背景アンビバレンツ
三日月藻を
顕微鏡で覗くみたいに
ただ
そこにある物を見ている
空気ふわりと新商品
距離にある線は
緩んだり伸びたりして
立ち位置を決めれず
それでいて
明確に隣で居ようとする
譲れない物がある
譲られたい物ではなく
手に入れたいという
譲れなさが
反応しながら
テラテラに反射する
どんな顔をするのだろう
それだけだと思う
欲しい顔は
あの顔で
この顔じゃないんだ
でも
この顔も嫌いになれない
まごついた反応と
それを知らずに
純粋に楽しんでいる彼女
どうしても入れない
一瞬一瞬が
時限爆弾を解除するかのように
それでいて
何の迷いもなく
解ける問題のように
置いてある
欲しくて欲しくない
無限の選択肢
時として
1ページ破られる
冬空の日に
寒さを撫でる霞雲
氷球の転がり
鼓動が冷気になる
温かい部屋で
独りでにできる氷柱
作り上げて
持ち歩いても
使うことはない感情
矢印の方向
描いていたら
氷の真ん中が静かに泣いた
阻まれている訳じゃなく
拒んだ方が良いのだと思う
邪魔をする意味は無い
そんな仮想現実でのトレーニングに
何の意味も無いことを知っている
目の前に居るという現実に
有効な物は無い
装うだけで手一杯で
答えるだけで
何処か嬉しく思う
素直になったら
優しい彼女は困るだろう
同じ場所に
立っていることは無い
優しいから
違う場所に立とうとする
どんな場所になるだろう
それだけだと思う
居心地の良い場所は
今の場所で
きっと
変えて欲しくないんだ
でも
今の場所に不満がある
不意に近づいた
何も知らずに
無邪気に楽しんでいる彼女
これで良いや
ウェブ広告みたいにチラつく
それでいて
絶対にクリックしたくない
絶対に触れたくない
その先を
知りたくて知りたくない
無限の選択肢
時として
1ページ作られる
楽しい時間に
たまに触れる剣山
氷球のぶつかり
砕けてしまわないように
寒空の下で
水をかけて流していく
作り上げて
持ち歩いても
使うことはない感情
丸くなるように
大切に磨いていたら
氷の真ん中が静かに泣いた
崩れないようにするだけで
精一杯の形
色合いに気づいた人には
手出しが出来ないものさ
想いは不可侵
他人に感情を委ねるような
無様な人間になってはいけない
選んだ選択肢を
プライドに変えて
それで守っていくんだ
どんな人間にだって
出来てくるのだから
分かっている
分かっていない
関係なく
大切な物っていう物は
どんなに
ふしだらな人間であろうと
時として
1ページ増える
初めての心に
降りてくる霜が一面に鳴く
氷球を持って
途方に暮れるくらいなら
寒空の中に
放り投げれば良い
作り上げて
持ち歩いたら
使ってみたくなる感情
バラバラになったら
その中から生まれる物がある
氷の真ん中が
静かに教えてくれる
その声を聞いていて
自分から自分への
その声を聞いていて