1.訓練の日々と飯那健介1
すみません、少々投稿が遅くなりました。
この世界に来て数日が経過した。流石は勇者であるクラスメイト達であるのか、騎士長と魔道長曰く凄まじい成長速度であるらしい。まあ、俺から見てもそう思う。
実際……。
「光様、聖堅流剣術にしては若干型が硬いです。防御を意識し過ぎです。少し滑らかさを意識しなければなりません。後、若干の魔力の乱れが御座います。乱れをなるべく最小限に」
「はいっ!分かりました。」
「逆に大河様は攻撃に意識し過ぎです。型は堅くはありませんが、足元の防御または直ぐに回避できる状態ではございません。もう少し引き気味でよろしいかと。魔力伝達はかなり素晴らしいかと。」
「うっす。ありがとうごますっ!!」
「紗江様は、……相変わらず惚れるように綺麗な剣筋ですね。流派が他の方とは違いますが、一目見てもかなりの練度かと。それに魔力伝達の部位も足に絞って素早さを意識しているのですか。素晴らしいですね。ですが気になる部分がございまして、若干重心が右側に寄り過ぎているのではないのでしょうか?少し、左側への移動や斬撃が苦手な様子。直す方がよろしいかと。」
「ありがとうございます。気を付けてみます。」
といった様に物理近接系は、武器の扱い方(武術の型)や戦い方や身体強化とかスキルや技の習得などに励んでいた。
そして他の三つの所も同じような感じで、まず最初の頃は武器の扱い方であったり魔力操作の訓練を行っていて、物理遠距離系は実際に摸擬戦をしつつ位置取り・足運びそして中には陰密性のスキル獲得と、魔道系は座学での詠唱の暗記や魔法陣の構築と学び実践していった。特殊系はそれぞれが独特な能力・成長方向なのでそれぞれ専門的な人に教わっているみたいであった。
中でも、神流光や大生院花蓮を含めた何人かが特に成長が早く、やはり向こうと同じように優秀な奴はかなり感覚的に天才肌なのだなと感じさせられた。……いや、人一倍真面目に取り組んでいるからなのであろうか?まあ実際に、各々とスキルを獲得していたりレベルを上げていたりして騎士団……聖騎団?聖騎士団?まあ、その人たちも成長速度に驚かされていたが、その数人は、数段上のステータスの記載であった。
まあ、勿論真面目にやっている人達も居れば不真面目にやる奴もいるのだがな。
それから数日程経つと、自分達が現在訓練している物と違う系統を受ける者が出てくる。やはり、少し他の場所も興味があったのであろう。それぞれが違う系統の訓練を受け、それぞれがどの方向性を伸ばしていくのかを決めていた。
かく言う俺も、少々他の所が気になっていたので違う系統の訓練に参加していた。
まあ、ちょっと個人的に不満があるとしたら魔道系の分野で、少々魔道に関する知識が足りていないことである。最初の頃に魔法について問題があったのだが、それ以前に魔術構築の魔術を構築するための魔術文字と魔術線(魔術円環)に関する知識が少ないせいか、規模は単純に大きくしただけ、威力は魔道文字がごっちゃ(誤った文字や文)になっているからただ単に魔力消費に比例しているだけの欠陥品であったりしていた。
どうしてこの配列で魔術行使しているのだろうか?寧ろ芸術的な物を感じさせられると言える物であった。
まあ、そんな風に過ごしていき召喚されて約半月程が経過する。
そして俺はというと、現在訓練が終わって日が沈み夜になった中、少し教会内を歩いていた。
先程までは風呂に入り一日で溜まった疲労を癒していた事だ。自室に戻っていたのであった。
少しゆったりとぶらつきつつ自室へと戻っている中、俺の感知能力に引っかかる物があった。
どうやら感知能力に引っかかった物は、どうやら現在いる廊下から外にでて少しの所かららしい。
その場所は、実際に教会の建物の裏手の場所で少し見つかりにくい場所であった。
ちょっと気になったので、その現場へと向かってみる事にする。
そうすると、何人かの生徒が一人の生徒を囲って何やらやっているようだ。
俺はそいつらの立ち位置的に虐めか?と思いつつ、少し声を掛けてみる事にし近づいてみた。
近づいていく内に、何やら見覚えのある背格好だなと呆れつつ、取り敢えず声を掛ける。
