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戒告の盾  作者: ヨシ
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続けての突破劇

機械が作動し、ボールが素早い速さで増田に飛んできた。増田も負けてはいなかった。右からきたボールを盾で弾き返した。

そして、左からきたボールも盾で弾き返した。

「油断禁物だ。続けて集中して取り組め」伏竜はすかさず素早く増田に厳しく言いかけた。誉めてしまえば気持ちが宙に浮かないように配慮したためだ。

後ろからボールが飛んできた。増田は次こそ外さないと素早く後ろを向いてボールを弾き返した。

「怠るなよ。どんどんボール飛んで来るぞ」伏竜は機械を見ることなく増田にじっと見続けていた。

増田の場合にもそうだった。だんだん盾で弾き返すのが慣れてくるとさらに速さが速くなってくるのだが、増田も覚悟を入れていても素早くボールは容赦しなかった。桐原の時もボールの速さが素早くなった時、ギリギリだったが集中力を高めて素早くボールを弾き返せたが増田もそれに追いつこうと集中した。

次々とボールがあちこちから飛んできた。盾の舞を思い出せ。そう増田は思い、真似ようと集中力を高めた。

次々と盾でボールを弾き返せた。あともう一息だ、あともう少しでボールを全部弾き返せる。

増田もだんだんと盾の舞の技を慣れてきた。これが盾の舞なのか。さっき初めて練習した時は全く歯が立たなかったが、この技を習ったおかげで何も不安も覚えることがなかった。

よし、あともう少し。ようやく最後になろうとしていたその時…。

バツン!

増田の右足にボールがぶつかった。痛っ!しまった!ボールがぶつかった!

最後の最後でぶつかってしまった。それでもまだボールが飛んでくる。

「おい、まだ終わってないぞ。終わるまでやり切れ」伏竜に言われた通りに仕方なく続けて増田は集中した。


ボールが飛んでこなくなった。最後に「ピー」と鳴ったのでこれが終わったという意味だろう。

「よし…増田。降りていいぞ」伏竜がそう合図すると増田は降りてきた。増田はもう言われるのは何なのかを予想しながら伏竜の前に立った。

「惜しいな。あの足にぶつかったのはなぜか自分でも分かるか?俺もなぜ君があんな行動になったのか分からなかったがあれはもったいない。銃撃戦になったとしたら完全に防げてない上、穴が空いている。それでは完全に自分を守りきれない恐れがある。そこをもう一度意識しろ。…君は不合格だ。もう一度練習してもう一度戻ってテストに来い。いいな?」伏竜がそう言うと増田は「ありがとうございました」と言って後ろに戻っていった。増田は悔しがった。涙は出なかったが、このもったいなさを痛感していた。

霧林と準司は増田を見守っていたが、何も喋れなかった。

「よし、次は誰が行く?」次は霧林か準司の二人の出番が回ってきた。二人は顔を見合わせたがいち早く準司は霧林に譲ろうとしていた。

「霧林さん、先にどうぞ。三回生の次は二回生の順番の通りに行った方がいいと思いますので…」

「えっ?いいの?」霧林も準司に譲ってあげたかったそうだ。

「はい。先に行ってください。合格を先にとりに行った方がいいんじゃないでしょうか?」準司は優しさが溢れていた。

「ありがとう。気持ちは嬉しいけど、本当にごめんな。君もやっと練習して自信がついてるのは僕も分かっているんだけど、じゃあこの場合先に行かせてもらうよ」霧林も優しさが溢れてきていた。

「はい、それじゃあ頑張ってください」準司はそう言うと、霧林は「ありがとう」と言って伏竜に向かっていった。

「伏竜さん、僕が行きます。宜しくお願いします」霧林は丁寧に挨拶した。

「分かった。霧林、緊張はしてるか?」伏竜は軽い質問をした。

「最初はそうでしたが、今はもう慣れました。次こそ合格するように頑張ります」霧林っも迷いはなかった。早くやりたい気持ちが強くなってきていた。

「分かった、その勢いだ。じゃあ霧林、機械の中へ入ってくれ」伏竜がそう誘導すると霧林は機械の中に入っていった。一回目は何が始まるのかを経験できたので、この二回目で入ってから怖さが取れていた。

「霧林、君は桐原に続いて二人目の合格者と認定できるかここで見せてもらう。この時にあえて聞くが質問は何かあるか?」伏竜は霧林に集中して聞いた。

「いえ、何もないです…」

「そうか、じゃあ始めるぞ。盾を構えろ」伏竜の言われた通りに盾を構えて始まるのを待った。

「じゃあ今から始める。覚悟を持って、三、二、一、始め!」伏竜はスイッチをオンにすると機械はまた動き出した。霧林も目をつむって集中力を高めた。そしてボールが飛んできたと同時に目を開け、素早く盾でおもいっきり弾き返した。

よし、次!

