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戒告の盾  作者: ヨシ
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歓喜の帰還

ケガ人全員の治療が全て完了した。完了したことが分かると十一階にいる皆全員はケガ人を救急車に乗せるように一階まで非常階段でゆっくり降りていった。一階に着いてようやく外に出るとパトカーのサイレンだったり救急車のサイレンだったり、そして報道陣の慌ただしい声が響き渡っていたりと物騒になっている。おまけに上からのヘリコプターの音が響いていて、今回の爆破事件はどれだけ悲惨だったのかを物語っているかのようだった。

外に出て自分たちがさっきいた階の方に上を見上げて見ると、上空までもくもくとたちこめていた黒煙がうっすらと消えていて、変わりに自分たちが消火していたおかげで二階から六階と十二階から十六階までの階は白い煙でたちこめていて完全に消火できている証拠が確認できていた。

しかし、この高層ビルの中に死者が出てしまったのも事実であり、その事は報道にもすぐに情報が入っていた。

「速報です!」とビルの前にカメラの前でマイクを持っていた女性記者やその他のチャンネルのテレビ関係者の記者達はは一階にたどり着いた皆全員を見てカメラに向かって情報を伝達した。

「今あれはケガ人と中に入って救出していた大学の学生達でしょうか?中から次々と外へ出てきました!あれは盾か何かでしょうか?おそらくイナズマ団の退治に使っていた道具を持って入っていたんだと思われます。皆さん無事なんでしょうか?あの大学生は先ほど聞いたところ道保堂大学の学生の皆さんだという情報が入ってきました。あの盾を見ますとおそらくヴィジョン勇一教授が開発したものと思われます。またイナズマ団退治に一歩踏み出せたということでしょうか?詳細はまた後日にお話を伺いたいと思います」たくさんの記者達の声はヴィジョン教授の弟子達にも聞こえていた。東京を始めとし全国各地の報道陣達は冷静になりながら道保堂大学の学生特にヴィジョン教授の弟子達がカメラに映って全国に知れ渡ってしまっているのは自分たちにしてみれば恥ずかしいのと今後の不安も出てきた。ただ中には「すごい!テレビに映ってる!」と初めての経験に凄く感動しているメンバーもいてピースサインして自分も有名になろうかなあとふざけている人もいた。その中で坂本も調子に乗って報道陣に向かってピースサインしていた。

ふざけている人達を見つけた桐原は慌てて「こら!何ふざけてんのよ!」とキレてふざけている皆の頭にげんこつを打った。

「遊びに来たんじゃないんだからね!カメラに映ってるからって何調子に乗ってんのよ!」

「すみません、だってあんだけの報道陣がいるから余計に感動しちゃうんですもん…」

「あんた達、後で反省会でも開きましょうか?」

「いや、それはさすがにちょっと…。でもイナズマ団幹部の一人を倒したんですよ。そこは喜ぶべきでしょう?」

「ふん、言い訳にも程があるわよ」桐原はまだカンカンに怒っていた。

「お前達と一緒にいるのはここまでかな。お前達はバスで来たんだろ?」伏竜は聞いた。

「えっ?何で分かったんですか?」準司は聞いた。

「何故って、そりゃ聞かなくても分かるだろ?皆全員で来たということは移動手段はバスしかないだろ?それ以外にどうここまでヴィジョン先生の道具を担いでここまで来れる?」準司の天然な質問に意外なことを言うんだなとこけそうな気持ちで伏竜は逆に聞いた。

「あっ、そういえばそうですよね。伏竜さんはどうやってここまで来たんですか?」準司は次の質問をした。

「バイクで来たな。会社で勤務中だったが、部長に事情を言って駆けつけに来たが」伏竜は簡潔に返した。

「あっ…そうなんですね…」準司は自分でも気づいたが何で小学生みたいな質問をするんだろうと恥ずかしくなった。

「まあとりあえず会社に帰る。この救出のことはヴィジョン先生にもラインで伝えておく。では皆もどこかでまた会おう。体は暫く治しておいた方がいい」伏竜はそう皆に言ってすぐに小走りで元の駐輪しているバイクのところまで移動していった。

皆が見送った後、ケガを負ったメンバー達を見守りながらバスのところまで移動しようとした時、桐原はライン電話するのを忘れていたことに気づいた。

「あっ、辰先生に報告しなきゃ。向こうの文京区はみんなどうしてるんだろう?」辰准教授のスマホへライン電話を入れた。多少時間がかかったが、ようやく繋がった。

「もしもし、辰先生?」

『もしもし、桐原君か?どうした?何か問題でもおきたのか?』辰准教授は必死に大丈夫か焦っていた。桐原はスピーカーをオンにした。

「先生、落ち着いてください。私達無事に終わりました。イナズマ団幹部の一人とその集団全員を捕まえました!辰先生の方にもニュースが出てないですか?目の前に報道陣達が今中継でやってますよ」桐原が詳しく言うと辰准教授はネットを開いた。

