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戒告の盾  作者: ヨシ
23/87

色変わりの盾

机椅子全てが左右上下に移動した後、滝島、安藤、黒川、辰准教授が真ん中まで入ってきた。そしてヴィジョン教授も真ん中まで来て一回生四人に声をかけた、

「ミスター三田原、ミス浅倉、ミスター松田、ミスター坂本、真ん中に来て待機しておきなさい。皆諸君も端っこに寄って四人を見守ってあげなさい」四人は言われた通り真ん中に立った。ここに残っている二回生、三回生も四人の盾にすごく興味津々で一体何タイプなのかがすごく気になっていた。滝島達三人は完成した盾を固い段ボールから取り出しピカピカに輝いている新しい盾を縦にして置いていった。

「坂本、お前一体何で遅れてきたんだよ?」三人が慎重に段ボールから盾を取り出している最中に準司は坂本に聞いた。

「遅れてきた訳を話して何をしようってんだ?」坂本は口調を荒くして聞き返した。

「一番盾を欲しがってたのはお前だろ?この日に届くという大事な時に遅刻するのは珍しかったからなあ。だから聞いてるだけだよ。本当に心配してたんだから」準司もそう言い返した。

「だからなんだよ?てめえに言われることはねえよ。授業のことでこのクラブに行きたくても行けなかったんだよ。理由になってるだろ?」坂本は邪魔くさく言った。

「まあ間に合っただけでも良かったさ」準司は会話を降りた。

「君が三田原君だっけ?」二回生の男性とその友人二人が準司に近づいた。

「はい、そうですが」

「実は君らの盾のことでみんなすごく気になっててさ。どうだ?俺たちも見物していいか?あっ、俺は大田原良、炎の使い手なんで。こっちは須田祐介、岩の使い手で、もう一人のこっちは桐林秀樹、鋼の使い手。宜しくな」

「…はい、宜しくお願いします。…見物したいなら是非」準司は了承した。

「もう自分でどのタイプなのか検討ついてたりしてる?」大田原は聞いた。

「そうですね、あんまり考えてないですけど炎の使い手なのかなって思ったりしてます」準司は適当に言った。

「ふーん…まあ考えているのと違ったりする場合もあるからな。気楽でいいと思うよ。俺なんか鋼かと思ってたら炎だったし、外すのは当然だったりするからな」大田原がそう言うと準司は軽くうんうんと頷いた。

「ちなみに俺もそうだったし、桐林もそうだった」須田ものりに乗った。


「はい、では準備ができたんで一回生の四人こっちへ来てくれ」黒川がそう言うと四人は盾の方に近づいた。

…ようやくこの時がきたんだ。準司はそう思った時、周りの二回生三回生もやっと来たぞとかいよいよだなとか楽しみとかの小声が聞こえてきた。

「はい、みんな静かに。それでは準備できたんで今から四人の盾を調べていきます。名前呼ばれた方はここに来てください。では一人目、ミスター坂本」坂本の名前が呼ばれた。坂本は何も考えることなく、すぐさまヴィジョン教授が指名した場所に立った。

「確か君が坂本君だな、覚えているよ。反抗期か何だか知らないがヴィジョン教授にキレていたのは覚えてるぞ、まあどうでもいいが、さあ早速だが盾を持ってみてくれ」滝島がそう言うと軍手をはめながら盾の持ち手を坂本に持たせた。

時間が経たないうちに坂本が握った盾に変化が出始めた。円型の端っこと骨組みのところに色が出てきた。

だんだんと白に近い黄色になった。

「おお、これは黄色になりましたね。つまりこれは」

「ちょっと待てよ」

ヴィジョン教授が聞いたことを滝島が虫眼鏡で色のタイプを調べた。調べて一分もかからないうちに滝島は「そうか…」と呟いた。

「坂本君、君は雷の使い手だ。あんまり雷の使い手はいないんだが、どういうわけか雷が出たな。君の性格はそれだけ珍しいんだな」

「珍しいってどういうことだよ」坂本は滝島に聞いた。

「善も悪も両方持ってるって意味だ。味方になれば味方につくことができるし悪の味方をすればそっちの味方につくことになる、まあそんな意味だ」滝島は少し呆れた気持ちになった。

