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転生日

試作1号です。お手柔らかに願いしますm(_ _)m

 深夜、ところどころ立ち上る炎の煙と明るさ。

 さえぎる家屋がないのか、遠くのその光まで見えるかもしれない。

 そのがれきの中にその男はいた。


 気付けば身動きは取れなかった。目の前には天井の一部と割れた木材。

 棚と思しき木目の板がのしかかり、腹部にはそれ以上に重い痛みが走っている。

 背中にはベッドの感触以外に何か湿っている。

 呻こうと息を吸ったら、胸のあたりが痛んだ。痛みで動悸が激しくなる。あちこちの痛みが激しくなる。

 現状を認識して主人公は生を諦めた。うつ病の気もあったかもしれない。

 自殺とまではいかずとも、いつでも死んでもいいとは常々思っていた。


 行くのは天国だろうか地獄だろうか。いやいや、ただの無になるだけだろう。

 輪廻とかもあるかな。

 そういえば中学の頃の美術でそんな題名で作ったっけ・・・黒歴史・・。


 自嘲気味な考えから走馬灯を感じていたら動悸が収まってきた。

 それから一泊置いて今度は全身がしびれてきた。腹部はずんずんと主張を止めないが。

 目を閉じてそれを感じているとどことなく落ち着いてきた。

 耳を澄ましてみる。バチバチとどこからか音がする。それだけだ。

 本当に静かだな・・・



 ――――




 暗転


 喧噪


 転がる


 持ち上げる


 移動する。光が見える。


 突然暗くなる。



 ――――



 夢・・・?


 意識が戻った。日の光が感じられる。手を動かそうとするがあまり動かない。


(そうだった下敷きか)


 おぼつかない思考で目を開く。誰かがこちらを見ている?




 え?


 驚いて覚醒する。


 霞む目でまじまじ観る。男の人の顔だ。ハハッと笑ってる?



 何?誰?



 周りを見ようと顔を動かす。頭が重いが、何かで支えられて途中で止まる。



 石積みの何かと土壁?床も土がむき出しだ。天井のない屋根・・・



 後ろの支えで頭が戻される。男の人の手?



 視点が持ち上げられ、いや体が持ち上がっている。男の人に抱かれている。



 壁に寄り掛かった女性が見える。





 思考が追い付かない。



 男性が何かを言い、女性が返している。



 やがて女性のところまで運ばれる。



 自身が女性に渡される。疲れたようなそれでいて嬉しそうな笑みだ。



 女性の笑みに心の中では何か感じるものがあるが、意識は、上の空だ。



(これは・・・)




 記憶を呼び起こす。

 前は圧し潰されていた。それまでは普通に社会人として生活はしていた。



 こちらに意識を移す。

 触感や体があやふやだ。ただし視界も意識も妙にはっきりしている。

 明晰夢なのか、それとも



(輪廻転生、ということだろうか?)



 そんな考えを振り払うよう思考しようとするが、突然眠気がくる。




 抗っていると、今度は大きな声が響いた。




 眠気が覚醒してしまう。


 女性は前に顔を向ける。次の声が響いた後頷いた。


 頭を頑張ってそちらへ向けようとする。




 が、肩口に抑えられてしまった。


 自身を抱き上げながら女性が立ち上がり、歩き始める。



 周りを見ることを諦め、漫然と考える。


(ここはどこだろうか?)


 丁度、女性も家を出る。風で手足が冷える。服は着ているようだ。


 触感はあまりない。


 しばらく歩く。肩であまり視界は無い。空は曇り空か?視界の端に木々が見える。




(あまり変わり映えしないかな?)



 田舎育ちの自分にとってはそう思った。



 女性が抱きかかえ直した。頭が結構揺れる。ややずれた視界には家の様子が映るようになった。



(煉瓦と木材か?あとは壺が多い?)



 他にも積み上げられた薪もあり、そこに立てかけられている木材に括り付けられたグレー色の塊。



(石器時代とか・・・?)



 歴史の知識は正直弱い。

 そこらへんだろうと漠然と考えていたら、向こうから声がし始めてきた。

 言語も音もあやふやだが音の高さとしてそうだろう。



 それは人が祈っているのだろうか。

 ひざまずき、頭を下げて声を発している。そんな横姿が見えた。


 聞いていると眠気を誘う。そんな音のなかを暫く進むと




 カッ!!




 硬いものを打ち付けたような音がしたと思ったら、場が静まり、女性も歩みを止めた。



(何だ?)



 また覚醒する。寝れない。




 女性が歩き出す。腕が緩んだと思ったら、別の人に渡される。


 その間にもう一度女性を見る。きれいな人だ。




 渡された人が回転、停止・・滑らかだな。


 一拍置き、渡された人が朗々と語りだす。


 年季の入った女性と見える。両頬には赤い塗料で一指し。


 “シャーマン”という単語が思い浮かぶ。


 儀式だろうか?




 この世界を見ようと首を動かす。


(・・・これは・・また・・)


 ここは高所なのであろう、見渡す限り草原と森の自然が見える。


 あれは川だろうか?線上に抉れている部分がある。


 つぶさに見渡していくと、動く物体が近くの草原にいる。ヤギか鹿か?


 この世界を観察する、自分の考えに肉付けがなされていく。




 その最中、




 カッ!!




 また打ち付けるような音がする。驚いてシャーマンを見る。こちらを見ている。


 叱られたと思った。


 しかし、続く口上はこちらに向けて語られるものであり、ずいぶん様子が違う。



 その語る音は体と頭に響く。あいまいだった先ほどまでの音とは違い鮮明に。


 その口上に魅入られていく。聞こえる音を拾っていく。シャーマンの顔が滲む。



 ・・・カッ!!



 口上の合間に足で打っているであろう打音が響く。

 その都度、覚醒させられるが、すぐに口上に意識を溶かされる。



 ・・・カッ!!



 ・・・カッ!!



 ・・・カッ!!カッ!!


 何回目かの覚醒、口上は今度は様子が変わり、抱き上げている腕も動かし始めた。




(クライマックスか、健やかな子にとかそういうのだろうか)


 久しぶりの触感で、戻った意識で思考する



(願いを叶えよとか?それだったら・・・)


 転生なのだ、と、行ってはいけない方向に思考がずれていく



(とりあえず鑑定、とか?・・・あとは・・・)



 思考しすぎていた。

 朗々と語るシャーマンの手の平が、背中にあることに気が付けなかった。



(文明的には能力向上とかあったほうが・・・ん?)




 頭にかかっていたシャーマンの腕が・・・消える。





 重い頭が宙に浮き、重力に引っ張られる。



(ちょっっ!!首がっぁ!、首がっ!)



 シャーマンの口上は段々と熱を帯びていく。自身は徐々に持ち上げられていく。



(ッマ!?! 体が落ち?!!)



 熱を帯び、激しくなる音に翻弄され、首の何かが痛みを上げる。



 ひたすらに混乱、叫びたくなる衝動。



(っなろぉ・・・!)



 落ちないことがわかると意地をはり、首に力を、衝動を抑えようとする。



 しかし止まらない。それでももがく。



 音に出してシャーマンが一際大きく息を吸う。それがトドメだと何故かわかった。





 上げた声と共に理性が飛んだ。

文才欲しい・・・

お目汚し失礼しました。


赤ちゃんの意識ってどうなるんでしょうか…

スーパー赤ちゃんにしてとりあえず生存率を上げます。

石器時代と言っても想像で創造モノです。

地球の資料をある程度参考にしてますが、ファンタジーですので悪しからずです。

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