難易度が上がって
「四の技の名前は『雨水滝』という。盾を上から下に向かって降り倒し大量の水を下に流し倒すという技のことをいう。今さっき三の技で青色のボタンと人差し指のボタンと親指のボタンを同時に押すやり方あっただろ?その三つのボタンを長押ししながら下に振りかざすやり方をすれば大量の水で滝のように流れ出すことができる」それが標準の技ということか。想像すればどういうことか何となく分かったがそんなに難しい技というんだろうか?準司は次の技を早くマスターしたい気持ちが高ぶってきた。
「どんな技なのか、今から披露してやる。よく見ておけ」伏竜は再び後ろを振り向いて四の技の雨水滝を繰り出した。ものすごい水の量が盾から溢れ出てきてすごい高さに登った。そしてその高さから下に向かっておもいっきりドドドーンと地面が響いたぐらい勢いよく水が叩き落とした。これが雨水滝というのか、確かにあの滝のような地面に向かって叩き落としていた光景は凄まじかった。
地面は今の技で一気に水浸しになりビチョビチョになってしまっていた。
「どうだ?これが四の技『雨水滝』という。敵の攻撃を塞いだり攻撃することができたりする基本より上の標準の技だ。まあ、他にも火災がおきた時にこの技で消すことができる。…下がすごく濡れると思うが、では今からやってみよう、上下左右見渡してある程度の距離を空けて技を繰り出してくれ」伏竜がそう指示すると皆はもう一度感覚を空けて隣の人に当たらないかを確認してから盾を構えた。そして、皆はタイミングはバラバラだったが、四の技を出そうと練習を開始した。ほとんどの人はこの技が少し限界がきてきたのか、なかなか大量の水を出そうとしてもあまり出てこず少量の水しか出てこないような感じがしてきた。何回やってもあの滝のような水で地面に叩きつけることができていないようになった。
準司も四の技を繰り出そうとしていたが、なぜかあの滝のような水が出てこない。地響きがしないどころか小雨の雨が降ったかのようなぐらいの量しか出てこなかった。
「何だか早くも苦戦しているようだな。上から下に大量の水を叩きつけるようにしたければ体全体を使って呼吸を全身に行き渡るように吸っておもいっきりはかなければならない。盾を持ち上げながら息をおもいっきり上に向かって吸って全身をおもいっきり地面に叩きつける気持ちで勢いよくいけばさっきの滝のような水が一気に出てくる。今言ったように真似してみな」皆は一斉に上に向かって息をおもいっきり吸いながら盾をおもいっきり持ち上げた。そして地面に叩きつけた。するとそれぞれ人によって違うが水の大小がはっきり目立ってきた。一番できた男子の上級生一人はまるで海水プールの噴水の高さまでしか水が上がらなかった。
準司もそんなに高く水が上がらなかったが、上級生男子の高さの次まで届いていた。…標準レベルでこんなに体力が消耗するのか。こんなのでは次の応用の技なんかもっときつくなるのか?だったら発展、難関のレベルまで行くなら夢のまた夢なんだろう。
何なんだ?このモヤモヤ感。悔しいのも分かるけど、この障壁の乗り越え方が今のところ分からない。…何だか焦ってきた。
「どうした?今ので折れそうになったか?そんな根性ではこの先も技を覚えていかなきゃならねえのに大変だな?嫌なら嫌でリタイアしてもいいんだぜ」挑発してるのか、葉っぱをかけてるのかあまり分からなかったが根性を出そうとさせているのだろう。
準司はもう一度さっきのやり方を少し変えて呼吸の使い方を変えてみたらどうだろうと考えた。いきなり息をおもいっきり吸い込むんじゃなくて、少しずつ息を吸っていくことから始めるというのはどうだろう?