「というわけでヴィジョン先生、雷だと分かりました」

「分かりました。ミスター坂本、君の使い手は雷だとわ分かった。大事に使いなさい」ヴィジョン教授はそういうと坂本は「これどうするんだよ?」と聞いた。

「一応手に持っておくといい。三人の盾が分かるまで待っておきなさい」ヴィジョン教授が説明すると坂本は元の位置に戻っていった。

「では次、ミスター松田。ここに来なさい」将吾は急に呼ばれて緊張が一気に走った。いよいよ俺の出番かと将吾は呟いた。ヴィジョン教授の横に立つと滝島はもう将吾の盾を持って準備していた。

「君が松田君だね。君もあの時のこと覚えているよ。あの訓練はさすがにきつかったか?」滝島は将吾にわざと質問した。

「そうですね、どこから玉が出てくるのか反射神経が鈍ってたみたいですね」

「そうだな、でも今後またあの訓練行うつもりだぞ。心の準備はしておかなければな」

「は、はい…」将吾は冷や汗をかいた。

「よし、じゃあ持ち手のところを持ってくれ」滝島の言われた通りに将吾は左手で持ち手を掴んだ。

すると盾の色が黄緑色になった。

「君の色は黄緑色…これはつまり」

「ええ、そうですね」滝島は確認の意味で虫眼鏡で色を確かめ、十秒経たないうちにすぐさま言った。

「松田君の色は黄緑色…つまり草の使い手だ。優しさが強くて根性が少し弱い傾向に出やすいとされる。まあ君の場合は柔軟を活かして攻撃から身を守るのが一番いい、そういうわけだ」滝島は坂本の雷の盾のがっかりよりも少し呆れていた。滝島はまたヴィジョン教授に向いた。

「そういうわけでミスター松田、君は草の使い手だと分かった。大事に使いなさい」将吾は軽くヴィジョン教授に会釈して自分の立ち位置に戻っていった。

「では次は、ミス浅倉」いよいよ自分の出番がきたと葵は興奮してきた。周りの二回生三回生も女子一人がどんな使い手なのかが興味が出てきて話している声が少し出てきた。

「君は浅倉さんだな。一回生の中で唯一の女子だが緊張はしてるか?」滝島は聞いた。

「そうですね、どのタイプになるのか気になってはいます」葵は低調に聞いた。

「訓練を受けているのを見てたが体格が少し小さくても三つの機械によく立ち向かえた。二、三回生の女子の中でもリタイアした人がいたが、君は全てやりきった。期待通りの何かすごいタイプが出てくるんじゃないか?」

滝島がそう言うと軍手をはめたまま葵に盾を渡した。

「では持ち手を掴んでくれ」葵は言う通りに持ち手を左手で掴み、滝島は盾を離した。

すると葵の持った盾はだんだんと赤色に変色した。

「おお、赤色に…つまり」

「ちょっと見せてくれ。これは間違いなさそうだ」滝島もこれはきたと期待していて、虫眼鏡で色を確かめた。

一分ぐらいはかかった。そして滝島は間違いないと呟いた。

「うん、朱色の色でもない。君の色は真っ赤の色だ。つまり、君は炎の使い手だ。芯が強く情熱溢れた熱いものがあるのだろう。これは上出来だ、他にも二回生三回生の女子に炎の使い手は何人かいるが君もその一人だ。おめでとう、これはあんたのものだ」滝島が褒め称えると周りの二回生三回生は「おおー」と歓声があがった。

「そういうわけでミス浅倉、君は炎の使い手だ。大事に使いなさい」ヴィジョン教授がそう言うと葵はありがとうございますと言って一度お辞儀をし、元の位置に戻っていった。

「最後になったな。ミスター三田原、ここに来なさい」ついに自分の出番だ。ワクワクするのと緊張しているのとが入り交じった気持ちだ。ヴィジョン教授の横に立つと滝島は準司の顔を見て何か観察をしている。

