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~第12幕~

 とある雑貨ビルのバーで不死身社長と俺は呑みを共にすることとなった。不死身のよく通う店なのだろうか。ママさんと気軽に「最近どう?」みたいな会話を軽く慣れた感じで交わしていた。



「新しい現場が出来た話は聞いたかな?」

「はい、それより大和田専務の社長に対する明らかな悪口が印象に残りましたが」

「はっはっは! あれはいつものノリさ」

「いつものノリなのですか!?」

「大和田君はあれでも一生懸命会社の営業や事務業を懸命にこなしてくれるから。信頼はしている。ただ野心家でね、そこは目をつむっているよ」

「そうなのですか……露骨すぎる野心家ですね」

「まぁ、君も彼には慣れてくれ。これからも共に働く仲間なのだし、それでね、今日あった新しい現場の話、トランプビルを撤退して参入しようと思っている」

「え!? そうなの!?」

「ああ、私は君達職員を護りたいから。ところが、どうもきな臭い話をサッシーから聞いてね、君達は知るべきだと思うがどうだ?」

「そりゃあ勿論聞きたいですけど……」

「今日、君にバズーカを撃たせたのは、私を怒らせて君を解雇させるという目的があったようだよ。他にも、子供のトイレ介助に悩んでいる渡部君に如何わしい声をだす赤子マネキンを買わせて誤解を招くように仕向け……」

「本当にそうなの!? というかまんまとその手にのるの!?」

「トランプビルの撤退と共に人員を削減させて、浮いたお金をポケットに入れる算段をたてていたと話していたよ。私には手の内を話さないけど、サッシーには話しちゃう彼なのよね」

「…………」

「まぁ、信じるも信じないも君次第。いや、君達次第だ。もし憤りがあるならば、トランプビルの現場を引き払ってから本社へ行って、大和田君にガツンと言ってやれ。ああ、そうそう、トランプビルの最終日今日だったわ!」

「今日が最終日だったのね!?」

「でも話した通りだ。明日か明後日にでも3人で集まってよく話し合ってくれ。私は君達に引き続き頑張って貰おうと思う。頼むよ」



 社長との飲みの後は社長が手配してくれたホテルの最上階に泊まった。何故こんなにも待遇がいいのが本当に謎な会社だが、俺はその内側を覗いてしまった気がする……しかし俺を解雇させるって本当だったのか?



 俺は酔いが醒めない感じがありながらも、渡部と宮迫へ電話をかけた。



 翌日、街中の喫茶店で俺達トランプビルの3名が集まった。



「そうだったのか……俺が入社して半年経った時もバズーカを撃たせてもらったモンだったなぁ。でも社長が突然発光して、何事もなかったかのようにして無くなったなぁ」

「いや、何だよ? その怪奇現象は?」

「それで棒島君、渡部君にもそういう事があったという事は社長の話って……」

「兒島だよ! 棒島って何ですか! 日本列島ですか! とにかく渡部の話したことも事実だとすれば、専務は間違いなくトランプビルを引き払うとともに俺をはねる気ではいた……のは確かだ……」



 俺は急に何だか寂しい気持ちになった。そこを渡部が見逃さなかった。



「社長になんて言われた?」

「え?」

「ガツンと言ってやるのだろ?」

「そう言われたけどさ……」

「ガツンと言ってやろう!」

「え!」

「俺も一緒に行く! 何があっても社長が味方になってくれる筈だ!」



 渡部は俺の手を熱く握った――



「おじさんは行かないね! おじさんはお家で2人を応援している!」



 このおっさんの言葉はいらなかった――




 そして俺と渡部はニッコリ警備本社前に立った――




∀・)はい!次話で最終回です!そのラストを目に焼きつけろ!また1時間後!

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