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十二日目

更新遅れてしまい申し訳ありません。

「拳殿ちゃんおはよう。ご飯できてるわ♡」


拳が朝起きるとクフリンがみんなの朝食を作って待っていた。定番のキノコと干し肉のスープにパンだ。


「「ありがとうございます。いただきます(じゃ)。」」

「拳殿今日はよろしくお願いしますじゃ。」

「こちらこそお願います。」

「拳殿の戦いは見たことがありますが、一緒に模擬戦闘を行うのは初めてですからな楽しみですじゃ。」

「いわれてみればそうですね。お手やわらかにお願いします。」

拳たちは朝食を食べ終わると、少し馬車を進め、平原で止まった。


「ここらへんで行いましょうぞ。」


拳とベンケンは馬車をおり、お互いに距離をとり構えた。


「じゃあ、始めるわね。時間は十分程度よ。それでははじめ。♡」


二人は徐々に近寄り、お互いの様子を見る。まず拳は様子見としてワンツーをする。ベンケンは鍛えられ上げられた腕でガードするとアッパーを繰り出す。拳はそれを手のひらで受けて流そうとするも、それすらも危険と判断し体をのけぞり躱す。すると、ベンケンの振り上げられた拳はそのまま勢いよく下げられる。拳は転がることでそれをさらに躱す。

拳は素早く立ち上がり距離をとる。一方ベンケンは拳ににじり寄り手刀で拳に襲い掛かる。拳はそれを冷静に手で受け流すも、何発かは流しそこね、攻撃をくらってしまう。


いってー!なんつー馬鹿力だ!どうする、このままだと時間いっぱい攻撃されて終わる・・・


拳は打開策を考える。そして、一つの案を思いつく。


失敗したらいたそうだけど、俺にはあのスキルがあるしな。やってみよう。


そうして、拳はチャンス伺うかのようにベンケンの攻撃をかわし始めた。


拳殿は避けるので精一杯のようじゃ。それではそろそろ勝たせてもらおう。


ベンケンはそう考えるとペースをいっけに挙げる。すると拳は徐々に下がり始めた。そして、拳はそのまま体制を崩してしまった。


「スキありじゃ!」


ベンケンは大きく振りかぶり剣道でいう上段の位置から剣に手刀でとどめを刺そうとした。


ブン!パシーン!


ベンケンは決まったと思っていた。クフリンもベンケンの勝利を宣言しようとしていた。

――――――――――――――しかし、そうはならなかった。二人の目線の先にはベンケンの手刀を白羽どりしている拳がいたのだ!


二人が驚くのも無理はない。本来素手の組み手で白羽どりをするような者はいない。それに白羽どりは一定程度の技量がなければ逆に手を失うことも十分ありうる。それにベンケンの腕の振りは日頃の剣術の訓練で鍛え上げられた一級品だ。拳はそれをいとも簡単に白羽どりしていたのだ。


「ベンケンさん。お腹がお留守です。」

そういうと拳はベンケンのみぞおちにアッパーをすると寸止めで止めた。


「参りましたじゃ。」

「勝者拳ちゃん♡」

「よっしゃー!」

「拳殿白羽どりをするとは想像もしておりませんでした。お見事ですじゃ。」

「ほんとね、拳ちゃんは度胸あるわぁ。でも気を付けてね。失敗したら指おれちゃってたわよ♡」

「あはは、確かにそうですね。俺無我夢中で。」


実際拳はケガをすることを想定していた。しかし、実行したそれはなぜか。そう、拳のスキルが不滅の拳があったからである。手であれば拳はいくらケガをしてもそのまま再生してしまう。それが可能であったから拳は行ったのだ。


「拳殿が躓いたのはわざとだったのですかな?」

「そうです。普通に攻撃していたのでは埒が明かないという状態を作って一撃を放ってもらえる状況を作りました。少しでも白羽どりの際に余裕を作っておくために誘導させてもらいました。」

「なるほど、受け流すだけでなく躱すことを再びやり始めたのはそういうことだったのね。昨日の私との戦いもそうだけど、拳ちゃんが躱しに徹すると攻撃はなかなか当たらないということを知っているベンケンさんには有効な手段だったわけね。もう拳ちゃんたら策士ね。キュンキュンしちゃうわ♡」


――――――――――――――ゾクゾク

拳は貞操の危険を感じた(何回目だ)。


「では、少し休憩したのちに昼食を作り食べながら反省会をしますかの。」


拳は貞操の危険を回避したようだ。

拳たちはクールダウンし、その間にクフリンが下ごしらえをし、拳は火の準備をした。

そして、食事の準備が整い、拳たちのランチタイム反省会第2回が始まった。


「じゃあ、まず私からね。拳ちゃんあなた天才?♡」

「え?急にどうしたんですか?」

「受け流してそんな簡単に覚えられるものではないわ。それを拳ちゃんは一度の訓練をしただけで実戦である程度使えていたわ。正直いって異常よ。♡」

「それに拳殿は躱すことに関しては完璧ですからな、クフリンが天才といいたくなる気持ちもわかりますし、儂も同意見ですじゃ。」

「いやいやあれはクフリンさんの指導のおかげですよ。俺の才能なんて関係ないです(神様のおかげだろうな。)。」



「そういってもらえると嬉しいわ。でも拳ちゃん自信持っていいと思うわよ。で、他の意見なんだけど、拳ちゃんちょっと無謀ね。真剣とやるときに白羽どりは控えるべきね。仮にうまく止めても引き抜いたときに手のひらの肉をえぐられたり、そもそも素手で触るだけで致命傷になる毒が塗られてる場合があったりといろいろ危険が伴うから。そんな無謀なことやってたらいくつ命があっても足らないわ♡」

「そうですね、そこは反省したいと思います。」

「ベンケンちゃんに関してはもっと臨機応変な対応を心がけるってところかしら、拳ちゃんの白羽どりで足が止まったのはいただけないわ。未知の攻撃を受けるたびにそうなってはだめよ。まあ私も驚いたけどね。」

「そうですな、どこか訓練と油断していたのかもしれませんな。反省しますじゃ。」


「次に俺からいいですか?ベンケンさんはフェイントとかは入れないのですか?」

「・・・フェイントは昔覚えようとしたのですが、結局ごり押しで100人を達成してしまい完璧には習得しなかったのですじゃ。そうですな、少し意識してみましょうかの。」


「では、次に儂から、拳殿は受け流す際に拳あたりをはじいておりましたが、手首あたりをはじくようにすべきですじゃ。拳で慣れてしまうと短刀持ちとの戦いで苦労するかと思うのですじゃ。」

「なるほど、ではクフリンさん今日の訓練でそのあたり意識する方でお願いしていいですか?」

「了解よん。実は私もそうしようと思っていたのよ♡」


こうして拳達は反省会を終えた。そのあとは談笑しながら歩みを進め、暗くなったら就寝した。


明日はベンケンさんとクフリンさんの模擬訓練か。二人とも小松級はある実力者。よく見ていろいろと学ばなければ。


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