プロローグ2
今回は少々少なめです。
「やはり、此処を通るのか……、それにしても…この身では意識を保つのが精一杯だっ!」
現在、教室内に突如現れた魔法陣から発した純白の光に飲み込まれた星夜と教室内というかクラスメイト達は、暗い青と黒色のトンネルらしき道に、落下するかの様に前へ前へと進んでいる。
より正確に言えば、俺の傍にいる大生院花蓮さんも含めた俺以外のクラスメイト達は意識を失い、四肢をブランブランと浮かせながら、そして俺自身は意識を保つのが精一杯といった状況であった。
「くっ!俺も摂理に逆らわずに失神しておくべきだったか?だが、行先がまだわからない以上、ここで意識を失うのは下策だ。」
現在、落ちるかのように移動している場所は、恐らく事前に予想していた通り次元の繋ぎ道だろう。
次元の繋ぎ道は、簡単に言うと一つの次元と一つの次元を繋ぐ道である。しかし生身のままでは、次元の繋ぎ道を通る際に生じる見えない衝撃や、高濃度の魔力に耐えられない為、ただの人の身である以上死は逃れられない場所だが、今回は勇者召喚という訳で、向こうの術者及び関与しているだろうと思われる神の保護によって無事でいるのだろう。
その際により安全に転移移動させる為に、召喚対象者である俺達に魔術による麻酔というか睡眠作用を施しているのだろう。
その為、星夜は意識を保つのに精一杯であった。
「くそっ、覚悟はしていたが、相当キツイッ、……うん?あれは?」
移動を始めてから数時間と相当時間が経ったのにも関わらず、未だ転移移動が続いている中、星夜はその道中で何かの影を見つけ出す。
星夜が意識を失わないようかつ、しっかりとその陰を見てみると、何と人影であった。
その人影は完全に人型であるか判断できないが、こちらを見ていた。
その人影が見えた際、星夜は最大限の警戒を抱く。
実際、召喚した神を除いた魔術士が、例え自分達を保護できたとしても、それでも膨大な魔力を必要とする。必要な魔力値は完全に人の身で宿す限界を遥かに超えている為、何百何千下手すれば何万何十万という魔力をしようする為である。
なので今見える人影は、最低でも神に近しい者か、或いは正真正銘の神でしかないのだから。
警戒していると、突如自分達を見ていた人物らしき存在が、突如口を開く。
「やはり――通り、――――――が居ましたか……。我が―――きをう―――――よう、そしてじゃ――をは―――もらわなければ―――。それにしても――られますね。流石――ですか。」
「ま…て、お、お前…は?」
星夜が耳にしたのは声的には女性の声であり、正体に疑問に思った星夜は途切れ途切れになりながらも、警戒しつつ質問をする。
「あら、聞こえてましたか。まああなたには関係ない事でこちらの話です。」
「ま、まて―――。」
「ああ、そうでした。せっかくですから、貴方の解放の手助けしましょうか。」
「な…なに、を。」
「簡単な事です。向こうについてから確認してください。では……。」
その女性が言葉を発した瞬間、クラスメイトと同様に星夜の意識が途切れた。
次元を繋ぐ道にいた女性は、いつの間にか消え去っていた。
今回もこの作品を読んで頂きありがとうございます。
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次回はできれば早めに投稿します。
次回もこの作品をよろしくお願いします。
別(話が繋がっている)の作品『超越者の冒険録もよろしくお願いします。
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