声～私を呼んでいるのは一体だぁれ？～

短いライトホラーです。

そのうち加筆修正するかもしれません。

　クラスメイトの笑い声の響く教室でのことだった。名前を、呼ばれた気がした。隣の席の友達の声にとても似ている声。そんな声に、教室の後方から、名前を呼ばれた気がした。

　似ていたけれど、唯、なんとなく返事をしちゃいけない気分になって、聞こえなかったフリをした。友達なら傍に来て話そうとするはずだもの。呼ばれた気がしたのもきっと気のせい。何度も名前を呼ばれたけれど、全て聞こえなかったフリをした。ホントに呼ばれていたなら後で謝れば良いのだから。

　席に戻ってきた友達に名前を呼んだか訊いてみた。友達は、呼んでいないよと、不思議そうに答えた。

　一体誰が読んだのか。何が私を呼んでいたのか。未だに判ってはいないけれど、返事をしなかったこと、これだけは正しい選択だったと思っている。。。

　今でも時折聞こえてくる、名前を呼ぶ声。それは知人の居ない土地であったり、自分以外に誰も居ない場所であったり。勿論返事はしない。聞えなかったフリをする。戻ってこれなくなるのは嫌だから、ね。

　あなたの名前を呼ぶその声は、本当に人間のもの？本当にこの世のものなのかしらね？

読んでくださってありがとうございました！

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以上、譲葉でした。