霧林は覚悟と準備ができていた。ボールは左から飛んできた。霧林は素早く左を向き盾で弾き返した。そしてそう間もない時真後ろからボールが飛んできたが、これもしっかりと気づき後ろ向いて盾で完全に防げた。

「大事なのは継続力。一つも集中力を途切れず最後まで集中すること。さあまだまだボールがあちこち飛んでくるぞ、集中を高めろ」伏竜の言葉の通りに霧林はその通りに動いた。油断してはいけない。

そう思ったその時、あちこちからボールが数個も飛んできた。ここからだ、これらのボールを一気に弾き返せ。

霧林は思いっきり素早く動いて左から上から右から後ろから、全てを盾で弾き返した。ここもしっかりクリアできた。よし、まだまだ。

連続して出てくるボールを弾き返すためにこそここで「盾の舞」を使う時だ。あの技をおもいっきり思い出しながら技を繰り出せ。

霧林はそう思いながら、盾の舞を披露した。次々と飛んでくるボールを全て盾で弾き返せている。よし!上手く弾き返せている。

これが、盾の舞なのか。体で覚えるというのもこういうことなのか。霧林自身も何だか盾の舞を披露できてくるとだんだん楽しくなってきた。


終わりの合図まであともう少し。次々飛んでくるボールを防ぎ止め続けていたその時…。

あともう一息だった。頭の右らへんにボールがかすってぶつかってしまった。

ピーっと機械が鳴った。伏竜は冷静になりながら椅子から立ち霧林に話しかけた。

「はい、ご苦労。機械から降りていいぞ」伏竜の言われた通りに霧林は機械の中から降りた。そして霧林は伏竜の元に向かった。

「…君も惜しかったな。あの頭に当たったボールは致命傷と同じようなもんだ。それまでは完璧だったが…。すまないが、あともう一回テストに参加できるか?結論から言うと不合格だ。あのかすった傷がなければ合格だった。俺も君を低く評価するつもりはない。君はここまで急成長できているんだから、そこは誇りに思え。もう一回練習してテスト受けに来い。以上だ…」

「はい、ありがとうございます」霧林も増田に続いて涙は出さなかったが、悔しさがにじみ出てきた。そのまま霧林は増田の近くで盾の舞の練習をすることにした。

「うん、じゃあ最後になったな。三田原、機械の中に入れ」とうとう自分の出番が来た。できる自信があるのにいざ機械の中に入ろうとしたら緊張感が一気に上がってしまった。

「三田原も油断は禁物だな。油断の壁を乗り越えればおそらくだがこの技を習得できると思う。ここまでで質問は?」伏竜はわざと準司に質問した。

「いえ、何もありません…」

「じゃあ習得のテストを始めるぞ。盾を構えろ」伏竜の言われた通りに準司は盾を構えた。桐原が合格したかと思ったら増田と霧林が不合格になったという結果から準司は緊張感がそれ以上に高まってきた。せっかくここまで来たのに時間だけが過ぎていけばこの日のする意味がなくなってしまう。それだけは何としても避けなければならない。

「行くぞ、三田原。三、二、一、始め!」伏竜がスイッチをオンにしてからそんなに時間が経たないうちにボールがすぐに飛んできた。右から飛んできた。準司はこれを基本と思いながら盾で弾き返した。

「集中しろよ、集中だ」伏竜の応援の声で準司は続けて集中力を高めて次を待った。今度は真後ろから飛んできた。それを感じ取れた準司は真後ろに振り向き盾で防ぎ止めた。

まだまだ、集中を続けろ。準司はそう思いながら周りを集中した。ここからが盾の舞を披露する時だ。あの舞を思い出せ。あの舞に乗って周りのボールを全て弾き返すんだ。

そう思い集中力をさらに高めた。そして、ボールが次々と周りから飛び始めた。

準司は思い出しながら自分もその場で舞い踊っているかのように次々と飛んでくるボールを全て舞を披露しながら盾で防ぎまくった。そして途切れることなく継続に乗り、ボールを盾で弾き返し続けた。


一分は経過した。そしてようやくボールの飛んでくるスピードもだんだん落ちてきた。最後まで油断することなく、そして、機械が止まった。ピーっと音が鳴った。

「よーし、三田原、機械から降りてきていいぞ」伏竜は冷静になりながらもう一度椅子から立ち上がった。準司は機械の中から出てきて降りた後、伏竜の前に立ち止まった。

「ボール全て弾き返せた、動きも良かったし、素早くできていた。三田原、君は合格だ。プレッシャーによく打ち勝てた。次の六の技の習得に行っていいぞ。おめでとう、この『盾の舞』をいくらでも使う時が来るだろう。しっかりと合格できたからといって怠ることはするなよ。しっかり覚えて技を繰り出せるように。じゃあ三田原は、桐原に続いて六の技を修業してこい…」

「あっ、はい!ありがとうございます!」準司は伏竜に深々と感謝の一礼をした。

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