2.クラスメイト達のステータス1
少々遅れました。
皆にステータス鑑定版が渡った事を確認した教皇や信仰者達は、少し満足気にしつつ次の行う事を伝えてくる。
「それでは皆様、先ずはこちらの魔道具に手をかざしてください。」
「これは何でしょうか?それに何か淡い物を纏っているようですが。」
「これはですね。そちらのステータス鑑定版にご自身の情報を載せる為の装置です。それにしても魔力を見たり感じる事ができるのですね。」
「魔力ですか?この淡いのが?」
少し大きめの装置らしき物を尋ねた神流光に教皇は答える。
だが、クラスメイト達は目の前の魔道具にも興味津々であるが、それと同時に神流光が魔力を感じる事ができた事に驚きや興奮していた。
今まで事実か否か分からなかったが、今自分達がいるのは夢・妄想や御伽話だと思われた非現実の世界が、まさか自分達が体験するなんてと、少々興奮していた。
実際、自分の隣に居る大生院さんまでもが、目の前の魔道具や神流光の様子に目が奪われていた。
「では勇者様方、順にこの魔道具に手を当ててステータスを確認してください。」
それから皆、順にステータスを確認する為に、目の前の魔道具に手を当てていく。
「じゃあ、先ずは僕からだね。」
神流光はそう言いつつ、目の前の魔道具に手を当てる。
「あっ、でました。」
魔道具に手を当て、自分のステータスを確認した神流光は、クラスメイトの皆に見せびらかすかの様に、自分のスタータス鑑定版を公開した。
というか、何で見せるんだよ。自分の情報だぞ?
まあ、実際に見てみると……。
[名前:神流光]
[適正職業: 勇者・聖騎士]
[年齢:15歳]
[種族:上級人族]
〈ステータス値〉
Lv.1
体力 1010
攻撃力 1010
防御力 1010
素早さ 505
魔力 707
魔攻撃力 505
魔防御力 1010
幸運 200
成長率 S
『固有スキル』
勇者Lv1 聖騎士Lv1
『特殊スキル』
言語理解Lv― 必要経験値減少Lv1 経験値増加Lv1
『最上級スキル』
全耐性Lv1 天性Lv1
『上級スキル』
統率Lv2
『スキル』
身体強化Lv1 剣術Lv3 格闘術Lv1 盾術Lv1 魔力感知Lv2 魔力増幅Lv1 自動体力回復Lv1 自動魔力回復Lv1 算術Lv7 礼儀作法Lv4 鑑定Lv1
〈称号〉
異界から召喚されし勇者 勇者 聖騎士 世界神の加護
となっていた。
「すみません、これはどういった具合でしょうか?」
ステータスを開示した諜報人である神流光は、自分のステータスを皆に開示したのは良いが、自分自身の能力値がどのくらいなのか理解できておらず、傍にいた教皇へと尋ねる。
そして尋ねられた教皇は、少し驚きつつ、神流光の質問に答えた。
「まさかここまでとは……。あ、失礼勇者様。勇者様の疑問についてですが、かなりの規格外と判断しても良いと言っても良い位、レベル1の状態で相当な力を秘めております。」
「そうなんですかっ!」
その教皇の受け答えに、神流光はかなり嬉しく思いつつ反応した。
実際、より正確に聞くと、この世界の人達のステータスの平均は、神流光のステータスよりもかなり低く、戦闘をしていない者達の平均ステータスは、レベル1に近く10前後であり冒険者や騎士達戦闘を職にしている者達は、50前後だと言われている。勿論、中には相当強い者もいてステータスが200、300そして500と行くものたちも居るが、そのクラスになると騎士団長クラスや冒険者で最高ランクであるAランクSランクより少々下位であるらしい。
で、現在神流光のステータスが初期のレベル1であるのに、既にトップクラスにステータスを誇る事になる。
その事に、流石に聖人様でも男の子らしくかなりの喜びようである。
「ええ、……でも。」
「でも、なんですか?」
「皆さま戦闘経験はありますでしょうか?」
「いえ。行っていたとしてもそれは習い事や活動の範囲内です。実際僕も向こうでは剣道をかじっていましたから。」
「そうですか……、分かりました。当分は騎士達に訓練を付けさせるつもりです。皆さまの命に関わる事などで、そこはご承知ください。」
「そうですね。戦闘行為と言われましても、向こうとは勝手がちがいますからね。寧ろこちらから頼みたいくらいです。」
「いえいえ、寧ろ私たちの世界の救ってくださるのですから、私たちが感謝の言葉を述べたい程ですよ。いや、感謝の言葉だけでは足りませんな。」
神流光はそう言いつつ、教皇に対して訓練してもらうように頼み込む。その様子に、何となく雰囲気的に世界を救う事に同意している事に不満・恐怖を持つ者や、早く好き放題やりたいと思っていた者達以外の者達も納得する。
確かに、自分のステータスが高くても、経験が無いとただ力に振り回されるだけであるし、いざという時に対応ができないかもしれない。
訓練しとくに越したことは無い。
「やったじゃねーか光っ!」
「すごいじゃない。」
「ああ、まさか自分もこんなに凄いと思わなかった。」
神流光がクラスメイト達の所に歩いて戻ると、神流光と親しい仲である二人の男女が近寄ってきた。
その男女の生徒は、一人は大崎大河であり、人柄はかなりとまではいかないが熱血男であり、学校でもかなりの熱苦……かなりの頑張り屋で兄貴肌であり、いい意味でも悪い意味でも真っ直ぐな人物であった。容姿で言えば短く借り上げた黒髪に、瞳がキリっとし真っ直ぐであり、体格も平均値よりかなり身長が高く190㎝前後位で筋骨隆々である。服を着込んでいてもわかる位な筋肉。
学校の部活動などの活動では、才能溢れる助っ人マンとして活躍していた神流光とは違い、柔道部に所属しており、全国までとは言わないが県内トップクラスの実力者である。
そしてもう一人は、東城紗江という女子であり、人柄はかなりお人好しで意志が強い人物であり、周りから(男子生徒も居るが主に女子生徒から)頼られる事があるが、ほんの少し堅物に近い。そして容姿は身長はそこそこ高めであり170㎝前後であり、黒髪のツインテールで鋭めな黒目で顔立ちもキリっとしており、綺麗か可愛いかで言うと綺麗な方である。
部活動は主にやっていないが、近所にある剣道場に参加しているとか何とかで、かなりの腕前を誇るらしい(詳しく聞いていないし見ていないからあやふやだが)。
まあこの集まりは、一人一人の実力や性格容姿などで学校の中でもトップクラスを誇る程有名人であった。
「じゃあ、次俺行くぜ。良いかみんな?」
そう言いつつ、大崎大河がステータスを知りに行き、その後に続くように東城紗江、他のクラスメイトという感じに各自確認し始めた。
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次回はなるべく早めに投稿します(できたら)。
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