消火活動の開始
爆発事件がおきた高層ビルの近くや周りは一般の人や会社関係の人たち、通りすがりの人たち、それに各報道関係の人やその記者たちがカメラの前に向かってマイクを持って説明している様子が見えていた。
坂本が独走して警察が引いた「KEEP OUT」と書かれた規制線を無視して入り込み信号機が偶然青だったのでそのまま突っ走って現場に着くと三回生をはじめ皆も慌てて坂本に大声で呼びかけた。
「おーい、坂本君!勝手に入っちゃだめだ。警察に詳しく話をしないと入れないんだよ!」
「うるせえ!こんな時にグズグズしている場合かよ!」坂本は容赦なくため口で大声で言い返した。かなり自信過剰だ。その時黒い色で警察のシンボルマークの入った青い服を着た警察達も慌てて坂本に問い詰めた。
「おい!君ここで何してる?一般の人はここに入ってはいけない!すぐ戻りなさい!」
「俺は道保堂大学の学生だ。ヴィジョン先生からの指示でここに用があって来たんだよ。全員の救出とイナズマ団の捕獲の仕事でな」坂本は詳しく説明したつもりだったが警察達は互いに顔を見合わせた。
「…ヴィジョン先生?それに道保堂大学の学生?…君まさか」
「ああ、あの有名なヴィジョン先生の弟子だ。ヴィジョン先生からも警察と連携して救出と捕獲をやってこいと指示されてね、それでここに来たつもりなんだけど。…何か文句あんのか?」探しては早く中に入ってイナズマ団を捕まえたいため警察に止められるのがイライラしてきた。
後ろにいた三回生二回生や準司達一回生も規制線をまたいで坂本のところまで駆けつけた。急に大学生達が規制線をまたいで小走りで出てきたので、報道関係者や記者が途中で止まって振り向いて戸惑っていた。
「すみません、僕たち道保堂大学の盾の研究所から来た者なんです。ヴィジョン教授から警察と連携して救出とイナズマ団捕獲の二つをやってくることと任務を任されまして、どうか皆の救出のために僕たちも協力させてください。お願いします!」三回生で岩の使い手の上木が深くお辞儀をした。続いて周りの三回生も深くお辞儀をした。
「君たち、訓練でもしてきたとでも言うのか?それに全員その格好は何だ?そのヴィジョン教授という人に任務を任されてきた?…救助とイナズマ団の捕獲なら我々警察がやってるから君たちは関係ない。だから、ここは危険だから規制線の中に入っておきなさい…」
「警察の皆さん!」また後ろから女性の声が聞こえた。工藤部長だ。規制線をまたいで加勢してきた。
「道保堂大学のヴィジョン教授の研究員をやっています、工藤薫と申します。イナズマ団の捕獲は警察だけでは捕まえられない場合があります。そのためにヴィジョン教授が開発した盾を使って捕まえる作戦に私たちも挑んでいるんです。これ以上の被害を出さないためにも…」
「君たちはふざけて遊びにでも来たのか!?この危険なことがおきたというのによくもバカなまねを…」
「私たちが遊びに来たというなら最初からここに来てません。それにヴィジョン教授も警察とやり取りをさせてもらっています!ですから警察と協力しあってイナズマ団捕獲の任務をさせて下さい。お願いします!中にはまだ残された人がいるんですよね?でしたら協力させてください。お願いします!」工藤部長も深々と頭を下げた。
すると一人の盾と防具を取り付けてる警備課所属の警察は連絡するための機械を使って上司と連絡をとり始めた。三回生全員が頭を再び下げている所を一番後ろにいた準司達三人とその前にいた二回生全員はただその場で立ち尽くしたままになっていた。
「工藤さんでしたね?分かりました。警備課の警察四十人体制で皆さんと一緒に今から乗り込みます。但し、相手もどう動くか分かりませんよ。まだイナズマ団一人も捕まえられていないですし、不審物を持ってる可能性も十分にあります。命を守ることを第一に心がけてください。あなた方が開発した盾を始め防具を取り付けてるなら私たちも中に入れます。上司に聞いたところヴィジョン教授のことは知ってると。防具を身につけてるなら救助に協力を許してあげろと許可を得ましたので、今から取り残されてる人達を助けに行きましょう」
