるのを覚悟していた。

「お前ら、一番後ろに並べ。ラインも見なかったか?十五分前になったら昼食会のレストランに行くってその前の時間にラインしたつもりなんだが…」

「はい、そうですね。実は…」

「えっ!?そうなんですか!?」将吾はラインを見ていたから状況は分かっていたが、準司は全く知らなかったようだ。

「とりあえず、君らのおかげで五分も遅刻することになった。そして灯田原班全員もこの通り遅刻することになった。責任はとってくれるよな?お二人…」

「はい…申し訳ありません」準司と将吾はしぶしぶと頭を下げて謝った。

「レストランに着いたら、君らだけは廊下で俺と反省会するからそのつもりで。いいな?…」

「はい、すみません」二人は気が小さくなり、一番後ろの列に並んだ。灯田原は一番前の列に向かいもう一度後ろに振り向いた。

「はーい、皆聞こえてるか?すまないが五分も遅れることになった。この時間から仕方なくレストランに向かいます。急いでレストランに向かいますので私に着いてくるように。では行きます」灯田原がすぐにスタスタと歩き始めると皆も灯田原の速度に着いて行った。

一番後ろに並んでいる準司と将吾はレストランに着いた後にどんなことが待っているのかが想像できながら前の列にしぶしぶと着いて行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