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戒告の盾  作者: ヨシ
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水盾頭 伏竜寛燿

慢心になっていた禳ボスがこの男を見ただけで急に気が小さくなってきた。あの何もびくともしないずっしりとした姿が辰准教授が言っていた盾の頭なのか?今この禳ボスが「盾の頭か?」と聞いたことからこの男の人が水の頭で間違いない。やっと助けに来てくれたんだ。

「おい、お前がイナズマ団ボスの手下か?どうした?何そんなビクビクしてんだよ。ボスに認められた実力者なんだろ?…それにしてもよくも俺達の仲間をいじめてくれたな。その恐ろしい武器、どうやって手に入れた?詐欺でもして警察にバレないように隠れて金を仕立てまくったんだろ?悪い奴らだぜ。仕事がなくなったから反社会勢力に手を着けたのか?このチビ野郎めが」この高身長の男は強気の口の悪さでイナズマ団の禳ボスを威嚇した。

「いや、そうじゃねえ。俺はただボスから命令されただけなんだ。この命令に従わなければ俺も殺される目に逢うんだ。だから俺は上を目指すしかなかったんだよ。分かってくれよ。そうするしかなかったんだよ」禳ボスのこの発言に高身長の男はキレ出した。こいつ、後のことを放っておいて一人で逃げようとしてる。そして逃げた先はイナズマ団のアジトに帰るつもりだ。

「そうか、じゃあ俺と戦おうじゃねえか。今の話は逃げようとしたい言い訳だと分かった。そんなことをする前に後でどんな怖いことが待っているか、思い知らせてやろうじゃないか」高身長の男は直ぐ様盾を目の前に大きくしてそして技を発動した。

「水の舞、滝の渦潮!」すると盾の中から水がどんどん出てきて、やがて滝のような大量の水が溢れだしてきてその滝のような水が渦になってだんだんと拡張してきた。

「おい、てめえら、たぶんこの水でずぶ濡れになるだろうから盾で防ぐなりして工夫してくれ!」水しぶきがさらに大きく出てきた。あまりの勢いで皆も倒れそうだったが禳ボスはさらに顔が真っ青になった。ただ気がしっかりしてきたのでアサルトライフル銃で乱射しまくったが水の渦潮の勢いで玉が命中せず空振りしているみたいに、高身長の男に全く当たらず何も傷がつくことなく何事もおきなかった。

…こいつ、一体何をしたんだ?あの水の渦潮はどういうわけで攻撃を蹴散らしているんだ?何もあいつに当たってないじゃないか。まずい、このままでは負けてしまう。せっかくのボスから褒美を頂けるというのにここで負けるわけにはいかない。禳ボスはアサルトライフル銃を捨てて小型銃に取り替えて撃とうとした瞬間、いつの間にか高身長の男は禳ボスの目の前にいた。水の盾で禳ボスの頭にぶつけた。そして高身長の男は遠い所に着地した。

禳ボスは気絶して床に倒れた。

これを見ていたイナズマ団の配下全員はアサルトライフル銃を持ったまま焦って別の部屋に逃げようとした時、高身長の男は逃がさず素早く失神銃で逃げるイナズマ団全員を撃った。イナズマ団全員は気絶して床に倒れた。

ふぅーっと安堵した息を出して盾を小さくして元に戻した。

上木達チームと桐原達チーム皆、その場で立ちながら固まったまま高身長の男にじーっと見ていた。あまりの凄さと強さに圧倒されて暫く感動と衝撃で立ちつくしかなかった。

「…ん?いやお前らそんな目で俺に見られても…。イナズマ団はこれで全員だろ?お前ら、他の全員を助けてやれよ。それもお前らの仕事だろ?何ぼーっとしてんだよ?それとこのイナズマ団のボスの子分と手下のこの気絶してる連中に手枷足枷を使って固定していきな」高身長の男に言われた通りに皆全員、工藤部長達や捕まえられた警察達、会社員達全員の縄をほどこうとしたが、切る道具がないため桐原がその高身長の男に聞いた。

「あのー、すみません。カッターでも何でもいいですので…切る道具貸していただけません…か?」桐原が恐る恐る高身長の男に聞くと、高身長の男はすぐにカバンの中からカッターナイフを取り出し無言で桐原に渡していった。

「…ありがとうございます…」桐原はなぜか高身長の男の人が怖いのか低調に言葉を返した。

「おい、もう一個渡すから向こうの警察のいる人達にも渡してあげてくれ」高身長の男はすぐに桐原に言ってもう一個のカッターナイフを渡した。桐原は後になってこの高身長の男が話し出したためびっくりしてビクッとして心臓が跳び跳ねそうになった。

「あっ、はい…ありがとう…ございます…」桐原が上木に渡しに行っている間残りのメンバーは会社員の人達の口に貼ってあるガムテープを一人一人慎重に外し「大丈夫ですか?」と声かけをしていった。会社員達は「ありがとう。助かった」と感謝を伝えてくれた。