「あっ、ありがとうございます!」工藤部長は再び直ぐ様頭を深く下げてお辞儀をした。
「今警備課四十人来ましたので一緒に行きましょうか」警察のリーダーが右手で警察四十人に向かって皆に教えてあげた。三回生から一回生全員の恰好と同じ防具と四角い形のした大きな盾を装備している。
「四十人全員揃いました、いつでも準備できてます!」四十人の警察の一人がリーダーに報告した。
「よし、ご苦労!皆全員、この学生さん達と一緒に中に入る。連携して救助とイナズマ団捕獲を始めるぞ!」
「はい!」何のズレもなくビシッと声を揃えた。四十人揃ってしっかりと決めている。
「皆、盾を前に持って中に入ります。酸素マスクをしっかり取り付けて、ゴーグルもヘルメットも取り付けて。火災に出くわした時消火器を使って、じゃあ中に入ります。私に着いてきて!」工藤部長は宜しくお願いしますと頭を下げてから警察のリーダーが案内すると工藤部長を先頭に三回生二回生一回生全員、盾を大きくしてビルの中に入って行った。
その様子を報道関係者はカメラで追い複数の記者たちはマイクを持ち直してテレビカメラの前で話していた。
一階に入るとまだ煙が出ていないが、非常階段のドアの向こうから白い煙が出ているのが分かる。上の階に行くためにこの非常階段を登るしかない。
「じゃあここから慎重になって階段を登ります。途中からどうなるか分かりませんので覚悟を深めて前へ進んでください。ではドアを開けます」警察のリーダーが非常階段の取手をつかまえて前へと押した。上の階は火災で熱が一階にまで届いているのかと不安になってはいたが熱は全くなかったので触れることができた。
「おそらく二階から上の階は火災で動きが取れなくなっているかもしれないので中に立て籠っている人が閉じ込められている可能性は十分にあるかもしれません。ですのでここからどう動くかは私の言う通りに動いてください。では上の階に登りますので上に登る時は十分注意して進んでください。後もう一つ、消防所の方たちも先に上に登って消火活動をしています。この後にも消防隊と救急隊の方が来ますのでまた私の方から指示を出しますのでそのつもりでいてください、では登ります!」警察のリーダーは皆にそう注意喚起を大声で伝えるとようやく非常階段を登り始めた。工藤部長をはじめに皆全員は盾を前にして酸素マスクとゴーグルとヘルメットをしっかりと取り付けたかを確認してから警察の人に続いて階段を登り始めた。
二階にたどり着いた。ようやくたどり着いてから熱気が漂っているのが分かる。三階から上の階がおそらく火災の被害が大きいエリアだと考えられる。
「二階から行きましょう。取り残されている人がいるか確認していきましょう」警察のリーダーが取手を掴んだ。少し熱いのが分かる。そしてドアを押した。すると、
「時間も考慮して動きます。警察四十人の全員、ここの階を十人が捜索せよ。十人はこの階全部の部屋を捜索して取り残されている人を探し出すことだ。もし誰もいないと確認できたら私たちのいるところに合流しにくることだ。いいな?」四十人全員がはいと軽く返事すると十人は誰が行くかを決められたらリーダーに「この十人で捜索を始めます」と伝えた。
「では後にまた合流しよう。無事に帰ってくることを祈る」リーダーは「はい!」と言ってすぐに二階に入っていった。
「では残った皆は三階に行きます。学生さん達も着いてきてください」リーダーが言うと、工藤部長だけが「はい!」と大きく返事をした。そして三階に全員が登って行った。
三階にたどり着いた瞬間、熱気がすごくなっていた。だいぶ熱い。やはり三階から上が火災がひどくなっている。早く救助をしなければ、皆はそう思っていた。
