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戒告の盾  作者: ヨシ
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坂本将太

誰も見つからないある場所にイナズマ団は別の普通の服に着替えて集まっていた。図書館を占領して警察から逃げていた後、誰にも見つからないように手品を使ってあえてアジトに帰還していた。イナズマ団の象徴である黒いフード付きの服を着ていると周りにバレやすくなることを警戒し、私服で重要な話に集中していた。

「後もう一歩というところにあの大学教授が邪魔してくるとは…赤田どういうわけだ?」ボスの神威は気に入らないことに椅子に座ったまま赤田というイナズマ団員を見上げていた。

「私の計算が謝ってしまいました。あの三田原という男を囲んだつもりでしたが、まだあの見方がいたとは思いもしませんでした。責任を持って神威様の罰をお受けいたします」

「何も罰など与えるなど言ってもいないぞ。罰はまだ後で話をして差し上げよう…俺が一番気に入らないのはあのヴィジョンだ。盾をついて抗っているのだ。俺に服従すれば世の中はこっちが味方する。服従しないなら争うのみだ!」神威は気に入らないことに足を机の下から蹴りあげた。他の皆は固まったまま神威の話をじっと聞いていた。

「あの時にヴィジョンは来なかったようだな。代わりの者が図書館に潜入していたと。あのチビのようなあの男は三田原ともう一人の男子を連れてあの女子を助けにこっそり入ってきたわけか」神威は右手に持っている丸い胡桃二つをカチカチ鳴らしながら話を続けた。

「なかなか根性あるじゃないか…三田原準司…可愛い坊やめ。もう一息で殺れたのに、なあみんなよ、どう思う?」神威はさらに胡桃をカチカチ鳴らし続けた。

「神威様、あの学生は道保堂大学の学生です。隠れながらも銃で殺るのはいかがでしょうか?」近くにいたナンバー三の男が提案した。

「いや、大学に忍び込むのはこの時期では噛み合わない。大事のニュースが出回りやすくなるだけもある上、かえって警察に捕まりやすくなる危険もある」神威は固まったまま話を続けた。

「では三田原という男の動きを見張るのはいかがでしょうか?」ナンバー四の男が言った。

「それはやめておくがいい。かえってそれも誰かに怪しまれるだけだ。自然と機会を待つといい」神威はやっと椅子から立ち上がり壁に張ってある写真や設計図や紙などに目を配りじっくり観察した。

「ナンバー四の下田、ナンバー五の笹島、手下のナンバー八の八木崎とナンバー九の黄河にナンバー十の配川を連れてヴィジョンの研究室にいる全員を観察してこい。何か動きがあったり奴の研究してる盾の開発はどこでしているのか突き止めて来ることだ、わかったかナンバー四にナンバー五ただ観察するだけだぞ」下田と笹島はさっと直ぐ立って「はい!」と答えた。そして二人は「失礼します!」と神威にお辞儀をしてドアを開けて外へと出ていった。

「他に我々ができることはありますか?」女性のイナズマ団の真嶋は神威に聞いた。

「ないな。ただ我々の力をさらに増強させる手段を続けておけばいい」神威がそう言うと真嶋は「分かりました」と言ってパソコンに戻った。

「警察でも簡単には捕まらないからな。我々はさらに強くなる。支配下に置けば俺のものだ。…ヴィジョン、いつかどこかでどっちが強いか勝負の拝見とさせてもらおうか」神威はニターっと笑いながら大学時代に一緒に撮った写真を見ていた。


金曜日の夕方に準司は牛丼屋のチェーン店でアルバイトをしていた。授業の終わりの後いつもの通りにそのまま自転車で向かいアルバイトのシフトの時間に間に合うようにと遅刻をせず午後5時に着いていた。最初の入った頃には配膳から教わっていたが、今はお客のメニューを作ったりレジ打ちをしたりメニュー全ての作り方を覚えたりと少しずつ慣れてきていた。


いつも木曜日と土曜日以外の大学の授業終わりはいつもアルバイトで埋まっていた。その毎日のようにアルバイトでお金を稼いでいるその後の自由になる時間は日によるが夜の十時だ。

