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戒告の盾  作者: ヨシ
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三番目の訓練

三番目の列に二人が並んだ時、準司は一つ忘れてたことを将吾に聞いた。

「そういえば、坂本はどこにいるんだ?確かあの時俺が二番目に並んでた時あいつ一番目の列に並んでいる所を見たんだけどな」

「そうなの?どうだろう?まさかあいつリタイアして逃げたとかじゃないだろうな?」将吾は坂本の逃げた様子を想像した。

「おい、ちょっと待って。あそこにいる鉄針の訓練の列のところ、まさかあれ坂本じゃないか?」準司は前から三番目に並んでいるあの伊達メガネをかけた男に指を指して将吾に見せた。

「あっ、本当だ。あれ坂本だ。もうあんなところに並んでいたのか。じゃああの鉄針の訓練が最後になるのか」将吾は坂本の訓練を受けた速さにたまげていた。

「あいつあんな体力あったっけな?まああの性格じゅあさっさと終わらせたかったのもあったんだろうな」将吾は言った。

「それにイナズマ団と戦いたい意欲が人一倍あるから気合いが十分あるんだろうな。まああいつならどんな修業でも受け入れるだろうな」準司は言った。


ようやく準司達の番が回ってきた。坂本は三つの訓練全てをクリアして「よっしゃあ!やり終えたぞ!」と両手でガッツポーズをとって達成感を満たしていた。他の三回生、二回生の半分の人数ぐらいだろうか三つの訓練全てを受け終わった後、後ろの方で立ちながら待機していた。残りの半分の人達は両手を膝に乗せてハアハアと言いながら残りの訓練に行くまで体力を回復するまでその場で待機していた。

「準司、俺先行っていいか?」将吾は聞いた。

「いいよ。いよいよ特訓始まるな」準司は言った。

「うん、じゃあ俺行ってくる」

「ああ、気をつけてな」


将吾が滝島に挨拶して説明を聞かされると滝島は冷静に訓練を始めた。将吾は盾を持って自信のない顔が真っ青になりながら周りを一周見渡した。そして訓練が始まった。あの表情一体どうしたんだろうと準司は心配したが、たぶん玉がどこから飛んでくるのかが分からなくて戸惑っているのだろう。まああれは多少緊張するのは分からなくもない。将吾のすぐ近くの大きい筒の中からテニスボールが飛んできた。将吾はすぐに気付き盾で素早く防げた。すると滝島は「集中してさあ集中」という大声が聞こえた。滝島の言う通りテニスボールはすぐさま次から次へと飛んできた。必死に将吾は盾で防いだが足に当たったところがあるがもう一つのボールをギリギリ盾で防ぐことができた。

「前ばかり見てる場合じゃないぞ。後ろに上もよく見ろよ」と滝島が厳しく大声で言っているのが聞こえる。将吾は「はい!」と言う直後に後ろからボールが素早く飛んできた。あまりの速さに将吾は防ごうとしたが間に合わなかった。素早いボールに将吾は腹におもいっきりぶつかった。

「ほら、集中が途切れてるぞ。もっと集中!」滝島はそれでも続けた。


将吾はボールにぶつかってもいいという考えに切り替えて真剣にどこから飛んでくるのか集中するとついに滝島は「はい!止め!」と止めた。機械を止めてから滝島は「はいこっちおいで」と言って手で合図した。将吾は言われた通りに滝島に近づいた。

「初めてだから仕方ないが、イナズマ団を相手に戦う気持ちになれば玉がどこから飛んできてもすぐに盾で防げる。慣れも必要だが、あれではダメだな。イナズマ団にやられちまうのは確実だ。もっと真剣に集中せねばな。今日のところはもういい。これが最後か?」滝島は将吾に聞いた。

「はい、これが最後です」

「じゃあ全部訓練は終わったな。終わりの時間がくるまで後ろで待機しておきなさい」

「はい、ありがとうございました」

将吾は滝島にお辞儀をしてその場を離れ、準司のところに駆け寄った。

「どうだった?あの訓練は」準司は将吾に聞いた。

「いや、ちょっとハラハラしたな。どこから飛んでくるのか全然分からないし予測がつかないよ。もっと真剣に集中しろとか言われたし、ダメ出しされたな。俺後ろで待機しておくよ。準司の出番だな。頑張ってこいよ、また後でな」

「ああ、頑張るよ」準司はそう言うと将吾はうんと頷いて後ろに行った。そして滝島は次の人こっち来いと言われたので準司は前に出て滝島と対面した。

「名前は?」滝島は聞いた。

「三田原準司です」準司は紹介した。

「確か一回生だったな。ここの機械は反射神経の訓練を受けてもらう所だが、自信あるか?」滝島は準司に圧をかけた。

「ちょっと怖いですけど、できるように頑張ります」

「甘ったれた考えじゃ急に飛んでくる玉に油断して当たってしまう恐れもある。盾で玉から防ぐ訓練だが、飛んでくる玉がどこからくるのかを外したら玉にぶつかってくるから気を付けろよ。周囲見てみな、上から横から背後から真っ正面からいろんなところから玉が出てくる。できるだけ飛んでくる玉を盾で防ぐように、いいな?」

