秘策技 盾の舞
「その技というのは、『盾の舞』という名前だ。盾を持って踊っているように舞を披露する技をいうのだが、これは慣れなければ多少は難しい技だ。それにこの技は基本からではなく応用の技を習得する時に習得する技だ。なぜなら、体力と気力を相当使うため六の技を習得するまではこの盾の舞の技を覚えるのは危険と判断しているからだ。ちなみにこの盾の舞は俺達水の技だけでなく他の使い手も盾の舞を使うことができる。この技を使うことで防衛力、守備力を格段に上げることができどんな攻撃が襲いかかってきても盾で防ぐことができる。ただこの盾の舞は防御力を格段と一気に上げる技をいうが攻撃はできない。この盾の舞を覚えることで六の技の習得の近道になる。聞いただけで凄いだろ?」盾の舞…そう聞いても四人はしっくりこなかった。何のことなのかあまりよく分かっていなかった。
「六の技があまり上達できていない人のためにこの盾の舞の技を習得できれば最速の近道になる。盾の舞も六の技の守備と攻撃する技とよく似ているから、一石二鳥だ。どうだ?行き詰まった状況から抜け出せるようになるだろ?この盾の舞を君ら四人が教わるのは本当に有難いことだぜ。なかなかこの技を教わるのはあまりないからよく覚えておいた方がいい…まあとりあえずその盾の舞の技を今から教える。立って横に広がれ」伏竜がそう指示すると準司達四人はその通りに立って広がった。ただ隣の人達が違う修業をやっている邪魔にならないように範囲内に広がった。
「ああ、忘れてたがその前にDVDを再生するからどんな舞なのかの映像が流れるから見てくれるといい。隣で別の修業をしている人達にも聞こえると思うが俺が保障するから気にしなくていい。じゃあDVDを流す機械を持ってくるからその場で待機しておいてくれ」そう言って伏竜は急いで閉まってあるパソコンとそのDVDを取りに走った。
十分は経過した所でそんなに待つことなく伏竜が帰ってきた。パソコンとDVDを持ちながら小走りで走ってきた。
「お待たせしてすまんな。じゃあ今から以前に撮っておいた動画をパソコンで見せるからどういう技なのかを皆で見てもらう。君ら四人が最初に覚える記念すべきことだ。まだ君らは運が良い。最初と後から覚えるのとでは全く違うからな。ではこれを見てくれ」伏竜はパソコンにはめ込まれているDVD機具を開いて過去に盾の舞の様子を撮った映像のDVDをはめて再生ボタンを押した。そして四人は横に並ぶのをやめてパソコンの近くに寄り真面目になって床に座りながらその映像を見ることにした。
これはどこで撮った映像なのかはあまりよく分からなかったが、周りの建物をよく見てみると古い神社のような古い日本の伝統文化を表すかのような立派な建物に見える。まるで能の舞を披露しているかのようなあの京都の伝統文化を思わせる。
男性だろう、同じ円型の盾を持って踊りの舞を皆の前で披露している。しばらく舞を踊っているとここまでは変わらないような感じではあるが、次の踊りの披露があるのか一瞬止まった。
「見てろよ、次から出番がくるぞ」伏竜はそう言うと四人は真剣になって見始めた。すると、映像に写っている踊っている男性に向かって四方八方、玉だろうか周りから投げてきたのが分かる。しかもその野球ボールみたいな大きさの玉は豪速球で男性に向かって飛んできている。
すると男性が、盾を左手で持ちながら舞を踊りながら次々と飛んできた玉を弾き返していったのだ。次々とあんなすごい速さでボールが飛んできているというのに次々と盾で防ぎ、そして弾き返した。くるりくるりと回りながら踊っているというのに、次々と飛んでくるあの速いボール全てを弾き返し、何一つ傷を負わず盾で受け流してばかりの連続だった。
この映像を見ていた四人は、「えっ?」と声が少し漏れてしまったが真剣にじーっとこの男性の盾の舞の技を見続けている。
これでもかとまだ長く続いている。すると四人はだんだん顔色が真っ青になり始めた。確かにこれをできるようにはしないといけないのは分かっているが、ここまで長く続けて盾で防ぎ続けるのはできるのかが全く想像がつかない。これをこの日までに完成させるなど本当にできるのか、それが怖くなった。