そう考えてみて準司は試してみた。だんだん息を長く吸って、そして盾を持ち上げていきながら体全体に酸素を送り届けてから力いっぱいに下に叩きつけた。すると前の水の高さより高くなった。まだ水の高さは低くて滝のような勢いではなかったが、以前より水の量や高さが大きくなったのが分かってきた。
これを何回も準司は他の上級生達と繰り返し四の技を繰り出し続けた。
三十回以上は繰り返した。上級生達の半分は何度やっても滝のような勢いがもう出なくなりヘトヘトになって息がきれてきた。その一方でまだまだ粘る人もいれば納得のいくまで何回も繰り返している人達もいた。
準司はだんだんコツが分かってきたような感覚を掴んできた。おもいっきり空気を大量に吸い込むやり方じゃなく、徐々に少しずつ空気を吸い込むのが正解だと分かった。そして体を全身におもいっきり力を入れて、そして…。
「四の技『雨水滝』!」準司はおもいっきり溜め込んだ力を下の地面に叩きつけた。すると滝が下に叩きつけてきたかのようにすごい勢いで滝の水が大量に上から叩き落とせた。
「おお、三田原か。それだ、ついにようやく四の技を完成させたんだな」伏竜は準司が見せた四の技を見てようやく動いた。
「三田原、もう一度四の技を見せてくれ。それができたら合格だ」伏竜は次も四の技が出せるか確認をしたく注目した。皆上級生達も一端止めて準司に注目した。
「四の技『雨水滝』!」もう一度さっきと同じ技を繰り出した。盾を上から下におもいっきり地面に振りかざしてものすごい水の量が滝のように上から下に叩きつけた。皆はおおとかすげえとか感動の声が漏れ出ていた。
「三田原、それだ。感覚が掴めたようだな。その技をくれぐれも忘れるなよ。またこの後できてるか見させてもらうが、とりあえず合格とする。次の五の技を教えるから皆が四の技が完成できるまで練習でもして確認しておいてくれ…」
「はい、ありがとうございます!」準司は達成感が一気に湧いた。伏竜はある物を取りに行こうとして「お前らは続けて四の技を完成させるまで練習しておけ」と言ってその場を離れていった。
準司が四の技を完成させると、上級生達は何回も練習を繰り返したがあの高く上がる滝水まで上がることができなかった。そんな中で準司はもう一度確認しようと四の技を繰り出した。ものすごい勢いの滝水が高く上がり地面にドドドーンと地響きを鳴らして叩きつけた。皆は一斉に準司の技で集中することができなかった。
「おい、お前一回生だろう?俺ら上級生達を抜かして何かせこいことでもしたのか?…」
「おい、宮岡止めとけって。確かに一歳年下の一回生に抜かされた悔しい気持ちは分かるけど、ケンカはダメだ。それで伏竜さんに見つかったらお前ただじゃ済まされないぞ」二回生の宮岡を同じ二回生の夏木が止めた。
宮岡はチッと舌打ちして元の場所に戻っていった。
しばらくすると伏竜が帰ってきた。するとすぐに準司を呼んだ。
「三田原、こっち来い」伏竜はそう言うと準司は小走りで前に出た。伏竜の所まで着くと準司はワクワクしてきた。
「今から五の技を教える。名前は『滝の渦潮』という。防ぐだけじゃなく反撃もできるという二刀流の技を繰り出すことができる技だ。これが標準から応用にかけてのレベルだ。…時間に間に合わせたいからここからは人によってますますバラバラになっていくだろうからもうここからは五の技を君が一番始めの教わる人となる。じゃあ、盾を構えろ」準司は盾を構えた。標準から応用にかけての技、いよいよ応用の技を早くも自分が教わることになるのか。何だか自信がついてきた。
準司は先程言われた滝の渦潮という名前を聞いたことがある。あの爆破事件の時に十五番目のイナズマ団と対峙した時に伏竜が繰り出した技のことを覚えている。あれが五の技だったのか。あの渦を巻いた水の渦が今から教わる技なのか。
ようやくこの時がきた。伏竜の言われた通りに準司は見本を見るようにした。