「はい…分かりました…」準司は冷や汗が出てきた。どこから飛んでくるのか全然分からない中で反射神経を鍛えるのだが予測がつかないのが一番不安だった。

「まあ最初は玉にぶつかってくることもある。痛いかもしれないけど、だんだんと感覚がつかめてくるから盾で止めるようにな。じゃあ始めるぞ」そう言って滝島は機械のスイッチを押した。そして機械はウィーンという音が出てきてその三秒後に左の筒からテニスボールが飛んできた。準司はギリギリだったが盾で防いだ。

「おーい、遅いな。もっと集中して」準司は滝島の注意に真剣に聞きその通りに集中した。一周360度回りながら周りの筒と上の筒を交互に見ながらどこから出てくるのか集中して盾を構えていた。そしてその時、真上から飛んできたボールを準司は素早く盾で受け止めた。

「おっ、それだ。その技だ。よく防げたな。さあ次も来るぞ、一周を見渡せよ」よし、できた。準司はまだ感覚が掴めていないが素早く防ぐ技はなんとなく分かってきた感じだ。準司は一周回りながら目の前を集中した。そして次は…

準司は右の方からきたボールを素早く盾で受け止めた。よし、次も防げた。

「おっ、なかなかやるな。だけど次からは侮るんじゃねえぞ。こっからが難しくなってくるからな」滝島の注意に準司は真剣に聞いたが、全くその通りになってしまった。

ますますボールが飛んでくるのが速くなってきた。準司は後ろのボールを素早く防げたが、横からと間反対からのボールが交互に出てきた。準司は背中にボールが当たった。すごく痛かった。

「防げたからって喜んでる場合じゃないぞ。敵はどの角度からも撃ってくる。それを防ぐために盾の使い方が必要だ。ほら言ってるうちにまたくるぞ」左からボールが飛んできた。準司はこのボールもギリギリ盾で防いだ。

しかし…

同時に左右からボールが飛んでくるわ、前後ろから飛んでくるわ、間反対から飛んでくるわと準司はこれらの飛んでくるボールに限界がきていた。おかげで二、三個防げず背中と頭にボールが当たった。

「はい、そこまで」滝島は機械のスイッチをようやく切った。準司は体がふらふらしそうで歩きづらかった。滝島は手でこっちおいでの合図をして準司は滝島に近づいた。

「前半はうまくいったと思うが、油断したようだな。まあ初めてだから仕方ないのはわかるが、機会があればまた練習を何回もしていけば反射神経も良くなっていくだろう。あともう一息だ。もう一段階練習すればさらに良くなるはずだ。時間もきたからここまでとしよう。残りの訓練もう行った?」滝島は聞いた。

「はい、ここが最後です」準司は答えた。

「じゃあ後ろのところで待機しておきなさい。ヴィジョン先生が合図するまで待機するといい。はい、どうぞ」

「ありがとうございました」準司はお辞儀をして滝島に挨拶して、後ろの方に移動した。一番後ろに行くと将吾は盾を持ったままずっと準司の修業を観察していた。

「お疲れ準司。すごく動いていたのを見てたよ。あの訓練はどうだった?」将吾は準司の修業にすごく気になって準司に聞いた。

「そうだな。前半はうまくいったんだけどその後からが結構難しかったなあ。だんだん速くなってきて二、三回はボールに当たったさ。あれマジで痛かったなあ。やっぱり何かのコツをつかまなきゃ盾で防ぐのは難しいと感じたな。滝島さんにも言われたけどもう一段階練習が必要だって言われたし、また機会があったら訓練を受けた方がいいって言われたな」準司は経験した全てを説明した。

「俺なんかボールにぶつかってばかりだったさ。あの反射神経の修業、凡人じゃ追いつけないよな。あれを鍛え続けて反射神経良くなるか?あの修業を積んでコツを覚えられるか心配になってきたよ」将吾は反射神経が良くなった後を想像したくても全く想像できなかった。

「そういえば葵は今どこにいるんだろう?もう二つ目の修業終えたのかな?」将吾は葵が気になって前を見渡した。

「わかんないけど…よく見たら二番目の機械に丁度いいタイミングに受けているのが葵じゃない?」準司は将吾に見えるように二番目の機械に受けに行っている女子に指指した。

「あっ、本当だ。葵は今から受けるところみたいだな。あの訓練に俺たちも見守ろうぜ」将吾はそう言って二人は葵の修業を見守った。



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