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戒告の盾  作者: ヨシ
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マスコミからの逃走劇

二つの高層ビル爆破事件で大変な惨劇を残した後ようやく事が落ち着いたかと思っていた。文京区にある高層ビルの件もそうだったが、凄い人数の報道陣達のいろんな質問や近くにいた通行人達のスマホで動画を撮っていたりなど爆破事件の首謀者であるイナズマ団が警察に連れていかれた後に、道保堂大学の学生達や大学関係者達に目を向けられていた。ヴィジョン教授の弟子達は文京区にある高層ビルと江戸川区にある高層ビルの救出とイナズマ団捕獲で心身共にへとへとになっていて、報道陣達に追いかけられると急いで走って逃げて大学のバスに向かっていた。それでも報道陣達は追っかけてきてまるで鬼ごっこしてるみたいになってきていたので、へとへとどころかさらに疲弊が増してきた。

「道保堂大学の学生の皆さんですよね!?イナズマ団幹部二人を逮捕できたことの感想をお願いします!それとイナズマ団幹部二人を捕まえた経緯を教えてください!」

「あんた達!速くバスに逃げるよ!」桐原は大声で後ろを振り向いて足が遅い人達皆に喝を入れた。その分、桐原は意外に足が速く前の走っているメンバーを次々と抜かしていった。

「桐原さん、意外に足がそんなに速かったっけ?」将吾は走りながら息が切れながら二人に聞いた。

「分かんないけど、あの速さ尋常じゃないよな?陸上選手でもやってたのかなあ?」準司も桐原の走り方にたまげていた。

「でもそんなこと言ってる場合じゃないわよ。後ろ、まだ私達に追っかけてきてるよ。見てあれ」葵は後ろを振り向いて指を指した。…凄い人数の報道記者達とカメラマン達が自分達に向かって走ってきている。

「えええええっ!?あの人数あれ全国のテレビ番組の報道記者達だろ?あの走り方、陸上選手の経歴持っている人達じゃないよな?カメラマンも真剣になってこっち向いて走ってる。化け物かあの人達」将吾は目を丸くして後ろを見ながらおもいっきり走った。報道記者達もまだしつこく追いかけている。確かにあの走り方は尋常じゃない。こっちがさっきのイナズマ団捕獲作戦で疲れきっているからか体力が持てているのかかなり心配だった。


ようやくバスまで近づけてきた。バスの運転手もこうなるだろうと予想していたみたいで、皆を素早く乗れるようにドアを開けたままにして待っていた。桐原チームと桐原チームと工藤を除いて工藤チームの皆全員が走ってくるのをバスの運転手はおもいっきり合図して「荷物は担いだままでいいので速く乗って下さい!」と皆を誘導させた。ヴィジョン教授の弟子達皆次々とバスに到着すると急いでバスに乗っていった。

「ああ、ちょっと待ってよ!」将吾はもう限界になってきて汗だくになっていた。

「将吾、頑張れ。後もう一息だ」準司は将吾の背中を押さえてあげながら必死に走った。

「葵は先に行っていてくれ。将吾と一緒になって走るから」準司は葵を先に行かせるようにした。

「大丈夫なの?将吾が着いていけてるか心配だよ。本当に先に行っていいの?」葵は小走りになりながら二人を心配した。

「うん、俺は後から走るよ。ギリギリかもしれないけど何とか逃げ切るから。葵、先に速く行ってくれ」準司は言った。

「…分かった。じゃあ先に走ってるね。バスまで後もう一息だから、絶対に速く来てね」

「ああ、速く走る」準司はそう言うと葵は二人より先に素早く走っていった。

「将吾、本当はもっと速く走りたいけど後ろのマスコミ達もまだ追っかけてきてるから、死に物狂いで速く走るよ、急ごう」

「準司、マジかよ」準司と将吾は二人でおもいっきり限界を通り越して自分なりに素早く走った。一体どこにバスが停車してるんだ?行きはそんなに距離がなかったのにどこかに移動したのかな?

前に走り続けているヴィジョン教授の弟子達に着いていけるように速く走った。


やっとバスが見えてきた。次々と皆はバスに素早く入っていた。あともう一息だ。準司は将吾にそう言いたかったのだが、後ろを振り向いた時言えなかった。大人数のマスコミ達がうおおおおと押し寄せてきた。準司は目を丸くしていた。

「将吾、後ろがヤバい。後もう一息だから、一気に行こう。頑張れ」最後まで必死に二人は走った。

バスまで後もう少し。そして二人はやっとバスのドアにたどり着いた。最後まで待っていた桐原は多少イライラしていたがようやく来た時ほっとした。

「二人が最後なんだからね。速く乗って!」桐原が言うと準司は「ありがとうございます!」とお礼を言ってバスの中に入った。二人がバスに乗れた後桐原は素早くバスに乗り、運転手に「出してください」と言って運転手は大きくうんと頷き、バスのドアを閉めて直ぐ様バスを発車させた。

