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4.0話 山の集落

冒頭少しだけグロ?

 ―――あれから10日後


 交易の商人が来た。

 そのことを、狩りの獲物だった鹿の一部を解体していた自分は遠目で見ていた。

 その商人の男は35歳ほどだろうか。

 中肉中背で髭を生やし、肌は焼けており、巻いている布はいくらか黒い。馬のようなものを引いていた。


 今年は聞きたいことが多かったため、そわそわしてしまうが、血に塗れた今の状態では近寄ることはできない。

 商人と、この集落の備蓄担当であるファズが応対するところから目を戻して、解体を片付けようと、その肉塊に向き合い、無心で解体した。

 4年前から解体はしていた。最近、狩りに参加するようになってから慣れ始めたところだ。



 それが終わり、血を川で洗い落とし、布を巻き、商人のもとへ向かう。

 すると既にそれぞれが交換する物を布の上に広げ、ファズと商人が話をしていた。近づくとファズが気付いた。


「おうきたか」

「遅くなりましたファズさん。ジルさん、今回も祝福があり何よりです」


 そう言って、両名に挨拶した。商人、ジルも返答する


「そちらも祝福があり何よりで…」


 旅程や、収穫などの無事を祝う言葉が、通例の挨拶であった。

 祝福という言葉を使う事柄は多岐に渡った。


 ここ2年ほど、助手という形だろうか、ファズと一緒に話をさせてもらっている。

 ファズは45歳ほどであるが、まだまだ壮健である。

 医療のないこの時代にはそれでも長生きしてる部類だ。


 それから、言葉を交わして品物の話になる。


「ここ最近より布を増やしましたね、そこまで順調に?」


 ジルがそう聞いてくる。すかさずファズが


「このトーラが作ったもので、最近時間が余ってな。暇になって織る者が多くなった」


 と言う。いつも持ち上げてくれるが少し気恥ずかしい。

 そう聞いたジルは「ほぉ」と言い、にこやかな顔を向けて聞く。


「ということは麦を増やすおつもりはありますか?」

「そうだな。そうしてもいいが、もっといるのか?」

「あれば欲しい、という所ですね。主に麦酒用ですが」

「はぁー、好きだねぇお前さん方も」


 ファズとジルの会話が弾んでいく。


 ジルのいる集落は周辺を山と川に挟まれ、谷状になっている所のようであり、麦はあまり作れてはいないらしい。

 しかしそこの人らは、無類の酒好きであるようで、蜂蜜酒や果実酒なども作っており、今回の交易でも持ち込まれていた。山の集落と自分は区別している。


 そんな会話をしつつ3人で交易の話を進めていく。


 一通り品物を見た後。


「折角ですが布や羊毛は、前回の数で既にこちらとしては足りております。こちらも荷車のおかげで少し余裕がありますから」


 ジルはこちらを見てやはりにこやかにそう言う。


 荷車はその構造を商人に見せて、その山の集落にも伝わっていた。

 友好的関係の上での交易である。

 秘匿はしないほうがいいし、飢えて攻めてこられるともっと困ることになる。


「そう言って頂けると励みになります。あとは、これも先日作ってみたのでのですが・・・」

 自分はそう言って包んである布を開いた。


 出てくるのは薄緑色のリング。それを差し出して感想や意見を求めてみる。


「ほぉー、これはまた綺麗なもので。川石を磨いたのですか?」


 そう聞いて、ジルはリングを手に取る。「そうです。」と答える。

 真剣な表情で品定めをしている。

 ジルはリングの裏表を、そして1周まわしてみる。そして、こちらを向いてににこやかに、


「良いものですな。女性も、我らの長も、きっとこれは気にいるでしょう。」


 と言ってくれた。「ありがとうございます。」と素直に感謝を述べる。


 リングは、母ヘスから集落中に広まり、あっという間に女性らがそれを求めた。

 3台目糸車は既に十分であろうと保留となり、それに回されて少しずつ作っている。

 糸車兼用の物であるため、たぶん集落の女性の分は大丈夫だろうが、量産するとなるとすぐ壊れてしまうだろう。新しい水車が求められた。


 なので

