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三周目の異世界で思い付いたのはとりあえず裸になることでした。  作者: 木原ゆう
第二部 カズハ・アックスプラントの初めての建国
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取り敢えず建国した俺は暇を潰すため敢えて失敗する事にした。

「はうぅ……/// 幸せなのですぅ……///」


 頬袋いっぱいにモンブランプリンを詰め込み、幸せそうな表情でそう言うエアリー。


「お前一体何個目だよそれ……」


 頬杖を突きながら呆れ顔でそう言う俺。

 見てるだけで胸焼けしそう。


「ふぅぅ……/// お腹いっぱい食べたのであります!」


 にい、と満面の笑みでそう言うエアリー。

 このエアリー独特の笑顔で俺は絆されてしまう訳なのだが。


「さあ、喰ったんなら戻ろうぜ。そろそろ次の試合が始まっちまうし」


「はいなのです! 元気満タン、エアリーは2戦目も頑張れるのですよぅ!」


 シュタッ、と椅子から立ち上がり敬礼の姿勢でそう言うエアリーに苦笑する俺。

 

 お勘定を済ませ、いざ俺達は再び闘技場へと向かう事に……。



・・・



「あ! いたいた! NO.030276のカズト様ですね! まもなく次の試合が始まりますので、控え室の方へ――」


 着いた早々、係りの人に引っ張られる俺。

 あぶねぇ……。

 遅刻ギリギリだったか……。


「ガンバなのですよ! カズト様!」


「おうよ。お前もな、エアリー」


 忠犬に別れの挨拶をし、俺は控え室へと歩を進める。

 というか係りの人に引っ張り込まれる。

 服伸びる……。



・・・



「次の試合を始める! 双方、前へ!」


 審判の掛け声と共に壇上へと上がる俺。


「あら」


「あ」


 そこで対戦相手と目が合う。

 まさか、もう当たっちまうとは……。


「酔いは覚めたか? 手加減はしねえぞ、ルーメリア」


 目の前で妖艶な笑みを浮かべている女――ルーメリア・オルダインにそう告げる俺。


「ふふ……。昨日はホント、有難うねカズト。お礼はたーっぷりとしてあげるから♪」


 長いスカートの裾を上げ、生足をチラリズムし出したルーメリア。

 審判の野郎はその足をガン見して生唾ごっくんしていやがるし……。


「おい審判のおっさん」


「…………はっ! し、失礼! ではこれより――」


 慌てて試合開始の合図を取り出す審判。

 その姿をみてふふ、と笑うルーメリア。

 余裕だなおい……。


「それでは――始めっ!!」


 開始の合図と共に俺はウインドウを開く。


「あら? いきなり《魔法》かしら?」


「まあな」


 試合中だというのにまるで世間話でもしているような雰囲気だ。

 俺は気にせず《陰魔法》を選択する。


「《霧隠》!」


 途端に壇上内に濃い霧が発生する。

 

 この《霧隠》という《陰魔法》は、相手の物理攻撃の命中率を極端に下げる事の出来る魔法だ。

 ルーメリアがどういった攻撃方法を持っているのかは当然知らないから、保険で掛けておくに越した事は――。


「邪なる毒牙の裁きをその身に刻み込め! 《スネークバインド》!!」


「へ?」


 濃霧の隙間から、俺の横腹目掛けて大蛇が飛んで来た。


「あっぶ……!」


 スレスレで大蛇の牙を避ける俺。

 すると掠めた服が紫色の煙を上げながらジュワジュワと音を立てて溶け始めた。


(《毒攻撃》……? なんで物理攻撃なのに俺目掛けて飛んで来るんだ……?)


「ふふ……。《スネークバインド》! 《スネークバインド》!!」


「うお! ちょ、待った!」


 次々と霧の中から繰り出されてくる大蛇の攻撃。

 濃霧のせいで何処から攻撃が飛んで来るのかさっぱり分らないし!

 なんだよこれええええええ!

 何で俺の位置が分るんだよ!


「くそ……! 《隠密》!」


 途端に半透明になる俺。

 効果時間は60秒。

 しかしこれでルーメリアは完全に俺の位置は――。


ガブッ!


「う……!」


 左太ももに鋭い痛みを感じ、視線を下へと向ける。

 大蛇に……噛まれた……?

 どうして……?


「ふふ……。ほうら、カズト。全身に毒が回ってしまうわよ」


 遠くでルーメリアの声が聞こえて来る。

 くそ……! もう全身に毒が回ってきやがった……!

 俺は慌ててウインドウを開き、アイテム欄から『解毒薬』を使用する。


「駄目よ。お楽しみが無くなっちゃうじゃない。《パラライズ・ビー》!」


「いぃ!?」


 濃霧の隙間から凄い勢いで飛び出してきた数匹の蜂が俺の右手に針を刺す。

 途端に痺れて動かなくなる右腕。


「くそ……! アイテム使用ボタンが……!」


 一体何なのださっきから……!

 どうしてルーメリアは俺に物理攻撃の照準を絞る事が出来るんだ?

 これじゃまるで――。


「……おいおい……まさかお前……」


 痺れが右腕から胸、そして徐々に全身へと広がって行く。

 俺はその場に片膝を突きながら、ある一つの可能性を思考する。


「ふふ……。気付くのが遅いわよカズト」


 濃霧の隙間から現れたルーメリア。

 彼女は、武器を持っていない・・・・・・・・・


「前に自己紹介はしておいたでしょう? 私は《ゲヒルロハネス連邦国》の出身だって」


 腕を組みながら妖艶な笑みでそう答えるルーメリア。


 《ゲヒルロハネス連邦国》。

 世界中の魔道士達が集まり作った連邦国。

 彼らの中には《魔法遺伝子》の起源や作用について、長年研究している研究者達も多いと聞いた事がある。

 それはつまり――。


「……くっ……! さっきからの攻撃は物理攻撃じゃなくて・・・・・・・・・魔法攻撃だった・・・・・・・って事かよ……!」


 魔法攻撃であれば《霧隠》も《隠密》も効果を発揮しない。

 あくまで対象は物理攻撃のみなのだから。

 だが、俺は今までこんな魔法を見たことは無い。

 すでに3周目を・・・・・・・経験している俺でさえ・・・・・・・・・・初めて見る魔法・・・・・・・――。


「ご名答。私は《魔道士》よ。でも全部で・・・12種類ある・・・・・・属性とは違う・・・・・・、13番目の属性を操る『新時代の魔道士』なんだけどね」


「新時代の……魔道士……」



 そしてルーメリアは言う。




「そう……。私は《無属性》の魔法を使いこなす魔道士――――《夢幻魔道士ゼロ・ウォーロック》なのよ」

















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