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戒告の盾  作者: ヨシ
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対イナズマ団捕獲作戦会議

二時限目の授業が終わった。急いで三人はカバンにしまいこみ大学内にあるコンビニに向かって走った。人命救助とイナズマ団確保のために急がなければならないと準司は熱くなり気合いが入っている。

コンビニに着いた時ほとんどの学生がすごく混んでいて急いで買っている。あっ、ヴィジョン教授の弟子たち二回生三回生達だろう、二限目の授業が終わって準司達と同じく急いで買いに来たのだろう。

「えっ、こんなに混んでるの?ていうかみんなヴィジョン先生の部室の先輩達じゃん」葵は見覚えのある先輩達を見て気づいた。

「お茶とおにぎりでもいい。とりあえず早く取られないうちに」準司は梅干しと豆の入ったおにぎりの二つと一本のお茶をすぐ手にしレジに並んだ。端から端まで列ができている。準司が一番後ろに並んだ時葵もすぐ準司の後ろに並んだ。

「準司、これほとんどみんなヴィジョン先生の学生達じゃない?品数足りる?」葵は聞いた。

「どうだろうね?みんなの分も足りたらいいんだけどね、俺はお茶とおにぎりで十分さ」準司もみんな大丈夫か気にかけたくなった。

「俺さ、こんなに買っちゃった。このデザートここ来たら一度は食べたかったんだよな」将吾は今コンビニで新発売の球型の形のした数種類のドーナツを全部買うつもりにしていた。レジに並ぶとき葵のすぐ後ろに並んだ。

「将吾、こんな大変な時にドーナツ買ってる場合じゃないでしょう。何考えてんのよ」葵は多少怒りたくなった。

「いやあ、ごめんごめん。売り切れた時に買えなくなったらショック受けるかと思って…」将吾は腹がすごく鳴った。レジまであともう少し近づいてきた時準司に誰かが声をかけてきた。

「おお、三田原君じゃん。レジ待ちか?」大田原先輩だ。後ろに須田先輩と桐林先輩も来ていた。

「あっ、大田原先輩、もう買ったんですか?」準司は聞いた。

「おう、ヴィジョン先生からライン入った時すでにここを通ったから三人で買うことにしたさ。イナズマ団が爆弾しかけたんだってな」大田原はコンビニで買った食品が入ったレジ袋を準司に見せた。

「買うのが速いですね。じゃあ後はもう研究室にですか?」準司は聞いた。

「うん、そうだな。もう三人買い終わったしヴィジョン先生のところにいくだけだな。先に行っておくぜ」

「分かりました。じゃあまた研究室で」

「うん、分かった。後で来いよ」大田原達三人はすぐに研究室に向かって速く歩いて行った。


およそ五分経ってからようやくレジにたどり着き商品を買い、準司達三人が買い物を済ませると急いでヴィジョン教授の研究室へ急行した。他のヴィジョン教授の二回生三回生達も急いで研究室に走っているのが分かる。


また五分かけてようやくヴィジョン教授の研究室にたどり着いた。部会に使う机椅子のところにほとんどの二回生三回生達が着席をしてコンビニで買った食品を食べていた。さっき会った大田原先輩達ももうすでに着席をして須田先輩と桐林先輩と談話をしていた。準司達三人も自分の席に着きようやくコンビニで買った食品を食べ始めた。準司の隣にもうすでに坂本が席に着いていた。

「坂本、今日は早いんだな」準司は尋ねた。

「ああ、まあ二限目の授業がなかったからよ。もうすでにコンビニで買ったやつ全部平らげたぜ」坂本は珍しく準司に向きを変えて話した。

「ようやくこの時がきたって感じだな。ガチでやりやがったイナズマ団をこの俺が捕まえてやるのが俺の仕事ってわけだ。おめえらもちゃんとついていけるのかよ、どっちがあのイナズマ団を捕まえられるか勝負でもしようじゃないか」坂本はやる気に満ちたまま準司に無茶なことを言った。準司もコンビニのおにぎりを食べながら坂本に向きを向けている。

「勝負というのとはまた別の話だよ。今はみんなで力を合わせて救助をするのとイナズマ団を捕まえることが優先だからな。お前のやる気は十分こっちにも伝わっているよ」準司は余計なことをあまり言いたくないためひかえめに坂本を褒めた。

「ふん、まあお前の理屈は間違ってるわけじゃねえからな。そこは褒めなきゃな。…っていうか松田なんでお前こんな時におやつ食ってんだよ」坂本は右横を向いて将吾に聞いた。

「悪かったな。売り切れたら食べられなくなるかと思って買ったんだよ」将吾も言い返した。

「イナズマ団が事件おこしてるんだぜ。一大事な時によくそうやってのうのうとしていられるな。初めて見たぜ」坂本の声が周りに聞こえそうだったので将吾はちょっと恥ずかしくなった。

