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戒告の盾  作者: ヨシ
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準司、修業に焦る

準司が自動販売機の所まで行くと自分で水筒を持ってきた人以外の人は列を作って並んでいた。準司も水筒を持ってきてないので自動販売機の冷たい飲み物を買うことにし列に並んだ。よく見渡すとすごい人数なので売り切れおきないかと不安になってきた。


ようやく準司が買える番に回ってきたので、ペットボトル用の冷たいスポーツドリンクを買うことにした。買った直後に一口飲み干した。喉の奥までスッキリした。美味かった。それにこんな暑さだから冷たい飲み物を飲めたのはいいが、日陰に隠れなければと準司はスポーツドリンクをポケットの中に入れてトイレを済ませてから以前に使っていた三つの機械を使った修業をしていた所に移動しようと急いだ。


着いた時はすごい人数で混んでいた。ただこの涼しさ、一体どこからきているのかすごく涼しい。扇風機は一つもないということは、クーラーで冷やしてあるのだろう。こんな時だからこのクーラーで体を冷やせるなんて有難い気持ちだ。熱中症防止にもなれるのは一番良い。これで体力が回復できるだろう。ただ準司はこの時間からお腹がすいてきてグーっとお腹が鳴った。こんな時に腹がすいてくるのは何だかきつい。昼ご飯が食べられる時間は正午の12時からだからある程度我慢は必須だ。

冷たいスポーツドリンクを飲みながらしばらく体を冷やしていると誰かが声をかけてきた。

「準司、調子どう?」葵だった。何だか表情はイキイキしている。

「おお、葵。どう?調子は?」準司も聞いた。

「最初は炎で火傷しないか怖かったのもあったけど、だんだん慣れてきて一の技から四の技まで技を出せるようになれたよ。ただここからが難しくなってきているからそこで苦戦してるかな。準司は?」確かに葵の盾から湯気が出てきてるのかというぐらいこんな距離でも何だか熱いのが分かる。

「俺は五の技をようやく出せるようになれたよ。応用の技みたいだから非常に技覚えできるまで苦戦したけどやっと完成できたな。しかも上級生の先輩達をぬいてしまったみたいだし」準司は今でも何で自分だけが先に習得できているようになってるんだよ、普通は先輩達が習得できるのが先だろと不満な気持ちが出てきた。

「今は準司が独走状態なの?」葵は聞いた。

「うん。何かそれで上級生の先輩にケンカ売られてきたことがあったからすごい不安だよ。普通は先輩達が先に習得できるはずなのにどうなってるのか…」

「準司ができて先輩達ができてないって何かそれ確かに変よね?」葵も準司が困ってることが何となく分かってきた。

「だろ?早く先輩の誰か五の技まで習得できないと不安がますます大きくなってくるよ。…あっ…将吾のことはあまり今は関わらないようにした方がいいか?葵は将吾に会った?」準司は承知の上であえて聞いた。

「いや、会ってないよ。でもちゃんと修業してるか何だか心配よね?深島さんのことが好きで集中してなかったらここに来て課題をしに来た意味がなくなるもんね。無事課題に向き合っていればいいけど…って準司、もう後三分で訓練修業再開よ。早く戻らないと…」

「本当だ。次は12時までだよな?昼食の時にまたこうやって合流しよう。将吾のことは後に回したとして」準司は将吾の誘惑に負けないように冷や汗かいて葵に言った。

「うん。将吾のことは気にしない方がいいよ。今は修業に集中しなきゃ。じゃあまたね…」

「おお、じゃあまたな」葵と準司は元の修業場所に戻っていった。

準司は走って戻っていく時に気づいたが四と五の技をやっと覚えたというのにまた忘れたとかなってしまったら伏竜に白目向けられるのもあり得るだろう。水の盾頭とはいえやっぱりしっかりしているのは分かるし、そこらの中学、高校、大学の先生とは全然教え方が違う。伏竜は力があって強いからキレる時はすごく怖くなるのは想像するだけでも分かる。

ちゃんと覚えられているかしっかりと頭の中に叩き込めているかだんだん不安になってきた。葵と会話してしまったせいで確認練習していない。いきなりのテストをしなければならなくなった。不安の意味もあって顔色が悪くなってきたが、それでもやるしかない。準司はそう思いながら素早く走っていった。


やっと戻ってきた時はもうすでに上級生達全員が集合していた。向かい合わせにじーっと立っている姿が伏竜だ。盾を地面につけて時間がくるまで銅像のように固まったまま時間がくるまで待ち続けている。…俺、まさか遅刻してるんじゃないよな?準司はふとそう思い何だか冷や汗がかいてきた。全員が集合しているところの後ろに回って並ぼうとしたその時伏竜は準司に声を突然かけた。

「おーい、三田原。すごい遅刻寸前に来てるじゃねえか?やる気あんのか、お前?」

「あっ、はい!」伏竜がそう言うと皆全員が爆笑した。準司はすごく真っ赤になって恥ずかしくなった。なんで自分だけ怒られないといけないんだよ、それで笑いもの扱いされるって…何かいやだ。