やっと仕事が終わって自転車に乗って自宅に帰った後、くたくたになって自分のアパートの玄関を開けて入った後に玄関の扉を閉めると部屋の電気をつけた。

そこからまだ夜食を食べてなかったが、牛丼屋からいつもお給料を貰うと同時に店長から作ってくれた牛丼セットをくれるのだ。

「これ、いつものご飯持っていきな」店長がそう言うと準司は「ありがとうございます」とお礼をいつも言って持ち帰るのだが、それを夜食としているのだった。

早速店長から貰った牛丼を食べようとした時、スマホにラインの音楽が流れた。準司は誰からなのか早く確認すると大学のヴィジョン先生からのラインが届いていた。

ヴィジョン先生はいつも英語でしか話さないのにきれいに日本語で書かれていた。

準司は夢中になってヴィジョン先生からのラインを読んだ。

『皆諸君に大事なお知らせを書かせてもらう。明日の土曜日の午後1時に私の研究室に来ること。そこで大事なことを言うので必ず集合すること。ドアはきちんと開けておくため中に入って待機しておくこと。何か分からないことあれば私のラインに送ってきて下さい。以上』

明日か。いよいよヴィジョン先生から宿題みたいなことが出されるのか。俺達も正式に門下生になったからどんなことが出されるんだろう。

前にイナズマ団と対峙した時に盾を使って戦ったけど、もしかしてそのことなんじゃないかな?ヴィジョン先生も盾を使って戦うことを念頭に置いていたし…だったらちょっと難しいことされるのか。

また牛丼を食べようと戻って牛丼セットをテーブルの上で広げた。牛丼だけじゃなく温かい味噌汁やお付けものに野菜までも入れてくれていた。準司は手を合わせて「いただきます」を言って食べ始めた。

熱々の牛丼を美味しく食べながら明日のことをもう一度考えた。全員にラインを送ったということは大規模な何かをするに違いない。盾のことで何か見せたいものでもあるんだろうか、それとも体を動かす何かをするんだろうか。…どうなんだろうか、でも何だか重要なことをするのは間違いなさそうだ。それにヴィジョン先生達先輩達はだいぶ先に研究が進んでいるから俺含め将吾や葵は何をさせられるんだろうか?あの工藤さんという人は厳しそうだから初心者の人には冷たくされるかもしれないな。それを考えると何だか緊張してくる。

牛丼セット全て完食した。準司はプラスチック容器全てをゴミ袋に入れてテーブルの上を綺麗にした。そしてそこからいつもの通りに風呂のおいだきのスイッチを押してテレビをつけて見ながら風呂に入るまで長椅子に座って待つことにしていた。


翌日。準司は朝の支度を終えた後昼御飯を早めに自宅で食べ終わり、その後に午後一時に間に合うように自転車で大学に向かった。この日、少しは雲ってはいたが気温の暑さは変わっていない。

だが自転車で走っているので向かい風にあたって涼しかった。

大学からはそんなに遠くないので、十分ぐらいで着いた。自転車から降りて駐輪場に止めてからヴィジョン教授の研究室がある校舎へ歩いている途中で後ろから「準司!」と大声で呼んでいるのが聞こえた。準司が振り向くと将吾と葵が歩いていた。

準司は立ち止まって右手を上げて「押忍」と返事した。

「ちょうど良かった、もう先に着いてたかと思ったけど」将吾は準司にそう話した。

「いや、一時に合わせようと昼飯食べたばかりだったから。二人も御飯食べた?」準司は二人に聞いた。

「私はもう食べたけど、今日は久しぶりに外食したかな」葵は準司に言った。

「俺も御飯食べ終わったな。コンビニの奴で済ませたさ」将吾も説明した。

「そっか。いよいよ、ヴィジョン先生への初仕事みたいな感じだよな。一体何が始まるのか気になって仕方がなくてさ」準司はワクワクした気持ちになっていた。

「一番楽しみにしてるのって準司だけかもね」葵は冗談交じりで準司をいじった。

「何でだよ。俺だけ楽しんでるんじゃ変な人みたいになってんじゃん。葵はやる気ないのかよ」準司はワクワクした気持ちが一気に沈んだので思わず言い返した。

「まあまあ今の冗談で言っただけ。真面目にならなくていいじゃん」葵はそう言い終わらせた。

「まあ確かに何をするのか気にはなるよな。盾の開発を続けてるもあるし。何か視察でもするのかな?」将吾は予想を立てたくなった。

「どうだろうね、俺も昨日からいろんな予想をしてたな。盾の開発を俺達もいきなり加わるのか、新人の人は何か特別なことをするのか、そればっかり考えてたな」準司は言った。

