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三周目の異世界で思い付いたのはとりあえず裸になることでした。  作者: 木原ゆう
第二部 カズハ・アックスプラントの初めての建国
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取り敢えず建国した俺は暇を潰すため敢えて悶絶する事にした。

 それから順調に勝ち続けた俺は遂にトップ50にまで登り詰め。

 別枠での試合が組まれる事となる。

 要は強制的に辞退が出来ない勝ち抜き戦が行われる訳なのだが――。


「マジか……」


 対戦表を見て驚愕する俺。


「マジですか……」


「うお! びっくりした!」


 いつの間にか俺の横に立っていたエアリー。

 忍者かおまえっ!


「で、何が『マジか……』なのですかぁ? カズト様ぁ?」


「……はぁ……」


 意味が分っていないのに乗っかってくるなよ全く……。


「まさかお前までトップ50に残るとは思わなかったぞ、エアリー」


 対戦表を指差しそう言う俺。

 その言葉に目を輝かせて胸を張るエアリー。


「そうなのですよぅ! 私、頑張りましたのですぅ! えへん!」


 ……俺と大して変わらないほど小さな胸だけどね。


「でもまさか……こいつら・・・・までとはな……」


 暫定1位は当然俺こと『カズト』と記載されている順位表。

 そして暫定2位はなんとあのイケメンの『ユウリ・ハクナシャス』。

 さらには暫定5位に『デボルグ・ハザード』。

 暫定18位に『ルーメリア・オルダイン』

 そしてギリギリ暫定49位に『エアリー・ウッドロック』。


 まあ、揃いも揃って……。


「知り合いの方が数名おられるのですか? いいですねぇカズト様は……。お友達が多くて……」


 その場に蹲りのの字を書き始めたエアリー。

 何故急に落ち込む。

 訳わからん。


「よお、男女」


 いきなり後ろから声を掛けられる俺。

 この声は――。


「誰が男女だっつの」


「どう見ても男女だろう。その乳も偽物なんじゃねぇのか?」


「あれだけ揉んでおいてよく言うなお前はっ!」


 俺の渾身の右ストレートをひょいとかわすデボルグ。


「おお……! カズト様のパンチをスレスレで……!」


「ああ? なんだ珍しい、エルフかこいつ?」


 ぬっと右手を伸ばしたデボルグ。

 その手はエアリーの胸に――。


「お前は場所を選ばずかっ!」


「おっと」


 俺の回し蹴りをバク転でかわすデボルグ。

 くそ……! でけぇ図体の割には身軽にひょいひょいと……!


「いいじゃねぇかよ乳くらい。減るモンじゃねぇし」


「良いわけあるか!」


「あ、別にいいですよ私は」


「良いのかよっ! 鼻水出たよ今っ!」


 振り向き様にエアリーに突っ込んでしまう俺……。

 ああもう……! 馬鹿ばっかりだな何処行っても……!


「へぇ、エルフの姉ちゃんは俺が怖くねぇのか。どうだ? 今夜俺の宿に来ねぇか?」


「……モンブランプリンがあれば何処へでも……!」


「簡単に釣られるんじゃねえええええええ! 駄目! 行ったら駄目! なんか凄い事されそうだし絶対駄目っ!!」


 エアリーをがっちりロックする俺。

 デボルグみたいな危険な男に忠犬を渡してなるものか!

 エルフ犬は俺のだ!


「カズト様……! やっぱりカズト様は私の事が…………ぽっ///」


 何か感激した様子のエアリー。

 あ、いや、別に好きとかそういうんじゃ無くて……。

 玩具を取られるのが嫌的な感じというか……。


「けっ、女同士で気持ち悪ぃな……。興醒めしちまったぜ……」


 軽く手を挙げ向こうへと行ってしまったデボルグ。

 完全にチンピラだよなあれ……。


「ああ……せっかくのモンブランプリンのお誘いが……」


「……なぁ、エアリー。頼むからああいう輩にホイホイついて行くのだけは止めてくれ……」


「?」


 きょとんと無垢な表情を向けるエアリー。

 ……もういいです……。


「さあ、午後からは50名による優勝決定戦が行われますよ! 私も気合入れて優勝は無理でも何とかトップ10には入賞するのですよ! やってやる……! やってやるのですよ……!」


 何か変な気合を入れながらエアリーも向こうへと行ってしまった。

 

 良く分らんがそっとしておいてやろう……。




◆◇◆◇




『只今より精鋭50名による優勝決定戦を行います!』


 場内アナウンスが盛大に響き渡る。

 会場のボルテージは最高潮。

 懐かしいな、この感じ。


『暫定1位は謎の隻眼女剣士! カズトおおおおぉぉぉ!』


 いきなり紹介されビクっとなる俺。

 相変わらずこういうのには慣れていない。

 一応国のトップの女王なんだけどね……。


『シードを獲得した彼女に挑戦出来るのは、勝ち上がった10名のみ! さあ! カズトに挑戦出来る可能性のある猛者共よ! 力の限り戦うがよい!』


 『わーーーーー!』という会場の声援が総勢50名の戦士達に送られる。

 その中には当然ユウリやデボルグ、ルーメリアやエアリーの姿もある訳で。


 と、ある1人の視線に気付きそちらに目を向ける俺。


(……何見てんだよ……ユウリの奴……)


 ニコッと奴が笑顔を振りまいた瞬間、俺の頭はクラクラし出す。

 くっ……! 本当に大丈夫か俺……!

 なんかまたちょっと顔が赤く……!


「? どうされましたかカズトさん? お顔が赤い様ですが……?」


「え! あ、いや、はは……ははは……」


 隣にいた主審に心配され乾いた笑いを漏らす俺。

 ああもう……! マジ勘弁してくれよ……!


(マズイな……。このまま行くと必ずユウリは勝ち上がって俺と当たる事になるだろうし……)


 そうなれば俺はどう戦ったら良い?

 まさか目を瞑ったまま戦えというのか?

 ……いや、駄目だ。

 ユウリのあの匂いだけでも頭がクラクラするんだ。

 ならば鼻も摘んだまま戦う……?


 ……戦えるかよ! そんなんで!


(くそ……! 今大会最大のダークホースだな……! どうしよう……。マジどうしよう……。……逃げる?)


 でも1000万G貰わないとうちの国がやばい。

 とはいえ俺の理性があっちに向かう方がもっとやばい気がする。


 『金』を取るか『正常な理性』を取るか。


 嗚呼……ここからでもユウリの良い匂いが俺の鼻を擽……ったら駄目だろおおおおおお!

 やばい……! ユウリの風下に立つだけでも脳が溶けそうになる……!

 しっかりしろ俺! 相手は男だ! そして俺の心も男のままだ!


 ……でも、身体はもう女なんだからユウリに抱かれても問題な……いわけ無いだろおおおおおお!

 ヤバイヤバイヤバイ……! 俺なに考えてんだよおおおおお!

 うっわ超怖い……! 俺が俺じゃ無くなっていく様な感覚……!

 

 やべぇ……! 逃げたい……! でも金は欲しい……!



「だああああああああああああああああああああああああ!」



 取り敢えず開会式が終わった瞬間俺は――。



 ――一目散に控え室へと逃げるように走った訳で。

















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