しかし、期間限定の丸いドーナツを食べたい気持ちが強かったのでそんなに気にしていなかった。

「浅倉はどっちの仕事する気だ?救助か捕獲か」坂本は久しぶりに葵に話しかけた。

「どっちってどちらもでしょ?勝負したいやる気満々のあんたの考えと何か違うんで。私だったら救助を先に優先してイナズマ団を捕まえる流れに持っていくけど」葵はおにぎりを食べるのを止めて坂本に詳しく説明した。

「まあそれも悪くない。人助けも大事だからな。文京区と江戸化区の二つの爆破事件をどうまとめるか時間と距離があるからな。ヴィジョン先生はこれをどうしろって指示するかによるよな」

そしてその時、後ろからカタンコトンと複数の人達が入ってくるのが聞こえてきた。後ろを振り向くとヴィジョン教授を始め、工藤先輩ら三回生数人が早歩きで入ってきた。

「食事中の人達はそのまま食べながら聞いてくれ。挨拶は抜きだ。そのまま座って私の話を聞いてくれ」

残りの三回生も自分の席に着くまで早歩きして素早く座った。

「ラインでも送ったようにイナズマ団が爆発事件をおこした。ニュースでも今はそれで騒いでいる。文京区と江戸川区の二つのビルに奴らは爆弾を仕掛けたのだろう。ニュースで見た映像は深刻で酷い状況だ。警察や救急隊、消防隊達何台も現場に向かっている。そこでだ、我々が行う任務は盾を使って救助に向かう者、イナズマ団の主犯格を見つけ出して捕まえる者と分かれて二つを行う。一回生から三回生までの諸君はまず二手に別れて車二台あるからそれに乗ること。一人一人ガスマスクとゴーグルを渡すからしっかりと固定するように。そしてもう一つ、防具と失神銃を用意する。イナズマ団捕獲作戦に使うための道具だ。これらを使ってイナズマ団の人数は分からないが必ず捕まえること、そしてこれらの二つの事件をおこしたボスを捕まえてくることだ。これが君たちにとって初めての任務だ。訓練に行くのと訳が違うぞ。奴らの暴挙を止め皆を救助することだ。覚悟は決まっているか?」本気でやるんだ。遊びに行くのと訳が違う。自衛隊の任務とほぼ似ている。そこまでしてこの研究室は成り立たない。覚悟の重さを初めて実感した準司はおもいっきり最後のおにぎりを飲み込み、お茶で腹の中に入れ込んだ。

事情を知った食事をしていた他の二回生三回生も最後の食べ物を飲み込んだ。葵はヴィジョン教授が説明している間にもう完食していた。将吾はそこまでの重い任務だとは知らず急いで全部速く口の中に入れ込んだ。

「もう食事は済んだか?ではまず役割分担を決める。こっからこの列までを文京区、残りのここからこの列までを江戸川区へ急行せよ。そして三回生をリーダーに救助と捕獲作戦の班を決めなさい。さあすぐに」

右と左に大きく分けてヴィジョン教授から見た左側は文京区、右側は江戸川区に決めて三回生全員が立ち上がり「こっちに集まって」と真ん中の席まで全員を誘導した。準司達は江戸川区のビルの救助と捕獲作戦の会議を開いた。

「まずは救出する側は一回生と二回生で、イナズマ団の主犯格を捕まえる側は三回生ってのはどう?」三回生の桐原佑依という水の使い手の女子大生が提案した。

「俺、イナズマ団の捕獲やりたいんだけどダメなのか?」坂本はいきなり話し出した。

「君、坂本君だよね?本気で捕まえたいってこと?」桐原は聞いた。

「俺はイナズマ団を倒すことが第一だと思ってんだからな」坂本の目はメラメラと燃えている。

「残りの三人もそうなの?」桐原が聞くと準司達は冷や汗をかいた。

「私たちは救助を優先したいですかね」葵は正直に答えた。

「一回生でも意見が分かれてるのね」

「やっぱりタイプ別に違うこともあるから意見も違うだろう?この場合どっちをやりたいかを決めた方がいいんじゃないかな?」岩の使い手の上木が提案した。

「じゃあそうしてみる?多数決で決めるよ、救助をやりたい人手を上げてください」準司達三人含め半数が手を上げた。

「じゃあ逆に捕獲をやりたい人は?」坂本含めこちらも半数が手を上げた。

「半々じゃない?」三回生の草の使い手の下田が言った。

「じゃあきれいに分かれたからこの形でいきますので。ヴィジョン先生に報告しにいくので待ってて」桐原は決まった二つの係をヴィジョン教授に報告しに行った。


「よし、二つの組達の各それぞれ役割が決まったな。グズグズしている場合じゃない。今すぐ現場まで行くぞ。ガスマスクとゴーグル、防具と失神銃の四つを辰准教授からもらってくれ。辰先生お願いします」

「分かりました。君らにこれら四つを渡すからしっかり持っていってください。必ずなくさないように」いつの間にかドアの前にいた辰准教授は隣の部屋に置いてある四つの全ての道具を一人一人渡していった。

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