11.side:大生院花蓮1
投稿が大幅に遅れてしまい申し訳ございません!!
次回は今回の様に大幅という訳ではありませんが、少々遅れます(できれば早めに投稿します)。
最上星夜が今後について頭を悩ましている最中、クラスメイト達は今日の出来事を仲の良い人達と個人部屋へと集まって、会話をし盛り上がっていた。
その中で、大生院花蓮も同様に自室で集まり、友達と会話を弾ませていた。
「何だか、今日一日濃い日だったなぁ~。」
「ねぇー。確かに今日は色々と凄かったよね。紗江ちゃんもそう思うよねぇー。」
「ええ、私もそう思うわ。いつも通り何気ない学校生活を送ると思っていたのに、突然異世界に来て世界を救う事になるなんてね。」
「真奈ちゃんもそう思うよね。」
「う、うん、私もそう思う。」
大生院花蓮も含めて4人が個人部屋へと集まっていた。大生院花蓮の交友関係で言えば、東城紗江が中学で、そして高校で好奇心旺盛で元気っ子である中村亜紀と穏やかな性格だけど少し気弱な性格の野々村真奈で、この4人がかなり仲が良い。
因みに、大生院花蓮が社長令嬢だと知ってる上で普通に接してくれる者達でもある。
「でも、こういうのも何だけど、異世界での剣と魔法!そして冒険でちょっと楽しみな自分がいる。」
「うん、私も今日実際に見て少し興奮して気持ちは分かるけど、私たちが勇者なんて……。」
「ええ、正直に言って荷が重いというかガラじゃないわよ。」
「私は、そもそも戦いが怖いのだけれども……。」
中村亜紀はウズウズと異世界の冒険について思い、大生院花蓮と東城紗江は自分達が勇者だという事に、本当に良いのだろうか?しっかりとやれるのかと心配に思い、野々村真奈はそもそも戦いたくない・平和でありたいと思っていた。
だが、それでも……。
「でも、凄かったな~。魔法。あれ?魔術って読んでいたっけ?同じもんだと思うけど。」
「確かに凄かったね。ダ―イングさんだっけ?あの人が出していた。色々な色の玉見たいな物で的を壊していたし、本物の魔法だったよね。」
「ええ、私の方は魔法は見ていないけれども、実際に対戦してみて非現実な事だと実感したわよ。」
「紗江ちゃん凄かったですよ。ちらりと見てみたのですけれども、早かったです。そしてとても綺麗でした。」
「誉め言葉ありがとう。まあ、負けたけれどもね。ステータスがこちらが上だったのにね。」
実際に見たり体験したりして、この場所が非現実的である異世界だと理解させられたり、その上でちょっと魔法などに興奮している自分達が居る事も理解していた。
それぞれが、今日の出来事を回想していると、東城紗江はふと何かを思い出すかのようにハッとした。
「そう言えば妙な事を感じたのよね。」
「うん?何があったの紗江ちゃん。」
「ちょっと待ってね。今思い出すから。」
と、東城紗江は3人に言いつつ、自分が感じた事を思いだす様にと考え始める。
そして少し時間が経ち、何が自分が妙だと感じ取ったのかを把握した。
「そう言えば、花蓮ちゃんの彼氏の…。」
「えっ?いつの間にか付き合い始めたの!?」
「彼氏……って、まだそんなんじゃ無いからっ。」
「まだね……。まあ、一端その事は置いといて…最上君か、そう最上君に疑問を感じたのよ。」
「最上君に?」
「な、何を疑問に思ったの?」
「彼、余りにも自然過ぎたのよ。摸擬戦の時。」
少し大生院花蓮の最上星夜との事で話が盛り上がりかかったが、疑問を感じた東城紗江が一端置いといて話を続けた。その際に摸擬戦の時に最上星夜が自然過ぎた事に疑問に感じていると言うと、余りピンと理会できていないのか、3人はお互いに顔を合わせて、何か問題でもと言うように、首をかしげる。
ある程度、このような反応になるだろうと予想していた東城紗江は、しっかりと分かりやすいように説明していく。
「私の家が道場開いていて、幼い頃から私が剣道をしていた事は知っているよね?」
「うん、一度紗江の家へとお邪魔させてもらった時に教えて貰ったからね。」
「結構大きな家だったよね。というか屋敷?と思わせる位の大きさだったよねっ!!」
「初めて来たときは驚きました。」
そう、実際は東城紗江は周りの人が知っている通り、近くの道場に通っているのではなく、そもそも自宅が道場を開いていて、そこで剣道をしていたのであった。
「まあ、家の事は今は関係なく、私が剣道をしていた事が重要であるの。まあ、これは剣道だけではなく、他の事も関係あるのだけれども、皆、スポーツや料理とか何か初めて行う時ってどのような感じ?」
「?初めてやるからできなかったり、簡単な事でもぎこちない様子だと思うけれども……。」
「そう、余程の天才……いや、天才でもいきなりやる事は不可能なのよ。例え才能マンでもある光でもね。」
「どうして突然そんな話を?」
「私も剣道をしていたから、今日の摸擬戦でも戦えたのよ。でもね、流石に最初から全力でっという事は無理だったわ。」
「た、確かに最初の頃よりも途中の方が速かった気がする。ま、まあ、目で追えなかったからあやふやなんだけれどもね。」
「劇的な身体能力の向上で、自分がどこまでやれるかが分からなかったのよ。だから最初は自分の限界を探りながらやっていたのだけれども、身体能力が上昇し過ぎていて、結局完全に振り回されていたのよ。だから、さっき真奈ちゃんが綺麗だったと褒めてくれたけれどもいつもよりも若干ぎこちなかったのよ。」
「そうなん!?じゃあしっかりと練習していけばあれ以上に強くなるってことじゃん!?」
「まあ、そうなんだけれども。それで、最上君なんだけれども自然過ぎたのよ。まるで最初から自分の事を理解していたかのように。というか掌握していたかのように。」
「あ、ああ、だから自然過ぎたって言ったのね。」
「そう、私も剣道と言う名の武道をかじっているからある程度戦える事はできるけれども流石に身体能力の変化までは簡単に対応できないわよ。なのに彼は自然体でいれた。そこが謎なのよね。」
勿論、騎士達から見た最上星夜は、かなりの才能マンかある程度戦闘行為を行っていた経験者なのかという判断をして見逃しがちで、そして当たり前なのだが、クラスメイト達は元々戦いに無縁であった為気付かなかったと言える。実際にある程度武道をかじっていた東城紗江が気付かなかったら大生院花蓮達も気付けなかったのであったのであった。
「まあ、でも、うん、相変わらずカッコよかったなぁ~。」
「また始まったよ。花蓮ちゃんの惚けっぷり。」
「最上君の事になるといつもこうなりますよね。」
「……はぁ~。まあ、今考えても意味無いか。取り敢えず、花蓮ちゃんを元に戻すわよ。」
それから結局、最上星夜の摸擬戦時の事は流され、少し会話をしたら解散する事になり、各自、自分にあてがわれた自室へと戻っていく。
そして、濃密な一日が過ぎ去った。
今回もこの作品を読んで頂きありがとうございます。
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次回は少々投稿が遅れます(できれば早めに投稿します)。
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