空腹で倒れてしまいそうだ!
俺の名前は上山圭介
自己紹介は前文同様省略する
さて今俺は迷子になっている
なおかつ空腹に襲われているところだ
これはやばい
シ〇ンみたいに「力尽きてしまった!」が出そうなほどやばい
ちなみに食事に関してだけど
この世界で食べたら現実でも食べた感じがするんだって
けど体重は増えないからダイエットに持って来いのものだって
俺がやったら「もやし」から「骨」にグレードダウンしそうだけどな
空腹の中、路地裏をさ迷い歩く俺は
なんかの店を見つけた
「ほねつき肉の店」
……飯屋か?
いや、飯屋じゃなくてもいい
この際水でもいいから何か口に入れたい
俺はその店に向かって歩いて行った
「ヘイ、らっしゃい!」
店の男が元気よく話しかけてくる
「お嬢ちゃんが初めての客だ!よろしく頼むぜ!」
まだ品物も見てないのに無理やり客一号にされた
まぁ、いいけど
つかこの店……何屋だ?
武器防具雑貨に道具……
……何でも屋でいいか。
「お嬢ちゃん、何をお探しで?」
食糧だ。それ以外にない。
ケイト「食糧を探している」
「オーケー、当店自慢のものがあるぜ」
そういうと男は店の奥のほうに行った
そういえば俺って他人から見たらどうなってんだ?
姉ちゃんの容姿なのか?お嬢ちゃん容姿なのか?
なんてどうでもいいことを思っていると男が戻ってきた
「当店ご自慢のほねつき肉だ!」
……
店名からそんな予感はしてた
でもこれお高いんでしょう?
「なんとたったの10コルで販売してるんだぜ!」
あ、安かった。
NPCの武器屋の一番安いのが1200コル
NPCの道具屋のポーションは100コル
こう考えればかなり安い
ケイト「それ、10個ください」
「あいよ!毎度有り!」
俺は100コルを渡した
そしてほねつき肉を10個貰った
……とりあえずここで食っとこう
俺は店の入り口で立ち食いすることにした
……
思っていた以上に美味い
なんだこれ
ゲームっていう美味さじゃねーぞ!
いや、違う
きっと最近肉食ってなかったからだ
それでもこれは美味い
と思いながらも俺はがっつかないように女性らしく食べる
しばらくしてほねつき肉の店の男が話しかけてきた
「なぁ、お嬢ちゃん、そんな装備で大丈夫なのか?」
大丈夫だ、問題ないって言いたいけど
問題大有りだ
ケイト「あまり大丈夫じゃない」
「だよな……
……よし!
ここはお客さん第一号のため一肌脱いでやっかぁ!」
そういうと男は「ちょっと待っててくれ」みたいな顔をして店の奥に行った
……ちょっと覗いてみるか
……なんか鉄とか選んでるな
つかここは鍛冶屋か!っていうぐらいに道具がそろってるな
覗いていたら男が気が付いた
「ちょっといいか?
身体のサイズ図らせてくれないか?」
ケイト「嫌です」
「即答された!
そんなやましい気持ちとか卑しい気持ちとかじゃないから!
専用防具作るだけだから!」
専用防具……
その人にしか着られない防具
しかし能力値の上昇が半端じゃないのでコアなユーザーは欲しがるとか
けど鍛冶熟練度がなければ失敗作しかできない
……てか専用防具!?
こいつ作れんのか……
ケイト「わかりました。ただし服の上からです」
「おう、ありがとな!
