救出作戦
準司と将吾は辰准教授の言われた通りに裏口の非常階段を登り続け、ようやく最上階の非常口にたどり着いた。
「ここだよな?何だか怖くなってきたよね」将吾は緊張が高ぶってきた。
「うん…慎重に…中に入ろう」
「ああ」
準司はイナズマ団に見つからないように小声で話しドアをゆっくりと開けた。二人は警戒しながら慎重に入っていく。
ドアをゆっくりと閉めると準司と将吾はファインドグラスで中の様子を確認した。左右の廊下を見渡しゆっくり中へ入る。
「大丈夫そうだな」準司は小声で言った。
「やべえ、こえーよ。肝試ししているよりもっと怖かったなんて」将吾はさらに緊張が走りながら小声で言った。
「落ち着け。盾があれば大丈夫だ」準司はそう小声で言うと盾を大きくして戦闘態勢に入った。将吾も盾を構えた。そして周りを警戒しながら前に進んだ。
進んでいるその時、準司は「待って」と言った。
「イナズマ団がいる」と小声で将吾に言った。
「そこにいるのか?」将吾は言った。
「ああ、将吾も見えないか?」準司は将吾に顔を向けた。
「本当だ、あの黒く写っているのは」
「そう、あれだ」
二人は盾を前にして戦闘態勢に入った。準司は辰准教授の言われたことを思い出しながら勇気を振り絞って構えた。
「一気に飛び込むぞ、いいか?」準司は将吾に合図した。
「…ああ…いくぞ!」将吾も覚悟した。
「おう、よし!」準司は一気に飛び込んだ。続いて将吾も飛び込んだ。イナズマ団が後ろに向いているその時、準司は一気に失神銃を打った。するとそのイナズマ団は気絶して倒れた。
二人は盾で素早く防いだ。
「よし!気絶した!」
そう言っていたその時向こうにいた何人かのイナズマ団がなだれ込んできた。
「侵入者だ!敵が来たぞ!」と叫び、乱射した。
準司と将吾は盾で素早く防いだ。すると傷何一つつかずに済んだ。
「すげえ、防げてる!」将吾は盾の防ぎに感動した。
「将吾、怖さが取れたか?」準司は聞いた。
「若干、そっちは?」将吾も聞き返した。
「大丈夫だ」
「おい!あの盾が粉々になるまで打ち続けろ!」イナズマ団の数は6人いる。そのうち5人が銃を乱射した。
準司と将吾はそのまま防ぎ続けた。盾は何もびくともしていない。
ただ失神銃を打つタイミングが分からず動きようがないことに将吾は戸惑った。
「おい、このままじゃ打てねえよ。どうするって…おい準司!何する気だ!」
準司は勝手に一人で前に盾を構えながら突き進んだ。
「行けー、失神覚悟ー!」すると、イナズマ団5人全員が気絶し倒れた。
「なっ、何!?おのれ、キサマー!」一人だけのイナズマ団が銃を構える前に準司は素早く失神銃で打った。
そして、そのイナズマ団は倒れて気絶した。
「お、おい、準司すげえー!まさか戦い方最初から知っていたのか?」将吾は今の一瞬についていけず準司に聞いた。
「いや、辰先生の言う通りにしているだけさ」準司はすんなりと答えた。
「えっ?今の銃、見たことなかったぞ」
「それより鍵」準司は素早くファインドグラスで6人のイナズマ団を調べ始めた。将吾もあわててファインドグラスで調べた。
「あの6人全員なさそうだな。…よし、次進もう」準司は将吾より先に走った。
「…準司…急に何だ?」準司の急な活発さに将吾は戸惑った。
「残りのイナズマ団はこの先かもしれない。その誰かが鍵を持ってるかもな」準司は廊下が続いている先の方へ目を向けた。準司が一回春学期の時に図書館に来たことがあり、最上階に来たことが一回あった。だからこの道のことははっきりと覚えている。
「じゃあ後はこの先だけだよな?」将吾は聞いた。
「うん…間違いない…葵がどこにいるのか探そう、あっ、待って」準司はファインドグラスで確認した。
