9.専属メイドからの説明1
すみません、投稿が遅れました。
騎士達や魔導士達に戦闘の指導をしてもらった俺達クラスメイト達は、時間も経ち日が暮れそうな事とクラスメイト達のスタミナが無くなった事で、一日目の訓練を終了する事にし、クラスメイト達は一先ず汗を流す為に教会にある大浴場に入り、その後に夕食にした。
大浴場は満足出来る程広々としており、女子の方は知らんが男子共は今日一日で夢みたいな事を体験した事もあるが、まあ、この世界の成人の基準が分からないが、まだ未成年の学生という事もあって、かなりハチャメチャに騒ぎ立てていた。
皆何気なく入っているが、大浴場のお湯は魔道具を使用しているのか、疲労回復と体力自然治癒力向上の二点が付与されていた。
何となく騎士達や魔導士達の防具や法衣や室内にある文明レベルを把握してきたから言える事だが、この浴場だけでもかなり奮発しているように感じられえる。……いや、魔力を込める(少し量が多め)と、自動的に付与がかかったお湯が半永久的に流れる為、正確には購入時或いは建設時に奮発したと言える。
まあ、お陰で一日中に溜まった疲労が無くなっていくように癒されていく。
………取り敢えず、おい、男子共。風呂場では騒いではいけないと母ちゃんに教わらなかったか。少しは静かにしろ。
そして夕食なのだが、まあ、流石に料理は変わっているが、方向性はあまり変わっておらず、昼食同様、少し肉類が多めの料理であった。
俺としちゃ嬉しいのだが、小食気味な何人かのクラスメイト達は少し戸惑いや躊躇を覚えていたが。
そんな感じに夕方を過ごし、時刻は夜になる。
夕食をクラスメイト全員が食べ終えた時には、すっかりと夜になっていた為、各自教会にある個人部屋にへと移動した。
その際は、各自一人一人メイド兼信者の者達が付き添い、それと同時に今後の勇者の世話付きとして宛がわれた。
「私は勇者様にお仕えすることになりました。メイドのユミと申します。本日よりよろしくお願いします。
俺の付き添いのメイドは、ユミという猫の獣人であった。
パット見の印象としては、少し長身気味な身長に長めの茶髪ヘアーで、目元がキリっとした水色の瞳。発育面ではかなり良いと言っても良い位、凹凸がはっきりしていた。
「勇者様、こちらが貴方様にあてがわられた部屋で御座います。」
「ああ、ありがとう。」
「……喉は乾きましたか?お飲み物を運んできますが。」
「まあ、待て。取り敢えず、勇者様って何か堅苦しいから、適当に星夜か最上で良い。」
「そういう訳にもいきません。勇者様は我々の世界の救世主様ですから。流石に……。」
と、言った感じに、見た目から想像できたのだが、かなり堅物というか真面目過ぎると言うか、……まあ、ちょっと性に合わない。
「じゃあ、様付けで良いから、正直に言うと、勇者と言われるとクラスの皆と間違えそうだ。」
「あ…、それは失礼しました。では最上様とお呼びいたします。」
「ああ、そうしてくれ。……それで、ちょっと話を聞いてみたいのだが良いか?」
「構いません。お答えできる物でしたら、お答えします。」
俺はこの世界に来てから疑問に思っていた事を何点か聞いてみる事にした。
正直、神流光だけが原因とは言わないが、殆ど何も聞かずに了承したせいで、情報がかなり不十分である。
その為、少しでも何でも良いから情報が欲しかった。特に使徒の事と第二にこの世界での一般人の常識や実力。そして第三に今いる場所の詳しい情報と他国の情勢。
取り敢えず、落ち着いて話を聞くために近場の椅子に座り、メイドのユミにも座る様に進めるが、自分は最上様のメイドですので、と言い座る事を拒否して俺だけが座りメイドのユミは立って聞くことになった。
何か釈然としないが、まあ、一端流す事にして話を聞いてみる。
「では、第一にだ。まず、昼頃の教皇の説明で、使徒が出たとか神様から使徒をどうにかしてくださいとお願いされたって認識何だけど、実際にここでは使徒について把握していないのか?それに他国でもいいから詳しい情報は無いのか?」
「申し訳ございません、私では精密な情報は持ち合わせていません。私も耳にした事は教皇様が申し上げた通りの情報のみで御座います。」
「そうか。……じゃあ、教皇が言っていた事なんだけど、実際に使徒の存在を確認したのだろ?どのような状況だったんだ?そしてどのような結果だったんだ?」
俺は一度スキルを使用して、メイドのユミからより詳しい情報を聞こうとした。
その時の俺の変化に、目の前にいるメイドのユミは少し戸惑いながら訪ねてくる。
「……あの、その瞳は魔眼で御座いますか?瞳が少し青みがかっているようなんですけれども。」
「いや?……まあ、そういった能力だ。実際の能力は、まあ、ベターな能力である真偽が判定できる物だ。対象者の言葉の嘘発見器的な物だ。」
まあ、実際のスキルの効果は違い、瞳の力の内の一つで真偽を見分ける事ができるだけである。
「……そうですか、分かりました。私が知っている情報を包隠さず話しましょう。……では、先ず――――
という事で、メイドのユミに話してもらい、少しだけ現状を理解できた。
情報を纏めると……
・一度、魔族が中心の魔族国と人族や他種族が暮らしているアルマン王国という場所との戦争は、起きたは起きたらしい。
・だけど実際の戦争の内容があやふやであり、自分が冒険者ギルドで聞いた情報と貴族間での話では、とある人物が終わらせたとか、何かマズい事があって隠滅したのか、そもそもデマだったとか。
・冒険者ギルドでは、とある人物達が今回の功績で冒険者ランクSランク以上に昇格するとか何とか。
・その冒険者達の二つ名は『黒月』或いは『一人軍隊』と最上級適正職業である聖女の『聖乙女』の二人らしい。
・冒険者ギルドからの報告とアルマン王国からの情報伝達では、魔族国との戦争時に使徒が介入してきたのだと。
・結局、冒険者ギルドも話の規模が大きすぎて誇張されたのではないか?という結論しているらしい。
・この国に居る聖女様が天啓を拝聴した所、勇者召喚するとのことと、使徒なる存在が居るとのこと。
と、随分と物騒な話と興味深い話が出てきた。
「黒月と聖乙女だっけ?そいつら何者なの?戦争で活躍したとか言っていたけれども、一応有名になっている程なんだろ?」
「はい、実際その二人の人物について教会も少し情報を手に入れました。二人はつい最近成人を迎えたばかりの青年でして。」
「すまない、まず成人はここでは何歳からなんだ?」
「ああ、えーと、15歳からでございます。」
「そうなのか、分かった。話を続けて。」
「それからこの世界の住民は、必ず教会でステータス鑑定版を授かる慣例があるのですが、その黒月と聖女も慣例に沿って授かったらしいのですが……。」
「何だ?」
妙に、言葉を詰まらせたメイドのユミに疑問に思い、話を続けるように促した。
そして次のユミの言葉で一瞬思考が停止する。
「聖乙女の方は最上級適正職業の聖女であられたのですが、黒月の方はステータスが無かったらしいのですよ。」
「はっ?」
今回もこの作品を読んで頂きありがとうございました。
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次回は少々投稿が遅れそうです。
次回もこの作品をよろしくお願いします。




