盾頭の紹介
最初に教卓に上がったのは見て分かるが二十代女性でおそらくショートヘアだがあの髪の毛の端が緑色にカラーリングしていて、黄緑色のマニキュアをしていることから皆はたぶんこの人の使い手が何かを想像できた。身長はそんなに高くはないのは分かっているが低すぎることもなくだいたい一五〇センチ以上あるかぐらいの身長に見えた。そしてあの雰囲気は地方公務員にいそうなクールな静けさに見える上私生活は自由人のように見える。ただ美人だ。だから、個性がよく現れている。
「はい、まずは私から自己紹介させていただきます。名前は深島衣里菜と申します。盾の使い手ですが、草の使い手です。防衛技能訓練の時に自分が草の使い手です、という人は色々技を教えていきます。今後とも宜しくお願いします。私からは以上です」草の盾頭と呼ばれし深島は教卓から降りると元の場所に戻っていった。その時三回生の数人が拍手をしかけたので、皆全員が拍手をした。ただ坂本や残りの上級生の中の数人は拍手をしなかった。
「ではその次の二人目の盾頭さん、鋼の盾頭さんですね。では壇上へ」ヴィジョン教授が片言の日本語で合図した。鋼の盾頭と呼ばれしこの男の人は肩幅はかなり広く筋肉がムキムキに見える。半袖で腕のところは隠れてはいるが相当体力を鍛えてきたのだろうと凄く太い。それに身長が高い。それですごく個性が丸出しだ。ヴィジョン教授しかこの人の職務は知らないだろうが、体力勝負の仕事をしているんじゃないか、もしくは何かのアスリートの人なのかそんな感じに見える。
顔立ちも男前で女性からもモテモテなんじゃないかという程整っていて美男だがキレたら怖いような雰囲気も見て感じ取れていた。
「ヴィジョン先生の紹介にもありましたように、鋼の盾頭と呼ばれています、寺松泰史と申します。鋼の使い手の方は次の防衛技能訓練の時に技をたくさん教えていきますので期待しててください。私からは以上です」簡潔に答えると今度は皆一斉に拍手をした。ここで寺松の強気に圧倒されたからか坂本も叩く回数は少なかったが拍手はしていた。
「ありがとうございます。では三人目お願いします」三人目の盾頭の盾の色が赤色に見えたので、あれはおそらく炎の使い手なのだろう。この人も強気の雰囲気があふれでていたが、他の七人よりも非常に冷静だった。身長は一七八センチぐらいだと思う。この人も体格が広く体力は二人目の寺松と同じように自信は相当ありそうだ。顔立ちは鼻は高く、目も大きく見開いていて女装したら女性の美しさが華やかに見える程の美男で男前なのだが中身はどんな職歴があるかはヴィジョン教授しか知らないだろうが、仕事に自信が溢れている雰囲気が見ただけで伝わってくる。
「はい、盾の色が見えますでしょうか?赤色が見えますでしょうか?皆さんも分かっているかと思いますが炎の使い手であります。名前は灯田原剛と申します。炎の使い手になった方はおそらく強気の精神や芯の強いものを持っているんじゃないかと確信しています。私からもあらゆる技を教えていきますので宜しくお願いします」三人目のこの炎の盾頭にも大きな拍手が沸き上がった。よほど人気が凄まじいのか全員が拍手していた。
灯田原が壇上から降りるとヴィジョン教授は続けて話し出した。
「ありがとうございます、ミスター灯田原。では四人目の盾頭である風の盾頭さん、教卓に行って自己紹介お願いします」言い終わるとその風の盾頭はさっさと歩いた。何だか厳格そうな表情をしていて自分にも相手にも厳しいような感じを醸し出していた。身長は百七十センチ以上はあるのは確かだが百八十センチはあるかというとそこまでの身長はなさそうだ。この人も強気だが、怒ると怖いような感じもしている。
「えーっ、風の盾頭であります、菅田照亮と申します。しょうすけのすけの漢字はあのなべぶたの部首を書いて亮と書きます。こっちもたくさん風の技を教えていく構えでいます。宜しくお願いします」こちらも拍手が凄かった。皆真剣に集中していて何か変なことをしたりしたらその場でキレるんじゃないかと思うというのは自然と肌で感じていた。坂本もその予感を感じとっていた。
ヴィジョン教授がありがとうございますの英語で話すと風の盾頭の菅田はとっとと壇上から降りてさっさと元の場所に戻っていった。
「では五人目の盾頭であります、雷の盾頭のミスター柴岡、自己紹介を」ヴィジョン教授から日本語で話すとその雷の盾頭はゆっくりと教卓に向かった。見た感じ、他の七人とは違い体格はそんなに広くなく、逆に頭脳が賢い感じを醸し出していて、身長は高いがその分握力が強いのは見て分かる。
「では自己紹介させていただきます。雷の盾頭をしています柴岡健一郎と申します。雷の技というのも何なんですが、イナズマ団の名前と関係がありそうな名前で誤解がおきるかもしれないですが、実は関係ありません。雷の使い手も理解しておいてほしいですが、イナズマ団が雷の攻撃をしてくることもあるかもしれません。そこでこの盾を使って雷を吸収したり吸収した雷を反撃に使うやり方でいろいろな技を繰り出していきます。詳しいことは次の防衛技能訓練で説明するかもしれないので宜しくお願いします。私からは以上です」説明が終わると他の人達とは少し拍手の大きさは小さかった。雷の使い手の人達は大きく拍手はしていたが坂本は軽く拍手しているに留まった。