「三田原準司…君も久しぶりだな。あの技能訓練でどうだった?だいぶしんどかったか?」

「確かに最初のうちは相当体力は使いましたが、慣れた途端からしんどさは感じませんでした」準司は素直に答えた。

「そうか、それは大したもんだな。ちなみに最後だから一つ質問したい。君は何タイプだと感じる?」滝島からの意外な質問に準司は答えた。

「僕は人を助ける力があると言われたことがあります。だから…炎じゃないかと思っています」

「そうか、俺もそう思っていたが、君の額を見て広さと幅を見ていたら上の真ん中から下までの広さと髪型を見て炎の使い手に似ている。だがどうなのかは実際に手に持って確かめないとな。じゃあ三田原君、持ち手のところを手に持ってくれ」滝島は軍手をはめたまま準司に持ち手を差し出し準司は持ち手を左手で掴みとった。

盾の色が変化した。

しかし、円型の端っこと骨組みの色がだんだんと青色に変色した。

「うん?青色?ミスター滝島、つまりこれは…」

「三田原君、ちょっと見せてくれ」滝島は悔しがっているのか腹を立てているのか虫眼鏡を素早く出し色を確かめた。それでも滝島は腹立てているのが分かり怒りを抑えながら説明した。

「あんたの色、見せてもらったが赤じゃなかったようだな。逆の色でつまりこれは水の使い手じゃないか。情熱的なものが何一つなくつまりこれは冷静で心優しいのはあるがあまり魅力がない基本的なタイプしか見えないということだな。三田原君、君でまた失望させたな。最後だから俺の怒り出させてくれ」すると滝島は悔しがっているのか準司にのしかかってきてじゃれて乗っかってきた。

「ええ!?滝島さん!やめてください!」

「ええい、三田原、我慢してきたが、三人の男子揃ってダメだらけじゃないか、あまりのダメさにめちゃくちゃ我慢できないわ!」滝島は仰向けになって準司を抑えながらじゃれてきた。その様子に周りの二回生三回生全員爆笑した。

ヴィジョン教授、辰准教授、安藤、黒川がまあまあと滝島を止めたが滝島は準司とまだじゃれあっていた。

「滝島さん!やめてください!こんなことされるの恥ずかしいですよ!滝島さん、一体何歳ですか?」

「三十五」

「三十五歳だったら完全に大人じゃないですか!いい加減やめてくださーい!」準司は滝島を説得させるように言ったが、滝島は全く聞こうとしなかった。

「すまない、ミスター三田原、ミスター滝島とじゃれあっている中で話すぞ。君の使い手は水だということが分かった。大事に使いなさい」ヴィジョン教授は冷や汗かきながら準司に大きく話しかけた。

元の位置にいた葵や将吾は冷や汗をかきながら何もしてあげられずその場で苦笑していた。坂本は遠慮なく爆笑していた。


ようやく滝島の怒りがおさまるとようやく元の様子に戻った。準司は床に寝転がっていたところを葵と将吾は駆けつけにきた。

「準司…大丈夫?」葵は聞いた。

「うん…大丈夫かな」準司は返答した。

「いやぁまさか滝島さんがあんなことするの見たの初めてだなぁ。俺たち三人男子がダメだらけって言われたし、俺もやられるのかなって冷や汗かきそうだったさ」将吾も滝島にあんなことされたとしたら焦ってきた。

「いやぁまさか滝島さんにあんなことされたとはな。三田原、やっぱ面白かったぜ」坂本も準司に近づいた。

「三人揃ってダメだらけだって言われたんだから、坂本も同じ立場だろ?」準司は坂本に言った。

「いやいや、俺ら二人はあんな目にならなくて良かったからな。俺は関係ないさ」坂本は安堵して言った。

「でも水の使い手だからあんなことされるのはちょっとひどいと思うけど。他にも水の使い手いくらでもいるんだし」葵は準司を慰めた。

「はい、皆諸君。これで四人の使い手は分かった。同じ使い手だという人もいるだろう。お互い協力しあってイナズマ団を捕まえる活動に費やすぞ。それじゃあ片付けに入る。机椅子を元の位置に戻してくれ」ヴィジョン教授が皆にそう言うと全員で机椅子を元の位置に片付けていった。


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