「すごい熱いですね、まさか」工藤もここから酷い状況になっていると確信した。
「ちょっと待ってください」警察のリーダーが分厚い布を持ちながら三階の非常階段の取手を掴んで押した。するともうすぐそばまで火が迫っていた。
「ここからが火の勢いが酷い状況です。消火器を持っているんですよね?消火器使えますか?」警察のリーダーが工藤部長に聞くと「はい」と返事して白い袋の中からヴィジョン教授が開発した持ち運びができる消火器を取り出した。
「皆全員もここから消火器を出して下さい!」そう指示されると皆全員もすぐに消火器を取り出した。
「じゃあ行きます」工藤部長が消火器のスイッチをオンにして火に向かって消火し始めた。すると一気にその消火したところに火が消えた。
「よし、さすがは君たちヴィジョン教授の研究員たちだな。じゃあその調子で火を消していきましょう」
「わかりました!皆も消火手伝って」三回生の数人が先に消火器で燃えている炎に向かって消火を始めた。そんなに時間がかかることなく火はだんだんと弱まっていった。
「ではこの調子で上の階に行きます、そこも酷い状況だと思いますから救助を急ぎます。警察三十人のうち、十人ここの三階を捜索して残されている人達の捜索を行ってください」
「はい」警察十人が残るのは誰なのかがすぐに決まった。
「警察の方に、私もここに残って消火をしながら救助を手伝わせてください。残りの私の部員十人をここに私と一緒に残らせて、残った部員は上の階へ移動させます。もちろん消火器を使って消火しながら救助をはかります」工藤部長は必死に説明した。
「待って、部長。ここに残ったら上の階に行くのに残りの三回生から一回生が消火活動をする必要が。部長がいなかったら残りの部員たちが大変だ」三回生で岩の使い手の上木が焦った。
「大丈夫!あんたは何のための部員なの?あんたがしっかりしないと救助ができないわよ」
「わかってる。でも三回生以下の人にこの上の階を任せたりなんかできない。工藤部長が上の階に行って俺がこの三階に任せるというのはどうだ?そうすれば皆を指揮できるのでは?」上木の意見に工藤は止まった。工藤は確かにそれも賛成だと思う一方、ここを上木君に任せられるか心配だという気持ちと複雑になってきた。炎の勢いがまた押し寄せてきた。…工藤は覚悟を決めた。
「上木君、本当に任せていいんだよね?あんたが指揮を取っていいんだよね?」工藤は自信がなかったが、上木に確かめた。
「大丈夫。何のために僕らがいると思ってんだ?工藤部長は全員を指揮してまだ残されている上の階の人達を助けに行った方がいい。俺と残りの後輩達にここは任せてくれ。大丈夫、消火して全員の救出をはかるから。それでいいだろ?」上木は工藤の肩に手を置いた。自分を信じてくれと強く工藤に伝えたかった。
「…分かった。あんたに任せる。ここの階を皆で手分けして消火して救出と捕獲を頼むね。でも無茶は禁物よ、ダメだと判断したら、私に加勢しにくること。いいね?」工藤がそう言うと上木は深くうんと頷いた。
「ここの階を上木君がリーダーになってくれるから二回生一回生合わせて十人は残って消火活動を頼みます。すぐに十人は残って、とりあえず急いで!」工藤がそう言うとじゃあ俺が行きます!とか私も行きます!と声が飛び交ってすぐに十人が三階の担当が決まった。
準司達四人は工藤と一緒にさらに上の階に行くことを決めた。
「じゃああなた達も上木君とはぐれないように気をつけて行動してね。…上木君、後は頼みます」上木に工藤はそう言うと直ぐ様「残りの皆さんは私と一緒に上に着いてきて!」と言い、残りの警察とも一緒に上の階に急いで向かった。
上木は工藤達が上に行ったことを見送ると「さあすぐに消火するぞ!」と皆に言い放ち消火器を持って炎に向かって鎮火を急いだ。




