クラブの出逢い
ヴィジョン教授が十八歳の時、理系の学業が非常に優秀で担任の先生や塾の講師からもあの登竜門の国公立大学の東都大学を受験したらと進めてくれて、挑戦の意味もこめて第一志望校に決めていた。それ以外も志望校はどこにするか第二志望からその下の志望校を選び、順調に進めていた。そこでヴィジョンは登竜門の東都大学を受けるのは決めてはいたものの、やっぱり理学部の専門分野を学びたいと決め担任の先生や塾の講師に理学部の専門分野が揃っている一流私大の慶徳社大学に行きたいと言ってその私立の大学を第一志望校に選んだのだ。
受験当日。ヴィジョンはその時他の受験生とは違って感覚がもう合格する余裕の気持ちで一流大学から滑り止めの大学全てを受験した。
そして、数日後にヴィジョンが受けた全ての大学に合格したのだ。あの登竜門の大学である東都大学も合格したのだ。
それで担任の先生や塾の講師も「せっかく登竜門の東都大学に受かったんだからそっちに行きなよ」と言われていた。
しかしヴィジョンは慶徳社大学が自分にとって行きたい大学だった。そこまで言われるとヴィジョンは最初は悩んだが、やっぱり慶徳社大学が自分に合ってる。この大学は東都大学の次に偏差値が高いし学識はかなり広い。学べることがたくさんある。
ヴィジョンはそう思って自分の直感を信じて慶徳社大学に進むことを選んだ。
そして慶徳社大学に入学した。丁度桜が満開な時期に門をくぐり皆は平和な入学式を迎えることができた。新しくできた大きいホールがあり、そこで学長からの挨拶を含めて大学内の紹介や大事なお話をして一時間以上はかかった。
外に出ると入学生達も賑やかな先輩達のクラブサークルの広告のチラシ配りに紛れて、クラブどこにするか友達同士で語り合っていた。ヴィジョンは同じ高校から慶徳社大学に入学しに来た人がいなかったので、友人作りはこの後から作っていくしかないかと思っていた。ただそれにしても偏差値が七十の一流大学に入れたのにヴィジョン以外の高校の同級生は誰一人いないのはなぜなのか。何だか自分だけしかいないのは寂しいなあ。この時はヴィジョンはそう思っていた。
初日はクラブ、サークルの宣伝が一番話が盛り上がっていて終わった後は現地解散という流れだった。ヴィジョンもクラブはどこにしようか悩んでいたがまさかロボット研究クラブとかそんなのあるわけないよなあと思っていた。それにその事は授業でやっていくと思うから文化系より運動系のクラブに入ることにしようかな?
ヴィジョンはそう思い運動系クラブを探そうとした時だった。
「あれ?理工学研究室サークルというのがある。え?どこにあるんだ?」ヴィジョンは模擬店のチラシを見てそのサークルはどこにあるのか探した。…右の奥のところにある。
「よし、行ってみよう」ヴィジョンは一人でそこまで行ってみた。奥の模擬店に到着すると数人の先輩の男性が椅子に座っていて女性の先輩は後ろに立っていた。
「おっ、一回生?こんにちは。入部希望してる?」三回生の男性先輩が聞いた。
「えー、はい。理工学はすごく興味あって…」ヴィジョンは片言だが日本語でしっかり話した。
「おお、良かった!てことは学部は理系なの?」三回生の男性先輩は詳しく聞いた。
「あー、はい。理工学部です」ヴィジョンはいきなり学部を打ち明けてしまった。
「おお丁度いいじゃん!ここのクラブとそのまま一致するじゃん!良かった、だったら入部はしてくれるか?部員数はまあまあ普通の人数だけど確かに理工学部がほとんどでそれ以外の理系の学部もここに来てるんだ。君も理工学部だし入部はしてくれるか?」三回生男子は誘った。
「はい、ちなみに何か機械を作るクラブなんですか?何をする所なんですか?」ヴィジョンは詳しく聞いた。
「ここはそうだね、ロボットの開発をして大会で競うことをしたり何か役に立つ機械を開発して実験したりしているちょっとしょうもないかもしれないけどそんなことをしているかな…」
「へえ、すごいことしてるんですね。ロボット開発は僕も興味あります。分かりました、入部を希望します」ヴィジョンはようやく決心した。
「そうか、だったら嬉しいよ。じゃあ入部希望者はこの紙に名前だけでいいから書いてくれる?…」
「これが入部用の紙だからここに書いてくれる?」横で聞いていたもう一人の三回生男子がヴィジョンの前に長机の上に紙と鉛筆を置いた。
ヴィジョンは鉛筆を持ち、自分の名前を書いた。
「さっきから気になってたんだけど、君はハーフなの?」最初に話していた三回生男子が聞いた。
「あー、はい。父親がアメリカ人で母親が日本人です…」
「ああ、だから発音が片言だったんだね。外国人の美顔だしイケメンだからカッコいいね。じゃあよっぽど頭良いんじゃないか?その調子なら優秀な成績修められるよ」三回生男子はヴィジョンを誉めた。ヴィジョンはあまり話せなかったが「ありがとうございます」とお辞儀して返事した。