「難しいことをするのかな」葵も一人で想像したくなった。

「そうだとしたら少しは難しい作業をするもあり得るな。とりあえず行こう」準司はそう言って三人は研究室に向かった。


ヴィジョン教授の研究室の前まで来た。ヴィジョン教授の言っていた通りドアは解放していた。三人は中へ入ろうとした時、白衣を着た研究員達数人が部屋から出てきた。三人と向かい合わせになったので準司が皆に「こんにちは」と挨拶をした。

「えっ、ああ、こんにちは。…あれ?ヴィジョン先生が言ってた新人さんってこと?」白衣の着た研究員の一人が聞いた。

「はい、この前正式にヴィジョン先生から門下生として著名した三田原準司と言います。そして二人もヴィジョン先生の門下生になりました」

「あっ、松田将吾です」

「…浅倉葵と申します」

三人は挨拶をすると研究員達はヴィジョン教授から言われたことを思い出していた。

「ああ、ヴィジョン先生から聞いたよ。新しく入ってきた人らしいね。どうしても入りたかった気持ちだったかい?」白衣の着た研究員の一人である男の人が聞いた。

「そうですね。ただこの中で一番入りたかったのは僕の方ですけどね」準司は説明した。

「そうなの?まあでも他の学生さん達もここに入りたい応募があってね。あまりの人数だったから追い返したんだけど、あれには困ったよ。君達は一回生だっけ?」白衣の着た研究員の男はまた聞いた。

「はい、僕達三人とも一回生です」準司は言った。

「そうなんだ。じゃあ一回生は四人も集まったということかな?」白衣の男は意外なことを言った。

「えっ?四人ってつまり…もう一人いるってことですか?」準司は白衣の男に聞いた。

「まあ聞いた話、メガネかけている理学部の男性がヴィジョン先生に会って弟子入りさせてほしいって自らお願いしに行ったんだって。そしたらヴィジョン先生はなぜかそこでオーケーしたんだって」白衣の男から意外なことを聞いた準司は二人を見た。将吾も葵も互いに見つめあった。

「じゃあそのメガネかけた理学部の一回生は今どこに?」準司は聞いた。

「この中にいるけど」段ボール箱を持ったもう一人の白衣の男が紹介した。

「分かりました。ありがとうございます」準司はそう感謝の挨拶をすると研究員達は話をやめて次の作業に移るようにその場を後にして歩き去った。

「メガネかけた理学部の一回生って私たちすでに会ってる人ってこと?」葵は二人に聞いた。

「だろうね。でも何でヴィジョン先生のところに?」将吾も理由を知りたくなった。

「分かんないけど、とりあえず入ろう」三人はそのままヴィジョン教授の研究室に入って行った。中に入って行ったその直後、そのメガネかけた理学部の一回生という人はどこにいるか探さずに一瞬で机の椅子に座りながらスマホをいじっているその人を見つけた。黒い太ぶちメガネをはめた色の黒いナルシストのようなこの男、三人は誰なのか一発で分かった。

「まさかお前、坂本?」準司が言うとその男は後ろに振り向いた。やっぱり坂本である。

「お、お前何でヴィジョン先生の研究室にいるんだよ?」準司は坂本という男に指を指して聞いた。

「よお。おめえらも門下生?良かったな、あんなにヴィジョン先生の門下生になるのは無理だって言われてたのに無事通過したってことか?おめでとうだな」坂本は調子に乗っている。さすがはナルシストだ。

