1.俺達は勇者召喚されたようです。
すみません、少々遅れました。
「う…うん?ここ何処だ?」
眠りから覚めた星夜は、自分の寝ていた硬い地面の感触に嫌がりつつ、体を起こし周りを見渡す。
周りを見渡してみると、自分を含めクラスメイト達にとって馴染みのある教室の風景ではなく、無骨な作りであるが何処か神聖さを帯びた純白な巨大な広間であり、どこか大聖堂だと思わせるかのような作りの建物と雰囲気・圧感を感じさせる。
更に中央に、まるで崇めるかのように大きな彫像が置かれていて、まるで何処かの宗教だと思わせる。
その傍には、自分以外にも他の生徒達もいて、突如気が付いたら別の場所に居ると認識して少々混乱気味な様子であった。
そして今更気が付くのだが、自分が一番最後に目覚めたようで、皆既に立ち上がっていて親しい人とここがどこなのか、そして何があったのかと混乱と興奮気味に話合ったり、日常とかけ離れたような風景に目を奪われて辺り一帯を見渡すものが居る。
「最上君大丈夫?」
「あっ、大生院さん。一体何が起きているんんだ?」
「だから花蓮と呼んで欲しいな。て、言っている場合じゃなくて。」
「おお、最後の勇者様も目が覚めましたかっ!」
俺を心配するかの様に花蓮が、目が覚めたばかりの俺に訪ねてくる。
その後少し話ていると、突如この大きな広間の入り口らしい場所から、純白で金色の刺繍が入った高級そうな神官の大きなローブを羽織った男性が現れる。
その神官のような男性は、自分達クラスメイトの様子を見ると気色満面な表情をして近づいてきた。
「すみません、私はこの子らの担任の先生を務めている伊藤修也と申します。」
「あっ、これはご丁寧に。私の名前はロベル・イースファルトと申します。イースファルト聖国の教皇を務めさせてもらっています。」
比較的年長者である自分達の担任の先生の伊藤修也は、他のクラスメイトと同じ様に少々混乱しているが、取り敢えず現地人である目の前の男性に自己紹介をし、今どの様な状況なのか聞いてみる事にした。
だが、伊藤修也も含め話を聞いていたクラスメイト達は、聞き覚えの無い国名や教皇という発言に、聞き間違い?と首をかしげる。
「うん?教皇?それにイース……。」
「イースファルト聖国です。あ、確かに馴染みの無い人には少々言いずらいでしょう。」
「ちょっと待ってください。イースファルト王国?それって何処に位置する国でしょうか?私たちが知っている社会・世界史にはそんな国名聞いた事がありません。」
伊藤修也がそう教皇と名乗る人物に話し問いただすと、教皇と名乗る人物は一端自分を含めクラスメイト全員を見渡す。
「失礼、しっかりと説明をすべきでしたな。まず説明する前に一言。勇者様方、ようこそ世界テランへ。そして図々しいようですが、我らの世界を救いを。」
どうやら俺達は俗に言う異世界転移で、しかも勇者召喚されたらしい。
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大広間に召喚されて右も左もわからない俺やクラスメイト達は、ひとまず詳しい状況をしる為に、教皇と名乗る人物の後についていった。
場所や目の前の人物など分からないず、安心できる筈も無いが、取り敢えずついていかなければ何もわからないし出来もしないので、皆というか一部を除いた者達以外は少々疑いを持つような表情をしつつ(表情に出さないだけで疑っている者もいるが)、素直に案内に従う。
まあ一部の者と言ってもご察しの様に、このような展開を察してこれからに興奮している者達であろう。
案内をしてもらってから数十秒歩き続け、目的地であるらしい場所に着くと、そこは先程よりも少々手狭間はあるが、それでもかなりの大きさを誇る広間に辿り着く。
その広間には、クラスメイト達の人数分以上が座れる程の椅子が置かれていたり、椅子も含めてだが、かなり高級感漂わせる大きなテーブルが置かれていた。
そして場所や教皇と名乗る人物がいるので、当たり前の様にいる信仰者達が居たり、その周りには教会専属の護衛なのか純白を象徴するかの様な聖騎士らしき者達までいた。
その大広間に移動してきた俺達は、詳しい説明を聞くために各自近場の席に座る。
そこで話を聞くと、まあ大まかに言うと
1つ目に、俺達クラスメイト達は、勇者としてこの世界テランという場所に転移してきたこと。
2つ目に、我々の神である世界神テラン様が、此度の勇者召喚をするようにお告げなされたので行った事。
3つ目に、この世界を脅かす脅威から助けて欲しい。
の三点であり、聞けばかなりスケールの大きい話であり、真偽の確認が取れない。しかも自分達が勇者だと現実味の離れた事を言われているので、一部の転移やったぜ勢を除いた大半の人が本当かよと疑っていた。
「皆さん、ご自身が勇者である事に疑問に思いですかな?」
「はい、突然知らない場所に来て、自分達が世界を救う勇者だなんて。確かにいつもよりかは体の調子がすこぶる良いのですが。」
「……ふむ、そうですな。では皆さまのステータスを確認してみればよろしいでしょう。称号欄とかに書かれていると思われますが。」
「え?ステータスですか?どうやって見るのですか?」
「え?……まさかステータスをご存じないのでしょうか?」
「いえ、にわかにゲームとかの知識でその様な物があると知っていますが……。」
「ゲーム?というのは知らないですが、……ふむ、ステータスについてご存じないと。」
疑問というか疑念していた俺達のクラスのリーダー的存在の神流光が教皇に訪ねてみると、教皇が自分のステータス欄を見れば良いと言うが、ゲームやアニメとかで出てくるステータスという事しか知らない為、自分のやつをどの様に確認すればいいのか分からずにいた。
その反応を確認した教皇は、近場の信者(聖職者)の者に、とある物を持ってこさせた。
「では皆さま、こちらを。」
「…?あの…、このカードらしき物は。」
「それはご自身のステータスを確認する事ができるステータス鑑定版で御座います。それは自分の身体能力だけではなく技能や称号なども載るので、とても便利な物です。そして他にも重大な事が載っており、そのステータス鑑定版には自分の向いている適正職業が載っています。」
教皇はそう言いつつ、クラスメイト達にステータス鑑定版を渡してきた。
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