普通の武器防具じゃ熟練度上がらなくてよ……」
なるほど、それで専用防具を作ろうとしたのか
「そういえば、あんた名前は?」
ケイト「ケイトです。あなたは?」
ほねつき肉「ほねつき肉だ!よろしくな!」
ほねつき肉は俺の体のBHWとか調べている
……こいつは多分いいやつだ
NPCの店はかなり高値でものが売られているが
プレイヤーが店で売るものは違う
そのプレイヤーが自由に値段を決められるからだ
こいつの店はほとんどが安い
しかし客が来ない理由は路地裏だからだろう
プレイヤーが店を持つ方法はかなり簡単
金を用意して店を買う
これだけで可能なんだが
このゲーム、始まってから一日も立ってないんだよな
ここまでいろいろそろっているということは……
ケイト「β引き継ぎ者ですか?」
ほねつき肉「ん?ああ、そうだぜ。
おかげで店が持てたんだ」
β版から引き継いでいたのか
それだったら納得いくな
ほねつき肉「さて、それじゃあ製作に取り掛かるか!」
ガンッ!ゴンッ!ドゴッ!
さて、ほねつき肉が頑張っている間に道具の説明でもしよう
道具は基本アイテムストレージっていうご都合空間にある
そこから自由に取り出すことができて手に持ったりすると道具の形が出てくる
アイテムストレージは許容限界量があるんだが……
何かすれば上がるらしい
たしかこんな感じだったかな
説明書を斜め読みした俺には分からないよ
ガンッ!ギンッ!ドゴンッ!
ほねつき肉「よっしゃ!できたぜ!」
できたようだ
見たところ騎士がよく着そうな鎧だ
腰のスカートの部分もよくできている
ほねつき肉「ささっ、試着してみな!」
俺は鎧を受け取って周りを見る
右見て
左見て
試着室とかがない
……
ほねつき肉「俺向こうにいってくらぁ!」
ほねつき肉は走って店内のほうに行った
とりあえず見られない角度から着替えた
ケイト「着替えてみました」
ほねつき肉「おお、サイズもぴったりだったか!
初めて作ったからどうなるかと思ったけどな!」
ケイト「これ、いくらですか?」
ほねつき肉「いいよ!いいよ!それ試作品だからタダってことで!」
ケイト「そうですか……ありがとうございます。
そういえばこちらでは素材の売却はできますか?」
ほねつき肉「できるぜ。ただ価格は適当だけどな!」
ケイト「じゃあ、これらをお願いします」
先ほどゴブリンから身ぐるみ剥ぎッ取った戦利品を並べる
コトンッ……
コトンッ……
コトンッ……
ほねつき肉「お嬢ちゃん、いったいどれだけ並べるんだ?」
ケイト「もう少しで終わります」
と同時にすべて置いた
ほねつき肉「お嬢ちゃん、誰かとパーティ組んでたのか?」
ケイト「ケイトはソロプレイヤーです」
ほねつき肉「そうか。
……これらの価格をつけるには少し時間がかかるけどいいか?」
ケイト「いいえ。
これらはあなたに差し上げます」
ほねつき肉「はぁっ!?この量を!?」
ケイト「はい。ケイトは大変この店が気に入りました。
さらに先ほどのお礼も兼ねてのお返しです」
ほねつき肉「そ、そうか……。
だったらこれもやるぜ!」
ほねつき肉は店から剣を持ってきた
ほねつき肉「出来がいい剣だからやるぜ!
大事に扱いな!」
ケイト「ありがとうございます。
……ところで少しよろしいですか?」
ほねつき肉「なんだ?」
ケイト「地図ありませんか?」
いやー助かった
あそこの店はかなり良かった
MAPももらったし
フレ登録もしたし
鎧や剣ももらったし
いい店だった!
俺はそのままダンジョンに向かうのであった
ほねつき肉「ケイトのレベルは10……
かなり下層プレイヤーのはずなのに
これらってゴブリンあたりから取れたのか……?」
繁盛しないほねつき肉の店では独り言が響いていた……
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名前:ケイト
性別:女性
レベル:10(MAX)
HP:10000/10000
MP:6000/6000
ATK:450
DEF:450
MATK:285
MDEF:285
SPD:260
LUC:2T
装備品
右手 -出来のいい剣-
左手 -なし-
頭 -なし-
胴 -騎士風鎧-
腰 -騎士風鎧-
足 -騎士風靴-
装飾品 -なし-
装飾品 -なし-
装飾品 -なし-