「こちらの神子は、それには祝福がありそうだと言っております。非常に時間ががかかるモノですが、祝福を願う証として、今回その石をお渡ししようかと」


 と言うことにした。

 ジルは満足そうに頷いて、それはありがたい、と言って布に戻した。そして


「実はこちらにも見せたいものがありましてな…。…これですが」


 革の袋から、布に包まれたそれを取り出して、手の平の上に乗せたものを見せてきた。

 それは黄色の光沢をもった、非常に小さい板のような物であった。


 ファズと一緒に身を乗り出して、小さいそれを見る。ファズが先に問いかける。

「綺麗な色をしているな、どうしたんだコレ?」

「子供が作った土器を焼いたらこれより小さな物が出てきまして。不思議に思った大人が、子供が採った場所や土を焼いてみたら、これが出来たということですな」

「ほお、まるで小さい陽のようだな」

 ファズはそう感想を述べる。「そうですよね」とジルが返す。


(金か銅…だよな)

 黙ってそれを見ていた自分はそう思っていた。スズを少量含んだ銅というよりは、やはりそれは金であろう。


 ジルが続ける。

「そうしてあちこちから集めた土や、石を焼いてみて出て来たものがこちらです」

 布にまとまっている鉱物を出してくる。


 金の他に、褐色や銀色のやはり小さい楕円状のモノが無数に出てくる。


(こっちが銅か、これは銀なのか?スズか鉛か…)

 触るか詳しく見ないとわからない。

「少し見させてもらっても?」と聞き「ええどうぞ」と承諾されたので、銀色のいくつかを手に取り見てみる。


 重さ、硬さ、手触り、光沢を比較する。

 その間、ファズとジルは「なんで石を焼こうと?」「えぇまぁ…」などと話している。


(鉱山が近いとか?)

 一般的な金属の知識はそこそこにあるが、自然鉱石がどういう物かは定かではない。

 石を鑑定しても、鉄です、銅です、とは表示されないため、そのあたりは後回しにしていた。


 そして一区切りついたのか、ジルが。


「“それ”で何か作れないか色々やっております。出来上がりましたら交易の品となりお渡しできる日がくるでしょう。まだ頂いた磨き石ほどの物ではありませんが、そちらを今回の返礼の品とさせて頂ければと思います」


「よろしいので?」と聞く。「そちらがよろしければ」と返ってくる。



 ありがたい。あとで詳細に鑑定して文字を特定すれば鉱石探しができる。

 既に牧畜、農耕などはある程度、安定しつつある。自分にはその知識はあまり無く、特に立ち回ることもなかったので、偶々そういう時期であったのだろう。交易の品として工芸品がこれから主流となるかもしれなかった。


 そうして、布に包んだリングと輝く粒はそれぞれの祝福を願い、交換された。




 ――――



 その後、商人は2日ほど滞在した。山の集落までは20日かかる。

 その間に、集落を一通り見て回り、水車をまた実演した。


 自分は商人先輩であるジルさんに、様々な質問をしていた。

「商人になる時にはまずは1度こちらに来て頂ければ…」とも言ってくれた。

 川に沿って歩けば着くらしい。


 そうして体を休め、食料を持ち、交換した品物らをロバに乗せて帰った。



 鉱石探しだが、土を指定して鑑定することもできたが範囲が広いのか。目的の物質を探すまでが大変であった。

 あったらないいなと“検索”と念じると入力欄が出てきた。その文字をイメージすると少量ヒットしたが、位置は示してはくれないため、ひとつひとつの石を鑑定しなければならず重労働であった。

 目視で見つけた少量の砂金以外の成果は無かったこともあり、ひとりで探すことは諦めることになった。


 狩りの描写はどうしてもグロいので、ソフトにアピールすることに。崖先輩とかは周辺にないです。

 そして商人ですが外交下手な私にゃつらい。。貨幣もないし。。骨格がまだ定まってません。。

 鑑定は地面、空気、川などに対しては10mx10mx10m程度の範囲で見れます。人間探知機です。かつて地球では、鉱石はそこらへんに落ちていたらしいです。


ご意見お待ちしております。

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