「はい、ありがとうございます。詳しい説明にもありましたが雷の使い方を少し語ってくれました。では柴岡さん、戻ってきてください」ヴィジョン教授が日本語でそう言うと柴岡は素直にその通りに元の場所に返って行った。
「では次、六人目になります。岩の盾頭であるミスター堅本修一、壇上へ」ヴィジョン教授は今度は英語でなぜか話し出した。この堅本修一も体格が広かったが素直で誠実な性格という礼儀さは伝わってくる。身長は百八十センチ以上はあるように見える。そこまで太ってはいないがプロレスの試合にいるあの体格とよく似ている。何かの職人さんなのだろうか、手先が器用な感じは見ただけで伝わってくる。そして肌の色が小麦色だ。堅本はゆっくりと教卓の壇上に上がり自己紹介を始めた。
「初めまして。私が岩の盾頭であります堅本修一と申します。この盾は確かに岩の素材がはめ込まれています。短い紹介ですが次回の防衛技能訓練でまたお会いしましょう。以上堅本でした」堅本が短く紹介を終えると岩の盾頭に対しても少しだけだが拍手が沸いた。岩の使い手の皆も大きく拍手をしていた。
「ありがとうございます。ミスター堅本。手短でしたが紹介ありがとうございました」ここでも英語でヴィジョン教授は答えた。
「では次、七人目になります。花の盾頭であるミス宮桜、どうぞ壇上へ」ヴィジョン教授がここからも英語で話し、宮桜を壇上へ誘導した。宮桜は言われた通りに続いて教卓の壇上へ少し急ぎ、そして壇上に上がり弟子達に向いて自己紹介を始めた。見た感じ身長は他の七人より少し小さく小柄に見え、ショートカットに綺麗な化粧をして口紅は桜色の薄い色に塗ってありCMの女優さんが出てくるかのような綺麗な姿で美しい美女だ。二十代女性なのは一目で分かる。
「はい、皆さんこんにちは。花の盾頭の宮桜綾菜と申します。先の文京区の高層ビル事件の時にイナズマ団のナンバー十四を捕まえたのも自慢ではありませんが私です。文京区の高層ビル救出作戦に参加していた皆さんは私のことを知ってるかと思いますが、一方で江戸川区の高層ビル爆破事件に救出していた皆さんは次に紹介されると思います伏竜さんと合流していたので私のことを見て知ったのは初めてかもしれません。宮桜という名前と同時にまだ私の姿を見たことがない人は是非見て覚えていってください。また、防衛技能訓練で花の使い手の方は技を教えていきますので次の訓練でまたお会いしましょう。私からは以上です、ありがとうございました」宮桜は深々とお辞儀をした。大きな拍手が沸き上がった。拍手しない人は誰もいなく全員が拍手を必ずしていた。江戸川区の高層ビル爆破事件の救出していたメンバー達や準司も葵も将吾も皆「あの人が宮桜さんなんだ」と話して感動していた。坂本も大きく拍手はしなかったが軽く拍手はきちんとしていた。
「はい、ありがとうございます。ミス宮桜。では元の場所に戻ってください」ヴィジョン教授は英語で宮桜に返事した。宮桜はもう一回軽くお辞儀をして元の場所に戻っていった。
「それでは最後になりますが、水の盾頭であるミスター伏竜、壇上へどうぞ」ヴィジョン教授が英語でまた話すとゆっくりとした歩き方で教卓の壇上に登り宮桜と同じように堂々と前を向いて弟子達と向き合い自己紹介を話し始めた。準司達が見た厳格な表情は初めて会った時と
変わっていない。
「はい、先ほど宮桜さんがちょっと紹介をしてくれたかと思いますが、江戸川区の高層ビル爆破事件の救出に向かっていた伏竜寛燿と申します。同じ江戸川区の高層ビル爆破事件の救出をしていた弟子の皆さんは僕のことを知っているかと思いますが、文京区の高層ビル爆破事件の救出に向かっていた皆さんは初めて僕を見たんではないかと思います。水の盾頭として活躍していきます。水は技を使う時の基本中の基本なので水の使い手の皆さんは防衛技能訓練の時にいくつかの水の技をしっかりと頭の中に叩き込んでください。短い紹介かと思いますが防衛技能訓練にまたお会いしましょう。以上で紹介を終わります」伏竜も頭を下げてお辞儀すると皆は一斉に大きな拍手をした。炎の盾頭の紹介と同じような大きな拍手だった。炎や花と同じように一番必要不可欠な技のためでもあるのだろう。凄い拍手だった。
「ミスター伏竜、紹介ありがとうございます。では戻って下さい」伏竜も言われた通り元の場所へ戻っていった。
「はい、皆さん。以上で八人の盾頭を紹介しました。防衛技能訓練は次の土曜日に行うつもりです。その時にまた皆さんと会える上、技覚えの特訓を行うつもりでいます。今週の土曜日は必ず予定を開けておくようにしてください。ここまで何か質問はありますか?」誰も手を挙げなかった。
「なければこれで今日の部会を終わります。何か質問がありましたらこの後私に質問してください。では以上で終わります。解散してください」ヴィジョン教授が解散の合図を送ってもほとんどの人達は帰らなかった。坂本も珍しくすぐに帰ったりはしなかった。おそらく盾頭と話がしたいのだろう。準司や葵や将吾も盾頭と話だけでもしようと残ってそれぞれの使い手の盾頭に挨拶をしに行った。