「イナズマ団があそこにいる、しかも数が多い」
「えっ、嘘だろ?」将吾も確認してみたら準司の言う通りだった。
「本当だ、確かに数が多いな」将吾は言った。
「あのどこかに葵がいるかもな。イナズマ団があれだけの数がいるということは葵を監視している違いない。将吾、覚悟できているか?」準司は将吾に聞いた。
「数となるとちょっと怖いけど、まずはイナズマ団を失神させて鍵を探すことが先だな。それから葵がどこにいるのか探すっていう流れで行こう」将吾も覚悟を決めた。
「よし、一気にあそこへ行くぞ」
「おお」
二人はまたイナズマ団が取り囲んでいるその場所へ向かった。
「将吾、行くぞ!」
「おお!」
二人は一気に飛び込んだ。イナズマ団は一瞬振り向いた時、銃を乱射した。
「いたぞ、侵入者だ!」
準司と将吾は盾で素早く防ぎ続け、タイミングを見計らって失神銃を打ち続けた。イナズマ団の数人は気絶して倒れた。
失神銃を打つの繰り返しだが、イナズマ団の数はやや多かった。
それでも準司は挫けなかった。盾を前に構えたまま失神銃を打つタイミングを見計らって打ち続けた。
将吾は準司についていくのは大変だったが盾を構えて準司に必死についていった。
イナズマ団の数を相手に準司と将吾は善戦している。イナズマ団の凄まじい銃撃戦で、攻防が続いている。
準司と将吾は失神銃で打つの繰り返しでようやくイナズマ団を気絶させ数を減らしていけた。
そして、最後のイナズマ団一人に失神銃で打ち、気絶させた。
「…これで最後だよな?」将吾は廊下で倒れているイナズマ団達を警戒しながら見続けて準司に聞いた。
「ああ、もう大丈夫だ。よし、この中から鍵を探そう」
慎重に二人は失神銃を構えながらファインドグラスで鍵を持っている奴は誰かを探し続けた。
そして…
「準司!あった!あったぞ!こいつだ、このイナズマ団が鍵を持ってたんだ!」準司は急いで将吾のところまで行った。将吾はそのイナズマ団のポケットの中から鍵を取り出した。
「確かにこれだ。これで葵を助けることができる」
「後は葵を探すだけだけど、どこにいるんだ?」準司は鍵の確認ができた後、将吾の聞かれたことに次に葵のことを考えた。
「この階のどこかに閉じ込められているんじゃないかな?」準司は扉が数ヶ所あるため辺りを見渡した。
「部屋の番号が書かれているからそこが葵が捕まっている場所だろう。鍵に番号書かれてない?」将吾は聞いた。
「505って書かれてる」
「505か…あのドアじゃないか?」
二人は急いでそのドアに向かい鍵が開くか確かめた。
すると、ガチャンと音がした。
二人は「あっ」と思わず声がもれた。せーのーでと言ってドアを開けた。
そこに縄で手足が縛られている葵の姿があった。
「葵!」二人は葵に駆けつけた。
「葵!…葵!、聞こえるか、俺だ!目を覚ましてくれ!」
準司は葵の肩を揺すぶりながら何度も声をかけ続けた。
「葵!…葵!」そしてついに。
「……じゅん…じ…?」葵は目を覚ました。
「葵!?…そうだ、俺だ!将吾もここにいるぞ!」
将吾は葵に見えるように近寄った。
「…しょう…ご…?」
「ああ、そうだ、将吾だぜ!俺たち葵を助けに来たんだ」
二人は二タッと笑顔を見せた。
「葵、今から縄ほどくからな、ていうかケガはないか…」
「準司……早く…逃げて」
「えっ?」葵は傷が数ヶ所あるため話すのに必死になっている。
「…ここに…来ちゃダメ…あの人がここに…」
「葵、どういうことだ?今から助けるから安心して…」
「準司、将吾…後ろに…あの人が…いるの」
その時、二人は気づいた。背筋が凍ったように金縛りになったように固まった。
まだ敵がいたんだ。しかも今度はただ者が来たんじゃないと感づいた。