「相変わらずホントチャラいわね。あんた、何でここに来たのよ?」葵は坂本に聞いた。

「ああ、俺?あまり言いたくないけどな訳あってヴィジョン先生に来たわけさ」坂本はスマホを片手にまたカッコつけた。

「そんな理由だけじゃここに来た意味がわかんねえじゃねえかよ。訳があってってどういう訳なんだよ」準司はさらに聞いた。

「おいおい、そこまで聞く必要があんのかよ。しつけえ奴だな、そこまでは答えられねえなあ」坂本はちょっとイラついた。

「何だよそれ。理由も聞かずして無視するだと?」準司はちょっとキレかかった。

「ちょっと待て、そこまでキレる必要ねえだろ?何でキレられる必要あんだよ?だからヴィジョン先生から許しの承認を得られたんだって。それで理由通るだろ?」坂本が会話を終わらせようとしたら準司はちょっとイラついた。

「それよりそっちの方も聞きてえな。ここに来た訳は何だよ?」坂本も準司に聞き返した。

「長くなるからあまり言えないな、イナズマ団の襲撃にあったからさ。ある過去の事件からヴィジョン先生に弟子入りさせてもらったわけさ」準司は簡潔に答えた。

「ほう、過去の事件ね。そんでここに入ったって訳か?」坂本は容赦なく調子に乗った。

「ああ、そうさ」準司はさらに簡潔に答えた。

「そっち二人は?」坂本は次に二人に聞いた。

「俺達はヴィジョン先生にスカウトされたよ。準司のアシスタント役で入れてくれてさ」将吾は答えた。

「アシスタント役?何だそれ?それだけの理由で入れたのか?おい、ちょっと待てよ。俺の理由よりも軽いじゃねえかよ。それで入れたなら誰でも入れるじゃねえか?」坂本はさっと答えを返した。

「でも遊び半分で入った訳じゃないぜ。準司の辛かった経験から俺達も学んだんだから。ヴィジョン先生からの課題出される覚悟を持ってここに来たんだからよ」将吾は坂本に説得を強めた。

「ふーん、まあよく分かんないけどとりあえず宜しくな。あの何人もの中から選ばれたってことだからいろいろと頑張らないとな」坂本はスマホを片手にまた持ち直していじり始めた。

「あの坂本って人あんな態度してよくヴィジョン先生に採用されたわね」葵は二人に小声で話した。

「なんでだろうね?坂本にもイナズマ団に何かされたからなのかな?」将吾も小声で話した。

「よく分かんないけど、あいついつもあんな態度なら普通なら追い出されないか?」準司はそう言うと将吾と葵はうーんと言った。すると後ろから白衣の着た研究員達が中へ入ってきた。

「はーい、皆さん席に座って下さい。ヴィジョン先生が到着しましたので」この声聞いた覚えが。三人はドアの方を見るとあの工藤という先輩が中へ入ってきた。やっぱりそうだった。

「工藤先輩、お疲れ様です」準司はあえて工藤に挨拶をした。

「えっ!?あなた、あの時の?…ここに入れたからって調子に乗らないでよね。曲がったことが嫌いなタイプなんで。とりあえずあなた達四人?…四人達は左端の机椅子に座ってね。はい早く移動して」工藤は左端の机椅子に向かって指指しながら言った。四人は言われた通りに動き左端の机椅子に着席した。一番端っこに坂本がその隣に準司が座った。準司の後ろに左から順に将吾、葵と並んで座った。

白衣着た研究員達が全員座るとようやくヴィジョン教授が研究室に入ってきた。白衣姿で荷物を片手に持ちながら教卓の土台の上に乗った。

「時間が来たな。では始める。あっ、その前に一つ紹介しないといけない。今日からお世話になってくれる四人の一回生達だ。新入りだがどうか温かく見守ってくれ。それと拍手もしてやってくれ」ヴィジョン教授がそう言うと二回生から上の先輩達は言われた通りに拍手をした。坂本以外三人はちょっと照れて軽く何度も会釈した。

「…今日は重大な話だが、盾の開発と実験それに訓練は今日も続けて行っているのはいつもの通りだ。変わりなく上手く軌道に乗せているが、あの図書館襲撃事件のことで話をさせてもらう」ヴィジョン教授がそう言うとシーンと静かになった。緊張感が皆漂っている。

「君たちもすでに知っているとは思うが確かに突然現れたのはイナズマ団だ。このようにいつどこで出てくるのか検討がつかないのと、警察も捕まえるのはもはや厳しくなっているのは我々の社会では脅威なことだ。ここまでにイナズマ団が強大化しているのは深刻な事態であり見逃すことのできない問題だ。君たちには何度も言ってきているとは思うが、私はこの手でイナズマ団を倒す。倒してみせる。平和な脅威のない世の中を取り戻すために開発した盾でイナズマ団を捕まえてみせる。その為に盾の開発を今も続けて推し進める」ヴィジョン教授は冷静になって話を続けた。