『ちょっと待ってくれよ。今調べてるから』辰准教授が調べている間、桐原の周りに上木や他の三回生から一回生の準司や将吾に葵も集まって聞いていた。

『おお、お前らやったのか?よくやってくれたじゃないか!自分たちの大学の名前も出てる。…そうか、イナズマ団幹部の十五番目の男を捕まえたか。よくやったじゃないか…つまり、あの男と出会えたか?』辰准教授は聞いた。

「誰がです?」桐原も聞き返した。

『盾の頭の一人、水盾の頭だよ』

「ああ、はい。おかげで私達伏竜さんに救われました。危うくイナズマ団に殺されそうだったんですが、伏竜さんがようやく現れて一人であの男を倒しました。ただ工藤部長とメンバー達がケガを負いましたが、それ以外私達は無傷で済みました!」桐原はあまりの嬉しさに感動していた。

『おお、名前も教えてくれたのか?水盾の頭である伏竜君は今はどこにいるんだ?』辰准教授は丁寧に名前も交えて翻訳した。

「もうバイクで会社に帰りました。何か少し急いでたような感じでしたけど」

『そうか。伏竜君がほとんど一人でイナズマ団を倒したんだな?それはそれで良かったと思う。あの人も元ヴィジョン先生の弟子だったからな。…こっちのことだが、こっちも盾の頭の一人なんだが、花盾の頭という女子が来てくれて、この人のおかげでほとんど一人でイナズマ団を倒したんだ。ここにもイナズマ団の幹部の一人である十四番目の男を倒したんだ。あの花盾の頭さんが来てくれなかったら危うくイナズマ団に殺されそうだったかもしれないな…』

「えっ?ちょっと待ってください。十四番目のイナズマ団幹部を倒したんですか?てことは私達の活躍で二人を捕まえたということですか!?」辰准教授の以外な話を聞いて桐原は慌ててびっくりした。

『そうなんだ。だから、奇跡的に僕達二人同時に捕まえることに成功したってことかな?今まで捕まえることさえ難しかったこのイナズマ団捕獲作戦がついにかなったってことだな。これで警察の人達も報道関係者達も皆一斉に僕らの大学に押し寄せてくる上、一気に有名になってしまうかもしれないな。そこは大変になるだろうな』辰准教授から意外な話を聞いて桐原だけでなく周りの皆も騒がしくなった。なんだって!?イナズマ団幹部の二人を捕まえたって!?めっちゃ奇跡なことじゃん!と喜んでいたり、驚嘆していたり皆興奮している。

『まあ君らも本当によく頑張った。ケガした人達は病院に行ったのか?』辰准教授は確かめた。

「はい、工藤部長やメンバーの半分は救急車に運ばれまして、それ以外のメンバーは今私達とここにいます。これから大学のバスに乗ってヴィジョン先生の研究室に帰ります。工藤部長がいない代わりに私がリーダー役で皆を引っ張ります」

『そうか、じゃあ気をつけてヴィジョン先生の研究室に帰ってこい。そこで僕達とまた会おう。こっちも事件解決したし大学バスに乗って大学に戻るから。じゃあまた後で会おう』辰准教授はそう言い終わると桐原も返事して「はい、分かりました。じゃあ切りますね」と言ってライン電話を切った。

「そうだったのね。十四番目のイナズマ団を向こうのメンバーは捕まえたのね。一歩どころか二歩も前に進めることができたということか…」桐原は関心している上ヴィジョン先生の開発した道具の凄さに前向きになってきた。

「桐原さん、もう事は済みましたしバスに乗って帰りましょう。向こうの皆さんも事が済みましたから」二回生の女子はそう言うと桐原は頭のスイッチを切り替えて「そうね、そうしましょう。ただ報道陣達から距離を取って戻りましょう…」

「ちぇっ、イナズマ団のあのボスを捕まえようと俺も準備してたのになあ。俺が捕まえていれば功績も称えられたのによ…」

「あんたもイナズマ団に捕まったくせに何言ってんのよ!調子に乗ってばかりだけじゃ捕まえられないのは当然よ」坂本がこだわっていた目標が実現できなくて悔しがっていると葵はすぐにビシッと言い終わらせた。

桐原メンバー達と上木メンバー達はバスに戻ろうと盾を取り付けたまま横断歩道を渡ろうとしたら、横から報道の記者達が駆けつけに来た。

「貴方方が道保堂大学の学生さんですよね?今回の事件について意見をお聞かせください!」記者達は詰め寄ってきてヴィジョン教授の弟子達は慌ててびっくりしてバスの方に逃げて行った。


イナズマ団幹部二人を捕まえたというニュースを見ていたイナズマ団は冷静にボスの機嫌に損なわないように黙って見ていた。

だが、捕まえられたことに皆怒りが沸き上がっていた。特に一番怒りの沸点に達していたのは、ボスの神威瞭という人間だ。怒りが抑えられないボスはそばにいた手下に声をかけた。

「赤田」

「はい、神威様」

「…あの十一番から十三番の手下を呼んでこい。裁きを受けさせてやる」

「承知しました!」

赤田という側近中の側近はボスの部屋のドアを開けて急いで走って行った。


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