一方で上木達チームは警察の人達の口に貼ってあるガムテープを一人一人外していき「大丈夫ですか?」と声かけをしていき警察の人達も「ありがとう」と感謝を伝えた。

そして、皆の縄をカッターナイフで切っていきようやくイナズマ団から解放されることができた。

「工藤さん!聞こえるか?」上木は一番工藤を心配していて、大丈夫か声をかけた。

「…あれ?…上木君?」工藤は目を覚ました。皆全員工藤の無事にほっとした。

「良かったあ、イナズマ団に負けて何かされたってあのイナズマ団の奴に聞かされて、本当心配したよ」上木はそう言って無事であることに安堵した。

「そうなの?ごめんね、私の…せいで…イナズマ団の…ボスに…捕まえられて…」

「いや、あの時はそうするしかなかったんだよ。部長は全体を見渡さないといけないって工藤部長も言ってただろ?」上木は工藤とやり取りしていた過去を思い出した。

「それより…上木君も…三階で…助けに…行ってたでしょ?…大丈夫…だった?」工藤は大事なことをイナズマ団にやられた傷にうずきながら必死に上木に聞いた。

「大丈夫だったさ。ただ怪我人は多く出ただけで死者は出なかった。けどな…」

「けど…何?」

「桐原さんの方が可哀想だったな」

工藤は桐原に目を向けた。

「結衣ちゃん…何があったの?大事なことだから…今ここで…言ってくれる?」工藤は覚悟して桐原に聞いた。桐原も勇気出して言った。

「二階から六階まで消火活動と救助活動をしていたんだけど、六階の方が火災が酷くて助けることが…できなくて…」桐原の話でそれ以上工藤も何も聞けなかった。何がおきたのかだいたい想像がついた。

「結衣ちゃん…何も…あなたは…悪くないよ。何も…責めること…しないから」工藤は桐原を庇った。桐原は何も悪くない。悪いのはイナズマ団だということを上木と同じ意見だった。

「おい!おめえら!上の階どうなってんだ?まだ火災の消火できてないんじゃないのか!?」背の高い男にそう言われると皆全員そういえばとやっと気づいた。まずい、早く消火活動しないと。まだ終わってなかったんだ。

「ここにいる皆誰でもいい。イナズマ団の退治ができたから消防隊と救急隊、それに警察の数も増やして呼んでくれ!」

「私がやります!」桐原は高身長の男に手をあげて自分から進んだ。

「さっきの君か、ここにいる皆と協力して救助要請とこれらイナズマ団全員を捕まえるようにすぐに言ってくれ」

「はい、分かりました!…」

「盾の頭さん。確保なら私に任せてください。我々警察なんで」『police』と書かれた盾を持った警察は、工藤部長のチームと一緒にイナズマ団と戦っていたが、この警察全員も禳ボスに負けて捕まえられていた。イナズマ団を捕まえられるようにするのが警察の仕事なのに、なんで警察が捕まえられてんだ?と高身長の男は疑問と怒りが混じったような気持ちで捕まえられていた警察にじっと睨み付けていた。

「あんたら、イナズマ団に捕まったんだろ?次はちゃんとしてくれるのか?」高身長の男はキレそうだった。

「はい、確かに捕まえられたのは私達の反省をいかさないといけないと思っています。大変申し訳なく思っています」

「いや、俺に謝られてもなあ。失神銃で撃ったから早く捕まえてくれよ」高身長はあえてため口で言った。

「はい、皆!急いで手枷を!」

「はい!」警察全員はイナズマ団全員の両手に手錠をかけていった。


上木は素早く桐原にここの人達の救助に集中してくれ!と言って背の高い男に合流しに行った。

「あの、消火活動僕も手伝いに行きます。一緒に行きませんか?」上木が言うと背の高い男は即答した。

「おう、俺も行くところだ。皆まだいける人達を呼んでくれ」

すると上木は「分かりました」と言って皆全員に聞いた。

「皆さん、この盾の頭さんと一緒に上の階の火災の消火に行きます!まだいける人ここに集まってください!」この呼び掛けに準司達も助けにいこうと動いた。

「俺は行くよ。ただみんなはどうする?この階の人達の救助を優先にしたいか、このまま消火活動に行くか…」

「俺も一緒に行くよ。消火を手伝う。葵は?」将吾はすぐに葵に聞いた。

「私も消火活動に行きたいけど、この階の人達の救助を先に行いたいから救助が全部済んだらそっちに加わることにする」怪我人もいるというのに無視して上の階の消火活動に行くのは葵にとってできなかった。

「分かった。確かに分かるよ。じゃあみんなの救助ができればこっちに合流してこいよ。たぶん上の階にイナズマ団がいるわけないと思うし」準司が言うと葵は「分かった」と返事して「行こう」と将吾に言って二人で葵に「じゃあな、また後で」と手で合図して上木の方に小走りで向かった。葵も手を振り返した。


上木のメンバーの半分と、桐原のメンバーの半分が上の階の消火活動に集合した。ここからの消火活動の指揮権は上木にすぐ決まった。

「よし、盾の頭さんと一緒に今から消火活動に行きます。ただ火傷にならないだけは気をつけてください。じゃあ行きます!」十二階に行くために非常階段ではなく十一階のフロアから階段が続いているのが分かる。皆また消火器とゴーグルを取り出し、失神銃とファインドグラスを再び白いカバンの袋に入れた。

階段を登って十二階に着くと目の前にいきなり炎が出てきた。直ぐ様皆、消火器を持ったままスイッチをオンにして炎に向かって消していった。ただ二階からの消火をしていったのもあってほとんどの人が底につきそうだった。この中で消火器がまだ満タンに近いのはこの水の頭ただ一人だけだった。だからほとんどここからは水の頭が消火活動をしなければならない。

「消防隊を待っていては時間が持たない。消火器ほとんど使ったんだろ?底になったら俺のところに来い。やっと着いたばかりだからいくらでも消火活動できる。酸素マスクだけはつけておけ、いいな?」高身長の男がそう言うと皆は「はい!」と大きく返事した。

「もう外から見た十二階から十六階まではもう全焼してるだろう、それでも消火と救出をはかる。行こう」高身長の男の次に上木が十二階に登っていき続いて三回生から準司と将吾までほとんどの男子が登っていき、消火器を片手に持っていった。


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