「そして、今日のことだが相手のイナズマ団の団員のことも分析しなければならない。警察もそれを追っているがまだ敵の情報を完全には把握できていないようだ。ただこの人物だけは皆も知っておいてほしい。イナズマ団のボスだが、性別は男で身長はやや高めで歳は私と同じだ。その男の名は、神威暸という名の男だ」ヴィジョン教授はファイルから一枚の写真を取り出し黒板に磁石の石で張り付けた。その写真を見た時皆は少しざわざわした。

「この男がイナズマ団のボスだが、何人ものイナズマ団団員を抱えながら何かを企んでいる。ただこの人物はマジシャンとして一時期働いてたらしくその後からは何も知らされていない。そこから何をしていたのかも全く知らないのだ」ヴィジョン教授がイナズマ団のボスを話していた時準司は再び夢で見た内容を思い出していた。それだけじゃなく準司が六歳の頃に襲われそうになったあの時の事件の主犯格もあの写真と同じだ。

「この男はめったに表に現れることはないと思うが、その部下達はいつどこで何をしているのかは知らないところで何かしら動きまくっているだろう。それもこの男に指示されて動いているだろう。ニュースで散々見てきた人はわかってると思うが、様々な事件が止まないこれらの出来事の大半はイナズマ団の仕業だと断定されている。ここまでの悪事を続けているのはもうすでに大罪人だな」ヴィジョン教授は詳しく皆に向かって言っているように神威という男の写真を見ながら説明した。

「私はもう覚悟を決めている。まずイナズマ団の部下達全員を片っ端から捕まえ、最後に神威暸を捕まえる。強敵だからこそ逃げている場合ではない。立ち向かう覚悟を自分たちが決めなければならない。警察も捕まえるのが仕事だが、誰一人も捕まえられてないのなら盾を片手に我々も捕まえる。皆もその準備は整っているか?」ヴィジョン教授は皆に向いて確かめるように聞いた。皆研究員は「はい!」と力が入った返事をした。

「よし、私からの話は以上だ。今後の予定についてだが私からお願いがある。丁度一週間後の土曜日だが、皆もとある場所へ移動するから予定を空けておいてほしい。前から変わりなくあの場所へ移動するからそのつもりでいろ。一回生諸君は今回が初めてだろうから最初は何のことかよく分からないと思うが一週間後の土曜日にまたここへ来てほしい。但し休みは厳禁だ。予定通りに動かさなければ混乱してしまう恐れがあるから必ず来てくれ。とある場所へ行くからその時に案内する。そして一回生に見せたいものがあるからそのつもりでいてくれ」

今日の私からの話は以上だ、解散とヴィジョン教授は皆に伝えると皆研究員達は手荷物に筆記具を入れさっさと帰る者もいれば、まだ残ってヴィジョン教授に話があって教卓に向かって話をし始めたり、バラバラだった。

準司の横にいた坂本はヴィジョン教授に何の挨拶もせずにとっとと荷物を持って研究室から出ていった。

将吾と葵は準司と同じようにすぐに帰ろうとせず三人で暇を潰すかのように話をし始めた。

「あのイナズマ団を捕まえるのって相当難しいんだよね?本気で全員を捕まえるのってバイトどころじゃなくて仕事でしょ?」葵は黒板を見つめながら二人に聞いた。

「俺もそう思った。ヴィジョン先生が先頭に立ってここまでやってきていると思うと仕事の領域だよ。俺達本気でイナズマ団を潰す覚悟で挑むんだから体力相当いるんじゃないかな」将吾は葵に説明した。

「うん、確かに体力はいると思うよ。前に将吾と一緒に葵を助けに行った時覚えてるだろ?あれだけ盾を使ってイナズマ団の攻撃から守るのに精一杯だったから戦う時は油断してはいけないな」準司は思い出しながら言った。