「おい、一体何やってんだ?お前達。」
「あん?お前か最上。今俺達は忙しいんだ。なぁ、お前達。」
「おう、今、ちょうど良い所なんだぜ。」
「てか、お前何でいんだよ?」
てか、後ろ姿である程度予想できていたのだが、こいつ等いつも俺に絡んでくる小悪党の後藤達だわ。
で、今囲まれているというか、転がっている人物は、確か飯那健介じゃなかったっけ?すまん、うろ覚えだわ。
「いや、何、駄々洩れな魔力があったから気になってきたんだよ。何お前ら?まさかここで魔術を使おうとしていたんじゃないだろうな?それも的や敵でもない味方に。」
「うるせぇ。別に俺達の勝手だろ?てか、お前何様だよ。関係ねぇんだから首突っ込んでくるなよ。」
「てか、後藤。此奴いまならやれるんじゃね?俺達三人だしな。」
「前から邪魔くせぇと思っていたんだ。良いんじゃね?」
……ほう、どうやら飯那健介?から俺に標的を変えたようだ。まあ、こいつららしいわな。
それに、今現在転がっている飯那健介?にもちょっと興味が湧いた。とっとと、こいつらボコるか。
「何お前ら?今なら俺をやれると?」
「そうだ。今お前は武器を持っていないっ!つまりあの魔力で形成された爪だけに気を付ければ良い!こちらには魔術を扱える井口がいるからなぁ!」
「そうか、単純でつまらん、眠れ。」
「なっ!うぐぅっ!?」
俺は一言告げ、移動系上級スキル瞬歩を使い懐に入り後藤の顎へと蹴り上げた。
後藤から見たら、多対一という事で気が抜けている状況で、突然目の前から俺の姿が消えたように見えただろう。少し意識していたらこいつらの身体能力的に目に追えたはずであった。まあ、仕掛けた側で油断しているのが悪い。
後藤は、顎に蹴りを受けた瞬間体力はそこそこにしか減っていなかったが凄まじい衝撃を受けて脳震盪で気絶した。
「なっ!?卑怯だぞ!お前っ!!」
「何だ?多対一でやろうとしているお前達は卑怯では無いのか?そうか、俺とお前達の価値観の違いだな?済まんな。」
「うっせぇっ!これでも喰らえっ!「『重斧!!」
「……っ!俺の魔力から生み出されし風よっ!!敵を……」
「取り敢えず、…隙だらけだっ。」
俺は後藤を気絶させ倒した後に、斧を担いで技を使いながら突っ込んできた斎藤武に対して、足元がお留守であったので軽く足払いを掛けつつ、態勢を崩した斎藤武に対して追撃で頭上から叩き込むかのように魔力を纏い身体強化した拳で胴体へと殴りつけた。
流石に防御をせず諸に喰らった為か、ダメージが大きくらしく体力は全損で体に深いダメージを負って起き上がれないようだ。
どうやらその間に井口孝太郎が魔術が構築していた。伊達に勇者として召喚されたからだろう、結構の量の魔力が構築していた魔法陣に籠められていた。まあ、無駄な魔力もかなりあるのだが。
「…打ち倒す刃となれっ!『風の刃!!』
「『魔術破壊』」
「なっ!?俺の魔術が消されるなん……ぐぁっ。」
俺は井口孝太郎から撃ち出された魔術を把握し破壊した。そしてその魔術を破壊した光景に井口孝太郎は流石に消されると思っていなかったのか、唖然と呟いていた。
まあ、そんな隙を逃す事は無いので、きっちりと顎アッパーで脳震盪で気絶させた。
これで小悪党三人組は倒れ込んだ。(きっちりと倒れ込んだ斎藤武も気絶させた)
「で、元気か」
「あ、ありがとう。最上さん。」
「ああ、気にするな。ちょっと興味があったからな。」
そして、俺は興味対象者である飯那健介と話をする事にした。
重要なサブキャラ(今後恐らく)の飯那健介君がでてきました。
一応、この物語の強者キャラの一角の予定です。
今回もこの作品を読んで頂きありがとうございます。
誤字脱字や感想や評価なども頂けたら有難いです。
次回はできれば早めに投稿します(最低でも3、4日程)。
次回もこの作品をよろしくお願いします。
別作品『超越者の冒険録』もよろしくお願いします。(物語の舞台や時系列は同じなですので読んで頂けると有難いです。
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