「よし、じゃあ時間通りに皆集まれたので続きの修業訓練を再開する。本当ならもう六か七の技を教えているところだがまだ四の技が習得できていないみたいだからおそらく十三の技まで教えるのは無理と判断した。そこで発展、難関を教えるのは後日のいつの日かにまた教えられる時が来れば教えたく思う。では続きの修業をやってくれ。三田原、お前はここに来い」伏竜も忘れてはいなかった。やっぱり伏竜という人は只者ではなかった。反射神経もすごいし記憶もいいし、それに速い。さすがに準司は伏竜からこっそりと逃げて隠れながら練習するわけにはいかなかった。

準司は渋々と前に出てきて伏竜の近くに来た。

「四の技と五の技をもう一度披露してもらおう。もう少し遠く離れたところで技を出してくれ」伏竜がそう指示すると準司はその通りにした。やばい、緊張してきた。まさかできなくなったとなってしまえば今まで修業してきたことが全部台無しになってしまう。それだけじゃない。伏竜から何されるかがすごい不安になってくる。

…仕方ない。一発で決めよう、準司はまず四の技を真剣な気持ちになって繰り出した。

「四の技、『雨水滝』!」しまった!少しずれた。滝のような水が流れ出はしたが勢いがなくなっていた。

「すみません、もう一度いいですか?」準司はすぐに伏竜にお願いした。

「構わんが」伏竜はあえてわざと低い声を出した。多分あの声は抑えてはいるが多少キレているのだろう。

「あっ、はい…」準司はだんだん焦りが出てきた。ヤバい、怒ってる。一発で決められないとはどういうことだ?という意味なんだろう。次こそ必ず…姿勢を正して、呼吸を整えて、しっかり落ち着いて…。

「四の技、『雨水滝』!」今度はしっかりと決めれた。ものすごい勢いで滝水が地面がドドーンと響き渡ったぐらいに技を繰り出せた。

「うん、完璧にできているな。よし、それでよしとする。但し、大事なのは本物の戦場で技を使いだせるかだ。その時にできていなければ話にならない。それをしっかりと忘れるなよ。じゃあ次、五の技だ」

準司にとってここからが正念場だ。また五の技を出して失敗してしまったら伏竜は黙っていないだろう、今度は足蹴りされたりされるかもしれない。そうならないように一発で決めなければ。

呼吸を整えて、姿勢を整えて、しっかり盾を構えて。そして集中力を高めて…あの時のことを思い出して…よし!

「五の技、『滝の渦潮』!」準司の周りに円を描くように水が回転しはじめた。そしてそのまま勢いよく下から上に向かって竜巻のように巻き始めた。そしてしばらくそのまま耐え続けた。

「よし三田原、そのままじっとしておけよ。ここからもし敵が攻撃してきたとしたらどうなるかの実験をやらせてもらう」伏竜がそう言うと準司は「えっ?」と声が漏れてしまった。ちょっと待て、そんな話聞いてないぞ。一体何してくるんだ?

そう思ってる時、伏竜はいつの間にか複数の槍を複数持ってきて準司に向かって投げようとしてきた。

「えっ!?ちょっと待ってください!そんな話聞いてないですよ…」

「いいからしばらくそのままにじっとしてろ」伏竜は弓矢みたいな機械を使って槍を投げとばすつもりだ。いや待てよ、あれは正気か?

「伏竜さん。それ偽物の槍ですよね?…」

「本物の槍だ。大丈夫、お前のその技が本物かどうかを見極めるだけだ。偽物なら、傷ができるだろうね?」

「いや、ちょっと待ってください!俺、撃たれるんですか?」

「大丈夫大丈夫、死にはしないからな。そんなに心配するな。これも修業の一つだからよ…」

「えええええ!」ヤバい。絶望だ。俺あれに撃たれたら致命傷になる。ただここで死にたくはない。ああやっぱり休憩中に練習しておけばよかった。あれは本当に大誤算だ。今頃誰か助けてとか言えないし、逃げるわけにもいかないし、仕方がない。五の技を極点まで極めて本気であの槍を弾き返すしかない。

滝の渦潮の技をもっと各段に上げよう。これでもすごい限界まで極めている。そして気持ちだ。調子に乗ってはいけないし逆に小心者になってもいけない。バランスの取れた冷静心が必要だ。

準司が五の技を繰り出してる最中に槍で投げ飛ばされるという光景を見た上級生達は自然と止まり、皆と話をして「あれ本気なのか?」と言っているのが聞こえてきた。皆自然と準司の方を傍観していた。

「三田原、もし敵にこういった攻撃が押し迫ってきた時にその技で弾き返せるか試験を行わせてもらう。これを乗り越えれば次の六の技の習得に行ってもいい。いいな?じゃあ今からいくぞ。槍の発射まで、三、二、一!」伏竜のカウントダウンで槍が発射した。そして準司に向かって勢いよく飛んで行った。

準司に命中した。準司が撃たれたのかと皆全員顔に手で押さえた。するとしばらくしてもう一度準司の方に向いた。

準司は何もケガを負っていなかった。槍を弾き返せたのだろう。

「よし、今度は後ろから撃ってきたとする。弾き返せるか試してもらう。ただ水の量が持ちこたえられなければ水を補給してもいいがこのままいくか?三田原」準司は何もケガを負っていないことを確かめると少し自信がついた。何も怖がることなく伏竜に言った。

「はい、このままいかせてください」

「わかった、背後からの攻撃してきた場合の試験を今から行う」準司は固まったままじっとしている間すぐに伏竜は準司の真後ろに弓矢の機械と槍ごとを担いで走って行った。



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