「そうだったよな。でもあの時本気で死ぬのかなと思ってたけど、盾の力で完全に防げたから怖さはとれたな」将吾はその時の怖かった記憶を思い出しながら説明した。

「まさか、私も参戦しなきゃいけないってある?」葵は聞いた。

「葵は空手二段持ってるだろ?覚悟は強くあるじゃないの?」準司は葵にそう聞いた。

「あのね、あの時イナズマ団にあれだけやられたというのにそこを心配してもくれないの?空手習ってたからってこれとはまた別の話よ。準司あんた馬鹿にしてる?」葵はちょっと怒った。

「いやいや、そうじゃなくて葵はそれぐらいの根性あるだろっていう話。心配はしてるさ。そこは誤解しないでくれよ」準司は葵が怒ると焦ったのですぐに抑えた。

「ふーん。でも二人は経験したんでしょ?怖さはとれたってどんな感じだったの?」葵は気になったことを聞いた。

「いや、先生の開発した盾でイナズマ団の銃撃が出てきても何にもびくともしなかったな。玉を弾き返したし無傷で済んだからこのやり方でいいんだってわかったよ」将吾は自信持って言った。

「まあそのうち、葵も盾を持ってやり方を教わったらたぶん慣れると思うよ。ただ敵がどこからふってくるのかをよく観察しないといけないけど、攻撃を防げるからそこまでは心配しなくていい」準司は葵にそう説明した。

「おそらくだけど丁度一週間後にそれもするのかな?まだ分からないけど、ヴィジョン先生から何か見せたいものがあるってさっき言ってたからその話するんじゃない?」将吾は言った。

「そうかもな。また一週間待たなきゃいけないけど楽しみにはしておきたいな」準司はまたワクワクしてきた。

「じゃあその時にどこかに移動しなきゃいけないってこと?」葵は聞いた。

「移動か…もしそうならどこに行くんだ?」将吾も聞いた。

「そこは分からないなあ。聞いてみる?」準司は二人に聞いた。

「いや、いいよ。あまり聞いたら機嫌悪くしてしまうかもしれないだろ?」将吾は言った。

「私もそうした方が良さそうって感じかな」葵は将吾に続いて言った。

「じゃあもう時間もきたし、帰るとするか」将吾は二人に聞いた。

「そうね。帰ろうか」葵は言った。

三人は鞄を持って帰る前にヴィジョン教授に挨拶をしに教卓に向かった。

「ヴィジョン先生、今日はありがとうございました。また来週宜しくお願いします」準司は丁寧に挨拶をした。

「ああ、こちらこそ宜しく。次回は必ず休まず時間通りに来てくれ。君たち一回生は特に見せたいものがあるからな。予定は必ず守ってくれよ」ヴィジョン教授は挨拶変わりに言った。

「分かりました」準司は丁寧に挨拶を返した。

「それじゃあこの辺で失礼します」準司がそうまた挨拶すると将吾と葵も「失礼します」と言って挨拶をしてから研究室を後にした。ヴィジョン教授も「気をつけて帰りなさい」と言って外に出るまで最後まで見守った。


「また一週間待たなきゃならなくなったな」校舎の外に出ると将吾は二人に言った。まだ日が夕方になる前なので蒸し暑い。

「心の準備みたいなものなんじゃない?いきなりどこかに移動しなきゃならないって帰りが大変かもしれないじゃない?」葵は説明するように言った。

「心の準備か、そうだな。また来週一週間いろいろとする事あるよな、授業にバイトに」準司も二人に聞いたように言った。


「じゃあまた月曜日に会おう」葵は振り向いて二人に挨拶した。

「ああ、またな。みんなもバイトどうなの?」準司は聞いた。

「俺は水曜日と土曜日以外入ってるな」将吾は言った。

「葵は?」準司は聞いた。

「火曜日と土曜日以外は入ってるよ」葵はそう返した。

「そっか。忙しくなると思うけど、また一週間後行こうな」準司は二人に言った。

「じゃあ、葵も気をつけて帰れよ」準司は葵にそう心配した気持ちで言った。

「うん、二人も気をつけて」葵も返事した。

「じゃあまた」

「またね」葵も準司と将吾もお互いに手を振って帰る道を通って行った。準司は葵と別れた後自転車を押しながら将吾と話をしながら帰っていった。





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