「よし、入部してくれたから来週の月曜日の午後五時から部会始まるからここがそうなんだけどこの建物のこの部屋まで来てくれる?そこで一回生歓迎会を行うから楽しみにしてくれよ。この地図渡しておくからまた月曜日に宜しくな…」
「はい、ありがとうございます」ヴィジョンは紙に名前を書いてから話を聞いてから「失礼します」と言って理工学部研究会サークルの部員全員は「ありがとう」とか「宜しく」と手を振ってくれてそこからヴィジョンは一人暮らしをしていた為帰ろうとした瞬間、ヴィジョンと身長の高い同じぐらいの一回生が理工学部研究会サークルの所に向かっていくところをヴィジョンは振り返ってその様子を見ていた。
身長はヴィジョンと同じぐらいで百八十センチぐらいに、肌の色は少し黒く艶の出た黒髪に少しチャラい性格で容姿は鼻の高い眉は細く口も細く目はきりっと見開いた美男子の姿だった。
帰宅後、初めて一人暮らしを始めていたが慣れるまでは大変だった。多少は両親が夕方に最初だから大丈夫か心配でもう一度手伝いに車で来てくれたが、そのおかげで夕食の準備や片付けをしてくれてほとんど後は自分でできるまで仕上がった。
両親は夜遅くまでいると言ったので、ヴィジョンは「後は一人でできるから父さんと母さんはもう帰っていいよ」と言うと二人はそれでも夜中遅くまで見守るからと本当過保護かというようなことまでヴィジョンのできることまでも強引にやらされた。
やっと夜十時になったのでヴィジョンは両親を送り出そうと声かけした。
「もうこんな時間だ。後は自分一人でできるから父さん母さんは早く帰った方がいいよ」そう言って両親もわかったと言って「後は自分でやりなさいよ」と母に言われ父は「大学楽しんでおいでよ」とアメリカ人らしい明るい話し方をしてバイバイと手を振ってくれてそれから両親は外に出るとヴィジョンは玄関まで見送り「二人も気をつけて帰ってよ」と英語で伝えた。両親も「ありがとう」と返した。
「また分からないことあったら電話してきてね。夏休みになって帰りたくなったら帰りなさいね」母がそう言うとヴィジョンもわかったと言って「じゃあ気をつけてね」と返し、そしてようやく一人になった。
それから風呂に入って、上がった後に新しく買ったテレビをコンセントをさして電源をつけて何か見たい番組はないかをつけてまわった。
もう四月に入ったから新番組が次々と出てくるのかな?まあ、適当に見よう。
時間は深夜0時になる一時間前になってきた。ヴィジョンがいつも見ていたチャンネルの報道番組を見て寝る前にお茶を飲んでから歯磨きをしたりして済ませ、ほとんどの時間をテレビを見ることにした。
翌日にゼミのグループに参加した後、来週から始まる春学期の授業を決め、来週の月曜日から本格的に慶徳社大学の授業を朝から初めて受け始めた。まだ慣れはできてなかったが大学の授業はこういうふうに受けるんだと一回で分かり、四限目の授業を受け終わるとようやく五時になるまで理工学部研究会サークルの会場まで向かった。
一階にあるみたいで地図を持ってそこまで行って着いた。ヴィジョンは着いてからドアを開けた。
「おっ、お疲れ様です!あっ、あの時の?」模擬店で見たあの三回生の男子がヴィジョンを覚えてくれていた。
「あっ、はい。ヴィジョン勇一と申します…」
「うん、分かってるよ。ちょっと緊張してる?」三回生の男子は気を遣った。
「えっ、あっ、まあ少しは…」
「大丈夫だよ、ここは何でも自由な時間だから。だけど五時になったら部会始まるからそれまでは自由にしててね…」
「あっ、ありがとうございます」ヴィジョンはサークルの部室に入っていくといろんな機材や本や漫画や雑誌などいろんなものが置かれていた。何だか天井も高いためここでロボットを開発したり機械を作ったりいろいろとしてるんだろうなあ。
他の新入りの一回生は二、三人はいたが暗い表情で何も喋らないのでヴィジョンも大丈夫か?とふと思った。
そうしてるうちに次々と部員の人達が入ってきた。二回生、三回生、四回生数人の男女揃ってドアを開けて入っていくとすぐにヴィジョンも含め新入りの一回生達に目がいって「ああ、初めましてー!一回生だよね?宜しく!」この女性部員は非常にテンションがマックスだ。
ヴィジョンは挨拶できずこっくりと頷くしかできなかった。
次々と部員達が入ってくるともうすぐ五時になってきた。さっきの三回生男子学生が五時になったことを確認するとハイテンションで挨拶をした。
「よーし!、もう五時になりましたので注目してください!皆さんもご存じの通り、今日は一回生を歓迎する会でーす!一回生もね、緊張してるかもしれないですけどこれだけ、えーっと全員で十三人集まってくれました。ありがとうございます!じゃあ一回生の自己紹介の前に僕らからかな、自己紹介していきますんで二回生から自己紹介を…」その時ドアがガチャンと音を立てながら空いた。ヴィジョンは誰なのかが一目で分かった。
あの模擬店で見かけたあの男だ。
「おお、ギリギリ間に合ってるよ。確か、神威君だったな」三回生男子学生が名前を言ったその名前を初めてヴィジョンは聞いた。