しかし、マスコミの人達がバスを囲み凄い勢いで質問の嵐が巻きおこっていた。

「イナズマ団幹部二人を捕まえたんですよね?何か一言お願いします!」

「どのように二人の容疑者を捕まえたのか教えてくれますか?」

「道保堂大学の皆さんでしたらこれまでの経緯を教えてくれたっていいじゃないですか!?」

バスの周りを一周にマスコミの人達は囲んだ。前に左右にカメラマン達も写真を撮りまくっていた。慌てて弟子達全員はバスのカーテンをおもいっきり閉めた。

準司と将吾は葵が「こっちこっち」と誘導してくれて空いている前の席に広々と座った。落ち着きはしたが、このマスコミ関係の人達に囲まれている状況に運転手は大丈夫か心配になってきた。すると、運転手はおもいっきり大きく警笛を鳴らしマスコミ関係の人達を威嚇するかのようにしてその上「道を開けてくださーい!」と窓を開けて大きな声でマスコミの人達に声かけをした。

しかし、マスコミの人達も負けていなく「質問に答えてください!」と必死になって大声で叫んでいた。

「参ったなあ」と運転手は呟いていたが少しずつ前に進むことができた。隙間ができたところを見えた時「今だ!」と思いアクセルをじわじわと踏みながら前に進み始めた。やっと道ができた時スピードをあげようやくマスコミの人達に囲まれている様子から脱出することに成功した。ヴィジョン教授の弟子達はやっと一息ほっとして後は大学に帰るだけとなった。マスコミ関係の人達は悔しがって諦めて帰る記者達もいれば、道保堂大学に本気でこのまま行こうかとまだしつこく追いかけようと粘り続けるマスコミの人達もいた。


マスコミ関係の人達からようやく距離がだんだん離れていくとようやくここで工藤の代わりになった桐原がバスのマイクの機械を口元に当て皆にアナウンスをした。

「皆さん聞こえますか?」桐原の声がわずかにに震えながらも響き渡る。疲れきった隊員達がゆっくりと顔をあげた。彼らの視線が無線機を握りしめている桐原に集中する。

「聞こえてますよね?」桐原は、一呼吸ついて安堵したように小さく頷いた。

「はい、今さっきのマスコミ関係者から離れられましたのでここで工藤部長の代わりに私桐原がアナウンスの担当をします。ほんのわずかですがこの時間だけ宜しくお願いします」周囲からかすかながらも同意の動きが見られた。彼らもまたメディアの喧騒から逃れられたことに安堵しているようだった。

「…皆さん、本当によく頑張りました!」桐原の言葉に何人かの隊員がふっと息を吐いた。張り詰めていた緊張が、少しだけ緩んだ瞬間だった。

「工藤部長のチームの皆さんのほとんどは今は大丈夫ですか?傷口が開かないようにだけ気をつけて下さい。また、傷がなかなか治らないようなことがありましたらすぐにお医者さんに診てもらって下さい。それ以外の皆さんは大丈夫ですか?…良かったです」桐原は、工藤と工藤のチームのことを特に心配もしていた。

「…話が変わるかもしれませんが、ここまで本当にお疲れ様でした。そして、イナズマ団幹部を捕まえられたことよく頑張りました!向こうの文京区の爆破事件の救出もイナズマ団幹部の一人を捕まえられたことが情報に入ってきています」桐原がボスの退治をしに行ったその前のあの十階で辰准教授とライン電話していた時が初めてその情報を知った。

「私達の江戸川区の爆破事件の救出の時にも最後にイナズマ団幹部の一人を捕まえることができました。これはこれまで長年いとも簡単に捕まえることさえできなかった難題を二つやり遂げられたということができたということです。これは本当に奇跡的なことなんです」桐原は話しながら涙が出そうになりそうだったが、片手で両目を拭きぐっと堪えた。

「もちろん、私達全員で解決できたんじゃなくて、あの水の盾頭の伏竜さんのおかげで救出と捕獲の二つを同時にできました。…もう皆さんも自分を労ってください。私達のヴィジョン先生の元でこの調子で次のイナズマ団確保を目指しましょう。今日のところは体をゆっくり休んでください。…桐原からでした。また大学に着いたらアナウンスしますので。では暫く休んでください」桐原はガチャンと無線機のマイクを切ると皆は自由に話し合ったり、この日のことで予想以上にくたくたになって寝ることにしたりと自由にしていた。

準司達三人も「よく頑張ったね。もうくたくただから寝るね」と話し合いたかったが、体が疲弊してる上悲鳴をあげている方が勝っていたので三人も話し合わずそのまま椅子を寝どころ代わりにしてぐったりと寝ることにした。

準司は寝ている時イナズマ団のことを思い浮かべた。イナズマ団達やボスの神威瞭にもうすでに狙われているのが、緊張はしていたがますます覚悟を決めるという深さはさらに増した感覚になった。

イナズマ団はこの幹部二人を捕まえたことを知られているのならば、相手の敵もただでは黙っていないだろう。後十何人はいるだろう、そしてその部下は何十人はいるのかもしれない。その数を相手にこれからも戦わなければならない。そう思った時、準司はますます緊張感が避けられなくなった。


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