「伏竜さん、この盾の舞の技を今動画にあったように連続であんな速いボール全てを弾き返さないと今日中に帰ることはできないんですか?」二回生の霧林はつい口に出してしまった。
「前に言ったように発展、難関の技習得は無理だと分かったその代わり、応用の技まで完成させるのが今日の仕事だと言った。六の技が応用の技だからこの盾の舞を完成しなければ次のイナズマ団退治に支障がきたしてしまう。だから帰れないのは確かだな」霧林ははあとため息をついた。
「帰りの時間まで後わずかだ。全員ここまでたどりつけれるのかは大変不安だが、六の技を何人かは習得してほしいところだ。本当を言えば全員が六の技までを習得を成し遂げるのが目標なのだが、じゃああえて言わせてもらうが六の技を習得できなければイナズマ団に殺される確率も高くなると思え。六の技を習得できればイナズマ団と対等に戦える。できなければ殺される。そういうことだ。霧林、そのため息は殺されてもいいと言いたいのか?」霧林は急に怖くなって開き直した。
「いいえ!違います!ちゃんと習得できるようにしておきますから真面目に取り組みます!…」
「じゃあしっかり学んでいけ。この時間なら君らはまだ習得できる余裕がある。今からこの動画のようにまずは盾の舞を完成させてそこから六の技を習得するように持っていく。いいな?」伏竜はそう言うと準司達四人ははいと返事した。そして四人は横に並び前には伏竜が向かい合わせになって盾の舞の修業を開始した。
「じゃあしっかりとどういう技かを覚えて持って帰ることだ。俺の舞の踊りを真似してついてこい。まずは盾を広げて」伏竜は盾の舞を披露し始め、四人は伏竜の舞踊りを真似しながら覚えていった。
一、二、三、四、五、六、七、八、と伏竜は大きな声でリズムをかけてあげながら四人の舞踊りをしっかり見ていた。伏竜はずっとこの盾の舞を覚えられているのはどこからしっかりと教えられているのか、もう先生の立場に立って教えれているが四人はしっかり時間内に覚えられているのか自信がなかった。それでも伏竜の教えに沿って覚えていくしかない。そうやって一つ一つ順序よく体で覚えていくようにしていった。
ようやく全ての一部始終の舞の踊りを一周した。これを伏竜は何回も繰り返して覚えられるまで練習するようにと指導した。すると霧林が
「まだ覚えられているかが心配です。何回も盾の舞の踊りを披露しながら教えさせてもらってもいいでしょうか?」と伏竜に懇願した。そして、三回生の増田も
「すみません、伏竜さん。僕もしっかりと覚えられているか見てほしいです。もう一度練習させてくれないでしょうか?」と懇願した。
そして準司もそうだった。
「あの、伏竜さん。僕も覚えられているか全く自信がありません。僕ももう一度覚えられるまで伏竜さんの舞の踊りを見ながら練習してもいいでしょうか?」
三人はお願いしますと言って伏竜に霧林が先に頭を下げて次に増田が頭を下げて、そして準司も頭を深く下げてお願いをした。桐原は一回で覚えられる程記憶力や暗記が得意なのか自信は他の三人とは違ってあったが、ただ確認してほしいと伏竜にお願いした。
「伏竜さん、私は大丈夫なんですが私の盾の舞を見てもらえますか?」桐原は頭を下げることなく伏竜にそう言った。他の三人はやべえと冷や汗をかき始めた。
「うん、構わんが。体と頭全てに記憶できるまで何度でも練習し続ければいい。もう大丈夫だと思うまで何度でも教える。もう一度盾の舞を披露するから覚えられるように。じゃあ盾を構えろ…」
「伏竜さん、五の技を完成できました。確認してもらってもいいですか?…」
「伏竜さん、四の技ができるようになりました。こちらも見てもらえますか?」
外で修業していた人達が次々と中に入ってきた。
「そうか。ではできているか見せてもらおう。君ら四人はすまないがこの人達の技披露も見ないといけない。確認できたらまたここに戻ってくる。あっ、ちなみにあの動画使ってくれて構わないからそれを見ながら練習を続けるといい。すまないが、続きはそれでやってくれ」伏竜は外から来た人達のところへ移動し技覚えができているか確認しに行った。
四人は「じゃああの動画流そうか」と言いながら四人そろって伏竜のパソコンに戻りもう一度伏竜が見せてくれた動画を再生して自分の盾の舞とあっているか確認をし始めた。




