~第7幕~
俺がニッコリ警備に入社して3日経った事だ。宮迫と休憩が一緒になって妙な話をふっかけてきた。
「あのさ、実は兒島君に話があるのだけどさ」
「何ですか?」
「ここのビル、俺達の待機所の近くに多目的トイレがあるよね?」
「え~と、はい、ありましたね」
「そこで赤ん坊の悲鳴が聴こえるのよ」
「え? それって?」
「俺ね、こないだ落とし物しちゃってさ、帰ってきたのよ。その時に聴こえてね」
「こう、マナーの悪い人がいるのでしょうね。けしからんことです」
「それがずっと聴いていると、渡部君の声まで聴こえたのよ」
「えっ!?」
「でも流石に覗いちゃいけないな~って思いつつ帰ってさ」
「なんていう話です……アイツ、ワタナベだけど、間違ってワタベって今度から呼んでしまいそうです」
「それよりか、俺達の立場よ。あの人のせいで俺たちの楽しい現場を失う可能性だってある」
「正規職員ですものね……真面目に仕事はしているのになぁ」
「なぁ、ちょっといい?」
「はい」
「今日さ、遅くまで残って確認してみない?」
「ええっ!? 確認するの!?」
「いや、だって本当にやっているかどうか確認しないといけないかなって」
「えっと……はい、まぁ、やってみましょうか。わかりました」
「恩にきる! ありがとう!」
宮迫はそう言って俺の手を両手で掴み、頭を下げた。ていうか、このおっさんは一人でそういう事をしない人なのか? 俺をわざわざ呼ぶ理由がよくわからんが、俺も一職員として気になる話だったので、彼と一緒に退勤後も残った。
そこで目にするものが衝撃的なものだと知らずに――
∀・;)うお!?なんという展開!?また1時間後!!